現地時間4日、米国オハイオ州クリーブランドのウォルスタイン・センターにてトップランク主催興行が開催。メインイベントのWBO世界ライト級タイトルマッチはチャンピオンのアブドゥラー・メイソン(米国/135ポンド)が同級6位のアルバート・ベル(米国/134.9ポンド)に12回45秒TKO勝利を収め、王座を守った。

ベルをヒットするメイソン㊧ photo/Top Rank
当初はWBO1位のジョー・コルディナ(英国)が挑戦するはずだったが、コルディナが自国で起こした暴行容疑で起訴されていることが判明し、ビザが下りず、試合の約2週間前にベルが代役となったもの。
オハイオ州出身の両者による世界戦。スタンスの広いサウスポーの王者がガードを上げながら積極的に出ると、ベルもカウンターで応戦する。2ラウンドはベルが右のショートを王者にヒットした。
中盤、上背で勝るベルは前に出ようとするメイソンの出ばなをくじくようにコンパクトなパンチをコツコツと当て、試合を優勢に運んだ。メイソンは尻に火がついたか、7ラウンドに左ストレートでベルの顔を弾いて反撃ムードを高め、8ラウンドも攻勢を強めてポイントを連取。9ラウンド、メイソンがボディーへパンチを集めるとベルは露骨に嫌がる素振りを見せるなど、手数が減ってガクンとペースダウン。流れは王者メイソンに傾いていった。
迎えた最終回、開始と同時にメイソンが猛然と襲いかかり、ロープ際で左を連打、ベルが座り込むようにダウン。立ち上がったベルに追撃。明確な有効打こそなかったが、ベルが引き落とされるように膝をついて2度目のダウン。マーク・ネルソン(米国)レフェリーはカウントを数えようとしたところで両手を交差している。
昨年11月、サム・ノークス(英国)との決定戦で獲得した王座の初防衛に成功した22歳のメイソンは21戦全勝18KO。33歳のベルは28勝9KO1敗。精神面の弱さを露呈した格好だ。

“シュー・シュー”キャリントンは初防衛に成功 photo/Top Rank
■キャリントン物足りない判定防衛
セミファイナルのWBC世界フェザー級タイトルマッチはチャンピオンのブルース・キャリントン(米国/124.9ポンド)が同級10位、レネ・パラシオス(メキシコ/125.7ポンド)に12回判定勝利。王座を防衛した。スコアは116-112、117-111、118-110の3-0。
初回、L字ガードの王者にサウスポーのパラシオスがじりじりと距離を詰める。有効打こそないもののキャリントンは手数で流れを引き寄せていく。ジャブをくぐって近い距離でパンチをまとめたいパラシオスと、ジャブから次に繋げたいキャリントンの攻防は似たような展開が続き、盛り上がりに欠けるままラウンドが進んだ。
7ラウンドはパラシオスが王者をロープ際に押し込み左右フックを振るい、見せ場をつくる。ブーイングも聞こえ始めた8ラウンド1分過ぎ、パラシオスの右フックがダックしようとしたキャリントンの側頭部から後頭部にヒット。ヒザを着いたキャリントンはラビットパンチをアピールした。レフェリーによってはダウンをとられる場面だが、ハービー・ドック(米国)レフェリーの裁定はスリップだった。
今回、米国の試合では珍しくWBCのオープンスコアリングシステムが採用され、8ラウンド終了時の採点は79-73(3者)で王者優勢とアナウンスされた。展開に変化はなく、ブーイングのなか11ラウンドにはパラシオスの左ボディーが効いてキャリントンは後退し、左を追撃される。最終回も慎重な戦いぶりのキャリントンにパラシオスが攻め、左ストレートを浅くヒットするが、王者が逃げ切ってゴング。
2度目の防衛に成功したものの評価アップにはつながらなかった29歳のキャリントンは18戦全勝10KO。世界初挑戦の25歳、アメリカ3戦目のパラシオスは19勝10KO1敗1分となった。
■上位ランカーとの対戦が見たいジョンソン
WBO北米ウェルター級チャンピオンのデランテ“Tiger”ジョンソン(米国/147ポンド)がクリストファー・ゲレロ(カナダ/145.6ポンド)と対戦。空位のWBC米大陸王座とIBF北米王座もかけられ、3つの地域王座戦となった一戦は10回判定でジョンソンが勝利した(3対0/100-92、99-91×2)。
オハイオ州クリーブランド出身のジョンソンは大歓声を背に受け、スタートからジャブを突いてプレッシャーをかけていった。手数で劣るゲレロもジョンソンの隙を伺いながらコンパクトなパンチを返す緊迫した序盤となった。
中盤、ポイントこそジャブ主体のジョンソンが集めていくが、ゲレロもジョンソンの攻勢を巧みに外して時折いいパンチを返す。7ラウンドはジョンソンが攻勢を強め会場から歓声を挙がるものの、慎重な戦いぶりも特徴と言えるジョンソンは会場の期待をよそに、その後もゲレロの反撃を最小限に抑えながらアウトポイント。
東京五輪ウェルター級ベスト8、そして現在はWBO10位、IBF14位の27歳、ジョンソンは18戦全勝8KO。勝利者インタビューではデビン・ヘイニー(米国)の名前も出たように、そろそろ世界上位選手との対戦が見たいところだ。ノーランカーの25歳、ゲレロは16勝9KO1敗。健闘を見せたものの終盤に疲労を見せ被弾を増やしてしまった。
■メイソン・ブラザースはアブドゥラーほか2人が出場、全員勝つ
『ボクシング界のジャクソン5』と話題性もあるメイソン5人兄弟は長男にアミール・メイソン(Amir Mason/5戦4勝3KO1敗)、次男はアデル・メイソン(Adel Mason/3戦全勝2KO)、三男がアブドゥルラフマン、四男にこの日のメインイベンターのアブドゥラー、五男がイブラヒム、そしてトレーナーは父親のヴァリアントというボクシング一家。この日は3兄弟が出場し、末弟のイブラヒム・メイソン(米国/130.3ポンド)はスーパーフェザー級4回戦でエリック・ハンリー(米国/129.4ポンド)に2ラウンド1分59秒TKO勝利を収めた。20歳のメイソンは3戦全勝全KO、32歳のハンリーは1勝1KO3敗。
トップバッターとして先陣を切ったのはアブドゥルラフマン・メイソン(米国/133.8ポンド)で、ライト級4回戦に出場。アルバロ・ウイサル・カブラル(米国/134.7ポンド)と対戦し、4回判定勝利だった(40-36×3)。23歳のメイソンは3戦全勝2KO、32歳のカブラルは1勝1敗。


