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飯村樹輝弥がOPBF王者に 藤田健児WBO-AP初防衛 新鋭伊藤千飛も勝つ

2025年1月19日 2時53分

 18日、後楽園ホールのセミファイナルで行われたOPBF東洋太平洋フライ級王座決定12回戦は、3度防衛した日本王座を返上してこの試合に臨んだ同級4位の飯村樹輝弥(角海老宝石)が1位・ローレンス・ドゥマム・AG(フィリピン)を116-112、116-112、117-111の3-0判定で破り、新チャンピオンとなった。

日本からOPBFへとステップアップした飯村㊧

 長身を半身に構え、放り込むような左から右フックを振り抜くサウスポーのドゥマムは、アメリカに拠点を置く以前の、若きマニー・パッキアオを想起させた。しかし飯村はドゥマムの左をサイドに回り込むフットワークで、右フックをダッキングとウィービングでしっかりとかわし、ドゥマムにリズムを取らせなかった。

 空振りを繰り返してリズムが壊れたドゥマムに対し、飯村は右の上下と左フックのカウンターを着実にヒットしてポイントを重ねた。

 飯村にサイドへの移動をさせまいとしたドゥマムの右フックと右アッパーは厄介だった。が、飯村はこれに対し左フックを引っかけたり、右ショートをカウンタ―したりして対処。6回に右目上を切り裂かれ、11回にはコンパクトな連打に圧され気味となったものの、最後の最後までドゥマムの右側へ動くサイドステップが機能し続けた。

 「内容的に少し物足りない」と語った飯村だが、右ボディーを効かせてからの連打を要所で見せ、最終回も倒しにかかるなど山場は作った。ドゥマムがIBF12位、WBO13位のランクを持つことで、飯村の世界ランク復帰も濃厚だが、「目の前の試合を一つひとつ勝っていって世界に食い込んでいきたい」と、キャリアを積みたい意向だ。8勝2KO1敗。初の海外試合で敗れたドゥマムは10勝7KO1敗1分。

強打者カサマを封じた藤田㊨

 トリプルタイトルマッチの先陣を切った藤田健児(帝拳)は、1位のマイケル・カサマ(フィリピン)を9回終了TKOに下し、WBOアジアパシフィック・フェザー級王座2度目の防衛を飾った。

 終始、藤田の独壇場だった。3回に一気に攻防のテンポを上げた藤田。頭の位置をボディーワークで、体の位置を小刻みなステップで常に移動させながらの素早い連打を繰り出して、カサマに付け入る隙を全く与えなかった。打ってはかわされ、素早い連打にリターンも返せず、手を出す気持ちも失われ、ボディーも効いて、カサマは中盤以降、戦う気持ちが萎んでいく様子が窺えた。

 藤田は力感なくスムーズに速い連打を上下左右に散りばめて、これらを確実にヒット。常にポジションを変えながらの攻防はワシル・ロマチェンコの姿にダブるものがあった。9回、左ボディーブローでカサマを後退させてKOチャンスを築いたが、この回終了で挑戦者陣営が棄権の意思表示。終わり方までロマチェンコスタイルだった。

 帝拳ジムとしては、新年最初のタイトルマッチ。そのプレッシャーに加え、元日に亡くなった長野ハル・マネジャーを想い、涙を流した藤田。試合翌日の19日に31歳の誕生日を迎えるが、「焦らないといけない年齢なので、すぐに練習を始めます」と今年に懸ける決意を表した。8勝4KO。3戦連続後楽園ホール登場だった(1勝2敗)カサマは10勝10KO3敗1分。

カミケをさばいた伊藤㊧

 バンタム級8回戦は、関西のホープ・伊藤千飛(いとう・せんと、真正)がフィリピン同級9位のアルビン・カミケに大差判定勝利(79-73、80-72、80-72)。戦績を3勝2KOとした。

 小柄なカミケの飛び込みざまに、立ち上がりから左右アッパーを合わせにいった伊藤。頭も同時にくるカミケの思い切りのいい左フック、右スイングを浅くもらうシーンがあったものの、空振りさせて右ストレート、回り込んで左ボディーアッパーをヒットするなどうまく立ち回り、最後まで迫ったカミケをコントロールした。

 倒せず不満気な19歳の伊藤だが、フルラウンドをこなせたのはいい経験。ラストまで元気に奮闘したカミケ(27歳)は9勝4KO4敗。

◆ウェルター級4回戦
軍司佳祐(ワタナベ)[判定2-0(38-38、39-37、39-37)]アヌジュ・サティヤ(ハッピーボックス)

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