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5位吉田京太郎が4位今川未徠に8回TKO勝ち 中量級ホープの野上昂生がデビュー3連勝

2024年9月11日 10時10分

 10日、東京・後楽園ホールのメインイベントで行われた日本S・フライ級ランカー同士の一戦(S・フライ級8回戦)は、5位の吉田京太郎(ワタナベ)が4位の今川未徠(JB SPORTS)に最終8回1分24秒TKO勝ち。同級チャンピオンは同門の高山涼深だが、王座へのステップを一歩踏んだ。

 サウスポーの今川に対し、吉田は立ち上がりから上体をよく振って、速いテンポで右ストレートを仕掛けていき距離を把握。自ら攻めては右ストレート、右アッパー。今川が攻めて出れば、右ボディーアッパーと右ショートをカウンタ―。引っかける左フックもうまく使い、今川が手を出しづらい状況を作った。

 一方的な展開になりかけた4回、今川がようやく攻めの姿勢を見せ始めると、5回にはテンポを上げてワンツーを繰り出す。距離が微妙にズレた吉田の的中率が下がるが、打ち終わりに動きを止める今川に、吉田は右ショートをヒット。ペースを決して渡さなかった。

 吉田は7回に連打の回転力を上げて攻め始めると、最終回、さらにギアを上げて連打。左フックで今川がグラつくと、レフェリーが割って入った。

 「もっと早く仕留めたかったができなかった」と反省点を上げた吉田。序盤の一方的な展開を考えればたしかにそうかもしれないが、今川の粘りを受けて、それを跳ね返したことにも価値がある。5勝2KO3敗。昨年12月の最強挑戦者決定戦(vs.古谷昭男=六島)に続き、ストップ負けとなった今川は13勝5KO7敗1分。

 セミファイナルで行われたウェルター級8回戦は、ホープ野上昂生(ワタナベ)がWBOアジア・パシフィック同級7位のアドール・トーレス(フィリピン)に大差3-0(79-73、80-72、80-72)で勝利。わずか3戦(3勝2KO)でWBO-APランク入りを決定づけた。

 サウスポー同士の一戦は、バランスよく丁寧、かつ緩急、強弱をつけた攻めを見せる野上が終始、ペースを握り続けた。トーレスは野上の単発に左カウンターを狙うなど、決して気の抜けない相手だったが、野上は顔の位置を常に変えるなど動きながら攻めるため、アクシデントを起こさせなかった。

 顔面に再三にわたり、タイムリーな一打を浴びせた野上だが、トーレスもまた芯を外す巧みさを持つ。それを察知すると、野上は左右フックでサイドから、右アッパーと左ストレートでセンターからと、トーレスのボディーを襲い続けた。決して力任せでなく、ひたすら打つのでもなく、間合いとタイミングを選んで的確に打つ。また、至近距離でヘッドスリップ、パリングとトーレスの攻撃をしっかりとかわしながらリズムを作り、攻勢をかけられるところにも非凡さを感じた。

 初来日の試合を飾ることのできなかったトーレスは12勝8KO5敗1分。

◆54.0kg契約6回戦
藤野正文(DANGAN)[TKO5回1分40秒]三浦良斗(ワタナベ)

◆ライト級4回戦
倉持廉汰(本望)[引き分け1-1(39-37、37-39、38-38)]伊藤祐太(マナベ)

◆60.0kg契約4回戦
髙橋泰征(本多)[判定3-0(38-37、38-37、38-37)]テール上滝(上滝)

◆フェザー級4回戦
泉山栄人(T&T)[TKO3回2分45秒]皇ツカサ(ひたちなか)

◆フライ級4回戦
越田慶也(レパード玉熊)[判定3-0(38-36、39-35、39-35)]広瀬将太(世田谷オークラ)

◆53.0kg契約4回戦
為我井泰我(DANGAN越谷)[判定3-0(39-37、40-36、40-36)]長谷川耀大(小熊)

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