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全日本新人王 MVP武藤涼太、敢闘賞は下村佳輝、技能賞は坂井涼 赤井はダウン応酬の末敗れる

2023年12月23日 18時42分

 第70回全日本新人王決定戦が23日、後楽園ホールで行われた。中止となったS・ライト級をのぞく11階級で東軍代表と西軍代表が激突した。結果は東軍が3勝、西軍が6勝、ドローが2試合だった。

この日誕生した23年の新人王たち

 最優秀選手賞にはS・バンタム級の無敗対決を制した武藤涼太(松田)が輝いた。敢闘賞には豪快なKO勝利を飾ったS・フェザー級の下村佳輝(三迫)が、技能賞にはセンスとスピードに恵まれたフライ級の坂井涼(畑中)が選ばれた。

◇ミニマム級4回戦
坂田一颯(S&K)[引き分け(38-38×3)]北野武郎(大橋)

 サウスポー同士のレベルの高い戦いとなった。坂田がリズムをうまくとり、タイミングのいい右を上下に出してリード。1回終盤には左オーバーハンドもクリーンヒットした。

引き分けで勝者扱いとなった坂田㊨

 対する北野は後手の印象だったが、攻勢を強め、局面で右フック、左ストレートを好打。最終4回も左をヒットして猛追した。

 結果は3ジャッジ全員が同点をつける引き分け。大会ルールで、優勢点を多く集めた坂田が新人王タイトルを獲得した。もう1ラウンド見たくなる内容だった。坂田は2勝1KO1敗1分。北野は4勝1KO1分。

坂田の話「苦しい展開になると思っていて本当に苦しい展開になりました。ドローはいい結果ではないのでもっと練習します。去年も新人王に出て敗退した。今年勝ててとりあえずほっとしてます」

◇L・フライ級4回戦
磯金龍(大橋)[引き分け1-1(40-36、37-39、38-38)]上蔀哲汰(S&K)

 サウスポー対決。互いに遠い距離から踏み込んで思い切り左ストレートを打ち込む立ち上がり。ともに振りが大きく、なかなかヒットは生まれない。3回、西軍技能賞の上蔀が左カウンターを決めると、磯金も左をクリーンヒットして反撃。距離が縮まり、試合は一気に白熱した。

L・フライ級は磯金㊧が引き分け勝者扱いに

 4回は磯金がアッパーからつなげてチャンスを作るが、上蔀も打ち返して一歩も引かない。決定打は最後まで出ず、ドロー決着となった。優勢点により磯金が全日本新人王となった。

磯金の話「3年前に名古屋から上京して大橋ジムに入った。目標としていた新人王が取れてうれしい。(ミニマム級の)武郎が引き分けで、大橋ジムとして絶対に勝たないといけないと思った。まだまだなのでもっと練習しないといけないと思う」

◇フライ級5回戦
坂井涼(畑中)[3-0(49-46×3)]高熊龍之介(松本ACE)

 ゴングと同時に頭をつけての打ち合い。西軍MVPの坂井は左ボディを盛んに打ち込み、上につなげていく。ハンドスピードの速さが目を引いた。長身の高熊は負けずに応戦するが、坂井のコンビネーションが2回も上回った。

技能賞を受賞した坂井㊧

 坂井はジャブ、ワンツーも効果的で、多彩な攻めで攻撃で試合を優位に進めた。高熊は3回に左フックをヒットして前に出るも、坂井がカウンター、リターンを打ち込んで流れを渡さない。

 高熊は左フック、ボディ打ちで必至に坂井に迫った。試合終了間際、高熊の左フックで坂井がグラグラになり会場が一気に沸く。高熊が畳みかけたが、坂井が踏ん張った。坂井は5勝2KO1敗。高熊は7勝3KO2敗。

坂井の話「(最後に効かされたパンチは)いい経験になったと思う。もっと強弱、緩急をつけたほうがよかったけど、強打ばかりになってしまた。(田中)恒成さんも中京高の(田中)亮明先生も来てくれた。恒成さんに追いつき、追い越したい気持ちはあるけど、一戦一戦たたかっていきたい」

◇S・フライ級4回戦
藤野零大(カシミ)[2-1(40-36、39-37、37-39))]佐藤祐(三迫)

 19歳対決。佐藤は低い姿勢でプレスをかけ、下から藤野を崩していこうとした。パンチ力で上回る藤野は荒っぽいパンチで佐藤に迫った。2回、藤野が左アッパーから右につなげた。

藤野㊧が判定勝ち

 後半はもみ合い、押し合いのシーンが多く、互いに効果的な攻撃を見せられなかった。軍配は西軍・敢闘賞の藤野に上がった。カシミジム3人目の新人王となった藤野は4勝3KO1分。佐藤は6勝1敗。

藤野の話「初めてのホールは観客の熱気があってやる気が出た。金沢から応援に来てくれた人、食事でサポートしてくれたお母さんに感謝したい」

◇バンタム級5回戦
森口山都(クラトキ)[3-0(49-46、49-45、50-45)]三浦良斗(ワタナベ)

 初回は守口が左ボディから右につなげるなど、テンポよく手を出して優勢。三浦は右を狙うが、スピードで上回る守口は2回も右アッパー、左ボディと気持ち良く攻めた。

三浦を堂々制した森口㊧

 劣勢の三浦は最終回に勝負をかけ、右ストレート、左フックで森口に迫った。森口は強気に応じ、逆に左ボディ、右ストレートを打ち込んで反撃を許さなかった。森口は7勝2KO1分。三浦は3勝1KO2敗2分。

森口の話「目の前の一戦一戦しっかりやって、やるからにはベルトを獲りたい」

◇S・バンタム級5回戦
武藤涼太(松田)[KO1回1分56秒]須藤大和(伴流)

 無敗サウスポー対決。長身の武藤がスピード感あふれるコンビネーションで須藤をコーナーに追い込むと、シャープな左アッパーから右フックを決めて須藤がダウン。立ち上がったものの、10カウントとなった。武藤は5勝3KO1分。東日本・技能賞の須藤は7勝4KO1敗。

7戦全勝の須藤を倒した武藤、MVPに

武藤の話「落ち着いてできたと思う。松田会長が亡くなって、いい結果で終わって会長に届くようにと思って試合をしたい。ジム25年ぶりの新人王? 自分が絶対になると思ってやってきたのでうれしい」

◇フェザー級5回戦
石崎大二朗(LUSH)[3-0(49-46×2、50-45)]牧田健之介(RK蒲田)

 体格で上回る石崎がプレスをかけ、東日本MVPの牧田は引きつけて右を狙った。互いに手数が少なく、特に牧田は狙いすぎで手を出さない立ち上がりだ。

石崎㊧が牧田に判定勝ち

 石崎は3回からジャブとフットワークでアウトボクシングを展開した。4回は右カウンター、左フックを牧田に決め、牧田は右目上をカット。すっかりペースを失った牧田のパンチは最後まで届かなかった。石崎は5勝2KO。牧田は4勝3KO1敗。

石崎の話「獲ることができて安心しています。応援団の声が励みになりました。兄も元プロで全日本を獲れなかった? 兄の思いもしょって獲れました。今回が有終の美なのか、新たな目標に向かうのか、また考えたいと思います」

◇S・フェザー級5回戦
下村佳輝(三迫)[TKO4回2分9秒]小松直人(森岡)

 下村がサウスポーの小松を追いかけ、左ボディを決めて小松にロープを背負わせるが、小松も左ボディ、右フックを力強く打ち込んで負けていない。初回からKO決着を予想させる立ち上がりとなった。

激闘を制した下村

 2回、開始早々に下村が右を打ち下ろし、小松がダウン。主審がストップか迷ったほど効いていたが、続行を許された小松がここから踏ん張り、右フックをカウンターで決めて下村にダメージを与えた。

 3回は打ち合いとなり、攻守が激しく入れ替わるが、よりダメージを負っているのは小松のほうか。4回、下村が右ストレートを決めると、それまで気力で踏ん張っていた小松がついに崩れ落ち、ノーカウントでストップとなった。下村は6勝6KO1分。小松は7勝2KO2敗。

下村の話「この調子でこれからもKOを狙っていきたい。刺激ある格闘技なので(見ている人たちに)勇気を与えられたらと思う。ここがスタートラインだと思う」

◇ライト級4回戦
西畑直哉(竹原慎二&畑山隆則)[TKO2回2分33秒]児島弘斗(黒崎KANAO)

 初回から両者がワンツー、左フックを激しく繰り出す熱戦。西畑の右ストレートが何度か児島をとらえた。西畑は2回にも右を何度も打ち下ろして児島を追い込む。タフな児島は闘志をむき出して左右のフックを振り回すが、最後は西原の右で崩れ落ち、ノーカウントでストップとなった。西畑は6勝4KO1敗。3勝3KO1敗。

西畑が倒す

西畑の話「ジム初の全日本新人王? めちゃくちゃうれいしです。いいプレッシャーでした。そのおかげで練習もできた。自分は不器用ですけど、やってみることが一番なので、みなさんもチャレンジしてください」

◇S・ライト級4回戦
川村英吉(角海老宝石)[中止]宮川竜成(尼崎亀谷)

※宮川の棄権により川村が全日本新人王

川村の話「全日本獲れたのは通過点。試合をしてないですけど素直にうれしいです」

◇ウェルター級4回戦
須賀大地(世田谷オークラ)[2-1(38-37×2、37-38)]松岡蓮(浜松堀内)

 須賀はよく動いてジャブから積極的に仕掛けた。パンチを内から外から、上下に散らし多彩なパンチで主導権を握りにかかる。松岡も右を決めて須賀の顔を跳ね上げた。2回、松岡の右ダブルが決まり、須賀がダウン。再び多彩な攻撃を繰り出した。

須田㊨が新人王に

 3回は須賀が右ストレート、左フックから畳みかけて攻勢に出る。手数と運動量の須賀に対し、パンチ力で上回る松岡は4回にコンビネーションを繰り出して対抗したが、及ばなかった。須賀は4勝1KO。松岡は5勝5KO6敗1分。

須賀の話「松岡の真っ直ぐをもらっちゃいけないと思ったけど想像を超えていた。妻の声が一番聞こえて心の支えになりました。まずは来年、無傷のままA級にあがりたい」

◇ミドル級5回戦
冨永一希(仲里)[TKO3回1分10秒]赤井英五郎(帝拳)

 東日本・敢闘賞の赤井は“浪速のロッキー”赤井英和さんの長男。親子2代の全日本新人王獲得に挑んだ。開始1分、長身サウスポーの冨永が左フックでダウンを奪う。赤井のダメージはそれほどではなく、ここから冨永を追いかけた。

赤井をストップした冨永

 2回、気迫みなぎる赤井がローリングしながら前に出ると、冨永がやや弱気に。赤井が左フックから右を合わせ、冨永をキャンバスに転がした。立ち上がった冨永は開き直り、今度は左を決め返して会場は大騒ぎだ。3回、冨永の左で赤井が後退。畳みかけたところで主審がストップした。冨永は5勝3KO1敗。赤井は4勝3KO3敗。

冨永の話「5ラウンド戦うつもりだったけど、倒し倒されて(最後は)いったれと思った。今年のことは今年で終わって、来年のことはまた考えます」
観衆=1681人

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