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李健太、不満の初防衛 中野幹士はOPBFをKO奪取

2024年9月8日 1時49分

 7日、後楽園ホールで行われたダブルタイトルマッチ。メインの日本S・ライト級戦は、チャンピオンの李健太(帝拳)が、同級9位の山本ライアンジョシュア(ワタナベ)を判定で下し初防衛に成功。セミで行われた東洋太平洋フェザー級王座決定戦は、1位の中野幹士(帝拳)が14位にランクされるブリックス・ピアラ(フィリピン)を4回34秒KOで破って、初の王座を獲得した。

山本に左アッパーを見舞う李㊨

 4月に藤田炎村(三迫)との激闘を制して王座を獲得し、チャンピオン・カーニバルのMVPに輝いた李だが、山本を迎えた初防衛戦は99-91が2者に100-90の大差勝ちとはいえ、王者のアピールに欠ける結果となった。

 開始からサウスポーの李が、右を上下に伸ばして突き放し、力強い左へと繋げる。山本も体を振って中をうかがい、意表を突いたところからパンチを振るった。

 2回、李は偶然のバッティングで、左目上をカット。体勢低く入る山本だが、李は右を引っ掛け、位置を変えてリセットすると、左アッパーを突き上げて引き離す。中に入りたい山本に、李は動いて多彩な右を突き刺し、時には脚を止めて受け止め、ボディーを叩くシーンも作った。

 5回、山本の左フックをもらって、防戦に回る場面もあった李だが、途中採点では2者が49−46で1者がフルマークと大きくリード。それでも心の折れない山本に、李は焦りと動揺があったという。

 李は後半もステップそしてジャブで先手を押さえ、左へ繋ぐ。右を引っ掛けて山本を近づけず、出ばなを挫いて切り刻んでいく。だが山本は変わらず前に出て、大きなパンチで会場を沸かせた。

 最終回は開始からワンツーを打って出た李。山本の最後の気迫を受け止め、左右ボディーをまとめて跳ね返す。しかし山本も最後まで気持ちを見せ続けた。

 満足できない内容に、李は会見でも、「何も言うことはない。次に期待してください」。王者として初めての試合で、気持ちをうまく持っていけなかったのか。それでもチャンピオン・カーニバルに向けて「命懸けでトレーニングして準備する」ことを誓った。

 戦績は、李が8勝2KO1分。敗れた山本は7勝1KO7敗。

強打でピアラを沈めた中野初戴冠

 セミのOPBFフェザー級戦は中野がピアラを4回KO。2018年10月のデビューから6年、11戦目で待望のタイトルを獲得した。

 サウスポー同士、静かな立ち上がり。初回1分30秒で放った中野の右ボディーの破裂音が場内に響いた。お互いによく見て、軽く右を突き合う。

 時折振ってくるが、あまり攻撃姿勢の見えないピアラをゆっくりと、そしてじわじわと追い詰める中野。3回終了間際、ロープへと追い、中野が左右ボディーをくらわすと、最後は左ボディーでピアラは膝から崩れ落ちた。

 先制のダウンを奪った中野は続く4回開始早々、ピアラをロープへと詰めると左右ボディー連打で再び倒す。倒れたピアラはリングを叩いて悔しがったが、そのままテンカウントが数え上げられた。

 「ビデオを見て、ボディーを嫌がっていた」と、思い通りの展開で試合を終わらせた中野。初めてのベルトを手にして涙ぐみながら、「もっといいベルトをみんなに見せたい」とリングの上から宣言した。

 新チャンピオンの中野は11勝10KO無敗。ピアラは9勝3KO2敗。

◆62キロ契約8回戦
川口高良(協栄)[TKO7回1分23秒]宮田彪我(帝拳)

 力強いジャブを肩口から真っ直ぐ伸ばす宮田に、川口の顔面が紅潮する。体を振って中をうかがう川口だが、宮田はアッパーを交えて多彩な右を繋ぐ。踏み込んでの右をヒットした川口。しかし宮田は左ボディー、右の上下とパンチのバリエーションを増やしていく。
 5回、ガードを固めて受けながら返す川口のヒットで、宮田が左目上をカット。ドクターチェック後の宮田は、気迫のこもったブローで押し返すが、川口も負けずに右オーバーハンド、左右ボディーで応戦。

 6回、両者は頭と肩を着けあう距離で拳を交わし合い、ボディーを叩く。続く7回も開始から頭を着けて打ち合う。声を発して拳を振るう宮田に負けずに返す川口。しかし2度目のドクターチェックで、試合は止められた。

 無敗を守った川口の戦績は9勝6KO1分。初黒星の宮田は3勝1KO1敗。

◆フェザー級8回戦
嶋田淳也(帝拳)[判定3‐0(80‐72×3)]リ・ジャーミン(中国)

 ステップインしながら左を上下に伸ばす嶋田は、前へ出ながらよく見て、右ストレート、左ボディーへと繋げる。下がりながらも抵抗の意志を見せるリだが、嶋田の前進は止まらず、徐々に削っていく。

 しかし嶋田の攻撃は、着実だが一定のペースでメリハリに欠けた。フルマークの完勝だったが、仕留めるための山場がほしい。
 
 嶋田の戦績は7勝2KO1分。リは5勝2KO4敗。

◆フェザー級4回戦
岡崎真人(スターロード)[判定3‐0]尾川裕二郎(EBISU K’S BOX)

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