1年9ヵ月ぶりのビボルが2王座防衛 アイフェートに大差

現地時間30日、ロシア・エカテリンブルグのUMMCアリーナで行われたRCCボクシングプロモーション主催は、ライトヘビー級統一戦に加えてWBAゴールド王座戦3つにWBA挑戦者決定戦というボリューム。メインイベントではWBAスーパー、IBFのライトヘビー級戦が行われ、統一チャンピオンのドミトリー・ビボル(ロシア/174.4ポンド)がIBF1位、WBA6位のミハエル・アイフェート(ドイツ/174.3ポンド)に12回判定勝利を収め、王座防衛に成功した。スコアは全ジャッジが118-107。

挑戦者決定戦に勝利しトップコンテンダーとなってから約3年2ヵ月待たされたアイフェート。ビボルにとっては椎間板ヘルニアの手術に伴い約1年9ヵ月ぶりの試合となった。リハビリ期間中に当時WBC1位のデビッド・ベナビデス(米国)との指名防衛戦をWBC王座返上により回避したビボルはWBO王座も持っているが、今回WBOはアイフェートがランキングに入っていないことを理由に未承認としている。

アイフェートのジャブで幕を開けた初回の半分過ぎ、そのジャブを外したビボルが左フックを合わせるとアイフェートが弾かれたように尻もちをついた。深いダメージを感じさせず再開され、ビボルも勝負を急がず2ラウンドは左の差合いとなる。

徐々に硬さがとれ、右が王者をかすめる場面も出てきたアイフェートに対し、慎重な試合ぶりが特徴のビボルは左を軸に試合を優勢に運んだ。中盤、ビボルもコンビネーションを打ち始めるとさらにアイフェートに厳しい展開に。

ビボルはジャブでリードを広げていった。“危険のない完璧な戦術”とも例えられる堅実な試合運びはリハビリ開けも健在で、危なげないフルラウンドだった。アルツール・ベテルビエフ(ロシア)から奪還した王座の初防衛を果たした35歳のビボルは25勝12KO1敗。28歳のアイフェートは13勝5KO2敗。見せ場を作ることもできなかった。

■シェコフがWBA・S・バンタム級指名挑戦者に
WBAスーパーバンタム級挑戦者決定戦はWBAゴールド・チャンピオンのジョルニー・ベタンクール(ベネズエラ/121.8ポンド)とWBA3位のムハマド・シェコフ(ウズベキスタン/121.5ポンド)で行われ、12回判定でシェコフが勝利。指名挑戦権を手にしている(118-110×2、119-109の3-0)。

フットワークが持ち味のサウスポー、シェコフが右手を大きく動かしながらリングを広く使うが、ベタンクールは自身の距離をキープしながらプレスを掛ける、目の離せない序盤となった。3ラウンドはベタンクールが右ストレート、シェコフが左フックをそれぞれ浅くヒット。

シェコフがサイドステップを多用してサークリングし、ベタンクールがプレスを掛ける展開で終盤に入った。プレスを掛けられる展開に慣れているシェコフはその後も慌てることなくベタンクールのプレスに対応し、最終回も普段通りのスタイルを見せて手数の差で接戦を制している。

王者、井上尚弥(大橋)への挑戦権を手にした33歳のシェコフは18勝4KO1分。ロシアで戦っているうちはホームのアドバンテージもあるものの、アウェーで勝ち切れないスタイルかもしれない。一方、ロシア・デビュー戦で黒星の26歳、ベタンクールは27勝21KO3敗。試合途中で右拳を痛めた仕草を見せていた。

■ゾンが3度倒してゴールド王座に
WBAゴールド・ミドル級タイトルマッチはチャンピオンのバディム・トゥコフ(ロシア/158.8ポンド)が元IBFラテン同級王者のセバスチャン・オラシオ(アルゼンチン/158.3ポンド)に10回判定勝利を収め、王座防衛(96-94、98-92×2の3-0)。

じりじり前に出るサウスポーのオラシオに対し、左に周りながらコンパクトなパンチを出すトゥコフといった展開でスタートした一戦は、オラシオのプレスにやりにくさを感じさせるトゥコフが慎重な試合ぶりを見せ、シーソーゲームのまま折り返した。

トゥコフは打ってはポジションを変え、オラシオの攻勢をかわすものの、オラシオも小さいパンチを上下に打ち分ける。VTRを見るかのように似通った展開が続き、盛り上がりに欠けるフルラウンドを終えている。IBFでは7位の32歳、トゥコフは17戦全勝7KO。34歳のオラシオは23勝9KO6敗。

WBAスーパーミドル級13位のニキータ・ゾン(ロシア/167.9ポンド)がナウェル・ゴンサロ・ガルシア(アルゼンチン/164.4ポンド)と空位の同級ゴールド王座決定戦に臨み、5ラウンド1分10秒TKOでゾンが勝利し、ベルトを巻いた。

サウスポー同士の一戦はゾンが開始から前進、ノーガードでもガンガン攻め込むのに対し、ガルシアはガッチリとガードを固め、退がりながら振りかぶるような左のワイルドなフックを振るうのみ。2ラウンドになると長いジャブなどパンチを返し始めるガルシアだが手数が少なく、ポイントはゾンが加算していった。

迎えた5ラウンド開始直後、ゾンの左ボディーでガルシアが膝をつくダウン。再開に応じたガルシアにゾンがテンポアップして連打を出すと、青コーナー前で2度目のダウン。立ちあがったもののゾンの追撃により左ボディーで再び膝をついて3度目。ここでレフェリーが両手を交差している。32歳のゾンは12勝10KO1分。30歳のガルシアは18勝16KO4敗1分。

23年タシュケントと25年ドバイの世界選手権クルーザー級2連覇を成し遂げているシャラブディン・アタエフ(ロシア/174.7ポンド)はサイファイアー・ロウツ(中国/173.7ポンド)に8回判定勝利(3対0)。

格上相手に積極的に手を出して前に出るロウツは3ラウンドになるとコーナーに自ら退がり、「打ってこい!」と見せ場を作るなど意気軒高。対するアタエフは強引な攻めは見せず、時にロープを背にしながらロウツの攻勢を巧みに外し、徐々に相手のスタミナを削っていった。

5ラウンド、連打でロウツをロープに押し込んだアタエフは6ラウンドも手数で圧倒するなど巧みな試合運び。7ラウンド、そして8ラウンドはガス欠気味のロウツをアタエフが追い込むが、ロウツも頑張りダウンは拒否し、試合終了のゴング。WBAライトヘビー級3位、IBFでも6位にランクされる26歳のアタエフは9戦全勝5KO。20歳のロウツは7勝6KO1敗1分1無判定。

この日の第5試合、IBFアジア・ウェルター級王座決定戦はセルゲイ・ルブコビッチ(ロシア/147ポンド)がマイケル・キング(コンゴ/146.7ポンド)と10回引き分け(98-92:キング、98-93:ルブコビッチ、95-95)。

キングがほぼフルラウンドに渡りルブコビッチを追いかけ回し、ルブコビッチはロープを背にする時間ばかりとなった。しかし両者決定的な場面はつくれずに終了。キングの猛烈な手数とプレッシャーの前にかなり分の悪いドローとなったルブコビッチは20勝12KO2分。気の毒な判定と言える28歳のキングは8勝6KO4敗2分。

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