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アマ7冠の坂井優太ら精鋭6人がプロテスト合格 あすのボクシング界を担うホープたちの物語

2024年4月3日 12時30分

 プロ入りを表明したアマチュアホープたちが続々と第一歩――。2日、東京・後楽園ホールでB級テストが行われ、計6名が合格した。

 西宮香風高時代に世界ユース選手権優勝(2022年)を含む通算7冠の坂井優太、東洋大同期でともに全日本選手権を制するなど、通算6冠の田中将吾、同3冠の田中空、東農大時代(中退)に同2冠の大橋蓮、大橋ジムの4選手は6月にデビュー戦を予定している。

大橋ジムの左から田中空、田中将吾、大橋蓮、坂井優太

 ただひとり、同門ではなく、DANGAN郡山ジムのA級ボクサー、池上渉をパートナーに3回の実技試験のスパーリングをしたサウスポーの坂井は「違うジムの選手、初めての後楽園ホールで少しだけ緊張した」と言いながら、スピード、反応、距離感のよさに鋭いカウンター、多彩なパンチと高い能力を披露した。

「足運びがうまい。打たせないで打つを地でいっている」とは相手を務めた池上。パンチの質を問われ、「14オンスでもインパクトの強さが伝わってきた」と舌を巻いていた。

 池上の言葉通り、デビュー時19歳の逸材は「打たせないで打つボクシングをして、カウンターでインパクトのある倒し方をしたい」と抱負。階級はS・フライ級か、バンタム級を予定している。

 元東洋大主将の田中将(フライ級)はすでに八重樫東トレーナーのフィジカルトレーニング、通称“八重トレ”に参加。1ヵ月で筋肉量が2キロほど増えたといい、プロ仕様の肉体とボクシングに改造中で「インパクトのある試合をしていきたい」、ウェルター級で日本人初の世界チャンピオンを目指すとプロ入り会見で堂々宣言した田中空は「自分は打ち合いが得意。あいつの試合は面白いと言われる選手になりたい」、左ストレートの強さに定評があるサウスポーの大橋(フェザー級)は「華のある試合をする選手になりたい」と、それぞれ目指すボクサー像を描いた。

 引率の八重樫トレーナーは「アマチュアでやっていただけあって、みんなポテンシャルが高い。今の大橋ジムは(井上)尚弥が筆頭で引っ張っているが、尚弥が引退したあとの大橋ジムを支える子たち。それぞれ色があるので、個性を伸ばして、大切に育てていきたい」と期待と決意を語っていた。

横浜光ジムの左から堀池空希、髙優一郎

 横浜光ジムからは東洋大出身で全日本選手権準優勝(2023年)の堀池空希(ほりいけ・ひろき)、拓殖大出身で全日本選手権3位(2022年)の髙優一郎(たか・ゆういちろう)の2名が合格した。

 堀池は東洋大同期の田中空と階級が近く、大学時代は毎日のようにスパーリングをし、お互いを高め合った間柄だが、ボクシングは正反対という。「前の手のジャブで試合をつくって、技術とスピードで相手を翻弄し、華麗なボクシングを見せたい」と意気込み。U-NEXTのwho’s NEXT強化選手のひとりでもある。

 金沢出身の髙は帰省中の元旦に能登半島地震に遭った。カシミジムを拠点にした、被害が大きい地域への救援物資の募集、仕分け作業を手伝い、「当たり前のことはないと感じた。ボクシングができることに感謝しないといけない」と気持ちを新たにしたという。圧力をかけ、インファイトに持ち込むのが得意な形。石井一太郎会長が「足さばきがいい」と評するように、自信を持つ「瞬間的な出入りのスピード」がアクセントになりそうだ。

 堀池は今月19日、ウェルター級で中国人ボクサー相手にデビュー戦が決まっており、髙は5月4日、S・バンタム級で外国人選手(相手未定)とのプロ初陣を予定している。場所はいずれも後楽園ホールになる。(船橋真二郎)

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