IBF女子ミニマム級戦大激闘 山中菫が鵜川菜央に2-1勝ちで奪還 

7日夜、後楽園ホールの「Lemino BOXING フェニックスバトル153」は女子興行。5つのタイトルマッチを含む全7試合の女子戦が行われた。

山中㊨-鵜川の激闘

メインのIBF女子世界アトム級王座決定戦は年間最高試合級の大激闘が繰り広げられ、元同級王者で1位の山中菫(真正)が3位の鵜川菜央(三迫)に2-1判定で勝利。山中は1年前にドイツでティナ・ルプレヒトとの4団体王座統一戦で敗れ、失った水色のIBFベルトを取り戻した。

小柄なサウスポーのインファイター山中が狙う右フックは初回から鵜川をとらえたが、世界初挑戦の鵜川も動きは悪くはない。2回、山中はプレスを強め、鵜川の左フック、右ストレートをガードで弾きながらぐいぐい前へ。左ボディーと右フックを連発。長身の鵜川は近場で前後左右へと半歩の距離を移動しながら左ボディーフックやショートで対抗する。3回は右ストレートのカウンターで山中の動きを一瞬鈍らせた。

4回、山中は入り方をアレンジして飛ばすが、鵜川もこれに手数で応じる。これまでゼロKOの鵜川だがコツコツと的確に当てるパンチは角度、タイミングがいい。山中も気が強いから、試合は甲乙つけがたい攻防が繰り広げられた。それにしても山中の右フックをたびたび浴びながら、鵜川の返す手数は一向に減らない。

6回はやや動きの落ちた鵜川に対し山中のエネルギッシュな攻めが目立った。鵜川は踏ん張りどころだったが、8回はアッパーとショートブローで堂々打ち勝った。一方の元チャンピオン山中も譲る気はさらさらない。終盤は左ストレートでたびたび鵜川の顔面の襲う。両者最後の最後まで激闘を続け、試合終了ゴングと同時に待ち構えたように大きな拍手がわきおこった。

スコアは97-93(岩崎)、96-94(田中)、94-96(野田)で山中の王座奪還を支持していた。「鵜川さん、強かったです」と語った山中は10勝3KO1敗。プロ初黒星(6勝1敗)となった鵜川だが、負けて株をあげた。

■ぬきがバンタム級王座を統一
◇WBO女子アジアパシフィック・ミニマム級王座決定8回戦
吉川梨優那(泉北)[判定3-0(77-75、78-74、78-74)]鈴木なな子(横浜光)
前の手を多彩に使って吉川が先制。鈴木は2回早くも右目下が腫れだし、これは吉川のパンチによるものと裁定された。さらに吉川は動きもほぐれ、足運びも軽く右-左フックを放ちながら攻め入ってリード。右アッパーもコンビネーションに組み込んで鈴木を引き離していく。

鈴木は7回に反撃が効果をあげたが、最終回は再び吉川に左フックを巧打された。明白な勝利を収めた吉川は8勝1KO2敗2分。同級王座に返り咲きとなった。「前は、ここ(後楽園ホール)で防衛戦をして獲られましたが、ここで獲り返せてうれしいです」と喜んでいた。鈴木は黒木優子(真正)のWBA王座に挑んだ試合(昨年度の女子年間最高試合)からの再起に失敗。9勝3KO5敗。

◇OPBF女子&女子日本バンタム級王座統一8回戦
ぬきてるみ(真正)[判定2-1(77-75、77-75、75-77)]山下奈々(RE:BOOT)
日本王者山下とOPBF王者ぬきの統一戦は初回からヒート。のしのしと出るぬきの右のハンマーパンチで山下の腰が一瞬落ちそうになった。2回もぬきは強打さく裂のチャンスをうかがうが、山下も左ジャブとカウンターで立て直しを図る。

途中採点が劣勢と出た山下は歯を食いしばって右ストレートを打って挽回。これを強靭な足腰のぬきがウィービングとローリングでかわすなど意外なディフェンス技術も披露した。最終8回、ぬきがラストスパート。山下も懸命に迎撃したが、ぬきの圧力にあおられ気味だった。

「もっと強くなって世界戦やりたいです」と勝者ぬき。これまで4度の世界挑戦はすべて海外で失敗しており、5度目の正直を目指す。ぬきの戦績は17勝11KO7敗1分。日本王座2度目の防衛に失敗した山下は7勝3KO3敗となった。

◇OPBF女子アトム級タイトルマッチ8回戦
狩野ほのか(TEAM10COUNT)[判定3-0(80-71、80-71、80-71)]佐藤香実(厚木ワタナベ)
前に出てくる無敗挑戦者の佐藤に対し狩野はフットワークを使いながら左ジャブ、右ストレート。感触をつかむと右強打を混ぜ始め、3回はこれで効かせて佐藤をダウン。その後もサイズを生かした長いパンチをビシビシと決めた。佐藤はあきらめずアタックを続けたが、この日の狩野は打ち合っても危なげなかった。

たくましさを増した感の狩野はこれで3度目の防衛。戦績を11勝3KO1敗3分とした。佐藤は4勝3KO1敗。

◇WBO女子アジアパシフィック・アトム級王座決定8回戦
四元志桜里(真正)[TKO7回21秒]鎌田真央(升田)
互いに退かず手数を多く出し合う激闘。鎌田は左ボディー、四元(よつもと)はインサイドをすくいあげるアッパーが光ったが、19歳四元の幅のあるボクシングに一日の長。しだいにダメージをためた鎌田が7回早々に四元の左アッパーから追撃されると、レフェリー岡庭冴美がストップした。

「じいちゃん、ベルト獲ったよ」と亡き祖父の遺影に勝利をささげた四元は3勝2KO。宮崎日章学園高校ではインターハイ優勝やアジアジュニア選手権銅メダル獲得などの活躍をおさめ、在学中にプロデビューした。奮闘及ばなかった鎌田は初黒星(5勝2KO1敗3分)。

◇女子47キロ契約6回戦
和田まどか(DANGAN)[TKO1回1分13秒]パニダー・チャットルワン(タイ)

◇女子S・バンタム級4回戦
福井凛(真正)[TKO3回1分57秒]松井美樹(松本ACE)

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