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“逆輸入ボクサー”坂井祥紀 流血戦制し日本ウェルター級V2 高見亨介は世界ランカーから勝利

2023年12月2日 20時18分

 日本ウェルター級王者の坂井祥紀(横浜光)が2日、後楽園ホール「WHO’S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT」のメインで挑戦者4位のシーサー皆川(平仲BS)に3-0判定勝ち。2度目の防衛に成功した。スコアは95-94、96-93×2。

坂井(左)はキャリアの差を勝利に結びつけた

 メキシコでキャリアを積んだ“逆輸入ボクサー”坂井とアマ時代に国体優勝経験のある日大出身の皆川のマッチアップ。坂井は顔の前で両グローブを合わせるいつもの構え、サウスポーの皆川は右ガードを下げたスタイルで立ち上がった。

 スタートはアウトボクシングをする皆川を坂井が追いかけた。初回、皆川が左ボディをカウンターで決めた。3回、坂井のジャブがカウンターで入り、押し倒すような形で皆川がキャンバスに転がるとダウンが宣告された。

 坂井がペースをつかんだかに思われたが、皆川は4回にペースアップ、いきなり左ッパーをきれいに打ち抜くと、坂井が脚をバタつかせるピンチを迎えた。しかし皆川が畳みかけられないまま坂井は回復。ラウンド後半は坂井が盛り返した。終了間際に偶然のバッティングで両選手がカットした。5回終了時の公開採点は、48-46×2で坂井、48-46で皆川と割れた。

 後半に入っても接戦が続いたが、皆川の額、坂井の右目上からの出血がひどく試合は流血戦に。坂井の右が徐々に精度を増すが、7回は皆川が左アッパーを再び決めて会場を沸かせた。終盤、坂井はペースが上がらず、皆川も決め手を欠く。最終回は坂井が右で迫り、終了のゴングが鳴った。

勝利を喜ぶチーム坂井

 坂井は29勝15KO13敗3分。「シーサー選手はうまいと思っていたので動じることはなかったけど、僕なりにやれることはやった。アッパーはビックリしました。心だけは折れないようにした。もっとお客さんを喜ばせる試合をしたい」とコメント。来年のチャンピオンカーニバルでかつて敗れている元日本王者の豊嶋亮太(帝拳)を迎え撃つ。第1戦とは立場を入れ替えての再戦となるが、坂井は「挑戦者の気持ち」を強調した。

 皆川は4勝1KO2敗。試合後に出血で右目が見えなくなったと明かした上で、「まだやめられないですね。彼の40戦のキャリアをだいぶ吸収できた。これから強くなれると思う」と前を向いた。

◇52.7キロ8回戦
梶颯(帝拳)[TKO7回2分42秒]篠田将人(山木)

 梶は21年10月に福永亮次、昨年8月に中川健太(三迫)と相次いでタイトルマッチに敗れ、1年3カ月ぶりのリング。2022年全日本S・フライ級新人王の篠田を迎えた。

 立ち上がりはサウスポー篠田のパワフルな左が目を引いた。これを何とかブロックしてジワジワとプレスをかける梶は初回終了間際に右をヒット。しかし2回は篠田が左アッパーを決める。ラウンド終盤、梶が仕掛けて打ち合いになった。

梶は7回に試合を決めた

 篠田がペースをつかみかけているように見えたが、4回は梶が左右のフックを決め、篠田をコーナーに釘付けにする。梶は畳みかけるが、ダメージを負った篠田がピンチをしのいだ。

 さらに梶は5回、左ボディを効かせて畳みかけ、篠田をダウン寸前に追い込むが、篠田も左、右フックを思い切り振って食らいつく。6回も梶が攻め込んで優勢だが、篠田のパンもヒットして激闘の様相。梶もダメージがたまってきた。

 7回早々、梶が左フック、右ストレートで篠田をコーナーに追い込みフィニッシュを狙うが、ここでも篠田は反撃。ラウンド中盤には篠田が左を決め、梶の動きが止まって形勢が逆転しかけたが、ここから梶がガッツを見せ、最後は渾身の左フックをカウンターで叩き込むと、篠田がバッタリと倒れた。再起戦勝利の梶は16勝10KO2敗。篠田は6勝5KO2敗1分。

◇109ポンド8回戦
高見亨介(帝拳)[3-0(80-72×2、79-73)]リト・ダンテ(フィリピン)

 日本L・フライ級4位の高見が元東洋太平洋ミニマム級王者でWBC同級15位のダンテと対戦。身長で10センチ上回る高見が初回から精力的にジャブ、左フックを決め、ボディ打ち、右フックもヒットして好スタートを切った。

高見(右)は躍動して実力者を撃破

 高見は2回以降もダンテのアタックをサイドステップで外し、攻めてはジャブ、右ボディを軸にパンチをまとめて波に乗っていく。ダンテは3回に圧力を強めるが、高見はカウンターも冴えてダンテを翻弄した。

 小柄なダンテは鋭く動いて高見を追いかけた。ダンテがやや盛り返して迎えた5回、高見の右カウンターが炸裂し、ダンテの動きが一瞬止まる。その後も高見の右ストレート、左フックが決まった。

 高見は終盤も自在に動き、スイッチも見せてやりたい放題。最後まで気迫を見せたダンテを突き放した。高見は5勝4KO。ダンテは21勝12KO11敗4分。

◇117ポンド8回戦
ヤン・チェンチェン(中国)[TKO3回2分44秒]小川寛樹(帝拳)

 背の低いヤンが突っ込むように前に出るボクシング。小川は脚でさばこうとはせず、3発、4発とまとめてヤンを止めにかかった。小川はノンストップで攻めて優勢だが、ヤンのジャブ、右をもらうシーンもあった。

小川はヤンの一撃に沈んだ

 迎えた3回、激しくパンチを交換する中でヤンの左フックが炸裂。小川が崩れ落ち、すぐさま立ち上がったもののフラフラで、主審が両手を交錯した。3連敗を脱出したヤンは6勝3KO3敗。アマで国体優勝経験のある小川はプロ初黒星。3勝2KO1敗。

◇62.3キロ8回戦
宮田彪我(帝拳)[3-0(80-72×3)]加藤亜礼史(折尾)

 法政大出身で2月にB級デビューした宮田の3戦目。宮田はアップライトのサウスポー加藤に対し、ジャブを上下に散らしながら圧力をかけ、2回は右ストレート、ボディ打ちをヒット。打ち終わりを狙う加藤を追い込んでいく。

 宮田は加藤のジャブを被弾することもあったが、3回以降は一方的な展開。連打を見舞い、上下に打ち分けてKOを狙うが、加藤は顔を腫らしながら左ストレート、左アッパーを打ち返し、ピンチではクリンチを使って最後まで粘った。宮田は3勝1KO。加藤は10勝3KO4敗。

◇S・バンタム級6回戦
眞下公翔(横浜光)[TKO2回1分14秒]中本豊(結花)

観衆=829人

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