元日本ライト級チャンピオンのシャイアン山本こと山本幸治さんが9日午前、都内の病院で亡くなった。まだ65歳の若さだった。がんで闘病を続けていたという。

　山本さんは青森県西津軽郡出身。19歳で国際ジムからデビューし、長身の技巧派ボクサーとして活躍した。1983年に尾崎富士雄（帝拳）に判定勝ちする殊勲をあげ日本ライト級タイトル奪取。3ヵ月後の再戦で判定負けを喫し無冠に追われたものの、2年後の85年、空位だった日本ライト級王座の決定戦に出場し、友成光（新日本木村）をKOしてチャンピオンに返り咲いた。その後は三沢淳一、ヤング英男、久弘達成らを相手に5度防衛に成功した。87年に大友巌に敗れ王座を明け渡したのを機に引退。36戦22勝10KO8敗6分が終身レコードだった。　

　引退後は、シャイアン山本ジムを営んだこともあったが、経営の手腕はチャンピオン並みとはいかず、数年前に会長の座から退いていた。

　酒が好きで無類のお人よし。教え子の大嶋宏成さんが営む居酒屋で毎晩のように過ごし、「引退後もあんなに仲のいい師弟は珍しい」と評判だった。葬儀の日程等は未定。