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デービス、プロの王座に 王者べリンチクを4回KO S・ウェルター級ザヤスは好ファイト制す

2025年2月15日 18時06分

 現地時間14日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンのザ・シアターにてWBO世界ライト級タイトルマッチが行われ、チャンピオンのデニス・ベリンチク(ウクライナ/134.6ポンド)が同級1位、キーショーン・デービス(米国/134.2ポンド)に4ラウンド1分45秒KO負けを喫し、王座が交代した。

初王座に就いたデービス photo/Mikey Williams(Top Rank)

 王者べリンチクはロンドン五輪ライトウェルター級、挑戦者デービスが東京五輪ライト級の「銀メダリスト対決」となった一戦。前に出ようとするデービスに対し、王者は頻繁にスイッチしながらリングを広く使うが、初回からもみ合いになる場面がありハービー・ドック(米国)レフェリーが忙しい。

 3ラウンド序盤、デービスの左ボディーフックがヒットすると同時に前足が引っ掛かり、べリンチクが両手を着くとレフェリーはダウンと判断。不満の表情を見せる王者がカウント8を聞く。鼻血も流すべリンチクは前にこそ出るもののパンチを当てることができず、デービスのプレスが流れを引き寄せはじめた。

 迎えた4ラウンド中盤、デービスのボディーアッパーが右、左と入るとべリンチクは両ヒザを着いてダウン、そのままカウントアウトとなった。25歳のデービスは13戦全勝9KO。敗れた36歳のベリンチクは19勝9KO1敗となり、昨年5月にエマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)を12回判定に破り、手にした王座を一度も守ることなく失った。

無冠となったべリンチク photo/Sumio Yamada

 セミファイナルでは、WBC傘下のNABF、WBO傘下のNABOスーパーウェルター級王座を持つザンダー・ザヤス(プエルトリコ/153.2ポンド)がWBO11位につけるスラワ・スポーマー(ドイツ/153.2ポンド)を迎えて防衛戦。結果はザヤスの9ラウンド2分1秒TKO勝利だった。

 ロイ・ジョーンズJrがトレーナーに就くスポーマーはアメリカ・デビュー戦。初回から鼻血を出すものの、2ラウンドには左フックを返すなど、ポイントこそ破壊力で勝るザヤスが集めていくが、試合は見応えのある攻防となった。

 4ラウンド序盤、ザヤスの左アッパーがスポーマーの股間にヒット、苦痛に顔を歪めるスポーマーに休憩が与えられる。しかし再開後もザヤスはボディーにパンチを集め、スポーマーは効いたのかロープ際に後退。距離を詰めるザヤス、しかし今度はそこにスポーマーの右フックがアゴに飛び込み、ヒザをガクンと落とす。ここでラウンド終了のゴングが鳴った。

好ファイトを制したザヤス㊨ photo/Mikey Williams(Top Rank)

 5ラウンド終盤、ザヤスの右フックが再びローブローとなり座り込んだスポーマーに休憩が与えらるが、チャーリー・フィッチ(米国)レフェリーはここも減点はとらず、プエルトリコ系の多い会場ながらブーイングがあがる一幕も。ポイントはザヤスのフルマークながら頑張るスポーマーに対し、6ラウンド中盤も左フックが低く入った。

 その後もザヤスが有効打で優勢に進めた。迎えた9ラウンド中盤、ロープを背にしたスポーマーの脇腹にザヤスの左ボディーが入ると、体を丸くし苦痛に耐えながらサークリングのスポーマー。ダウンを拒否するスポーマーに対しザヤスがパンチをまとめたところで、レフェリーが割って入りストップを宣告している。

 WBOスーパーウェルター級1位、WBC3位、IBF5位と好位置につける20歳のザヤスは21戦全勝13KOと全勝レコードを伸ばしたものの、度重なるローブローはアウェーであれば別の裁定になっていたかもしれない。敗れた32歳のスポーマーは20勝11KO1敗。

 NABFとWBOインターナショナル、2つのミドル級王座決定戦はWBA3位のコナー・コイル(アイルランド/158.8ポンド)が、WBAミドル級5位、WBOでも10位につけるビト・ミールニッキJr(米国/159.4ポンド)と10回引き分けに終わった(95-95が2者に96-94でミールニッキ)。

 パワーで勝るミールニッキがジャブを突きながらプレッシャーを掛けていくと、初回からコイルは圧され気味となる。2ラウンド序盤にはコイルが右フックをテンプルに浴び、早くもグラついた。3ラウンドは体が暖まってきたか、連打で反撃したコイルは4ラウンドも有効打数で優勢をアピールし、ミールニッキが後退するなど互角の攻防を見せた。

 この試合、開始からロニー・シールズ・トレーナーの対策か、ミールニッキはコイルの左の戻り際にたびたび右を当てていた。しかし中盤に入るとスタミナ配分もあってか、手数が減ってシーソーゲームに。7ラウンドはミールニッキ、8ラウンドはコイルと映る展開で両者懸命に手を出し合い、最終回は手数でミールニッキだったか。最終ゴングが鳴ると場内から両者に拍手が降り注いだ。34歳のコイルは21勝9KO1分、22歳のミールニッキは20勝12KO1敗1分。

 ヘビー級10回戦は、昨年8月にマーティン・バコーレ(コンゴ)に文字通りボコボコにされ、5回KO負けを喫して以来のリングとなるジャレッド・アンダーソン(米国/256.8ポンド)の復帰戦。WBO9位、IBFで14位とランキングは下降したものの、マリオス・コリアス(ギリシャ/235.4ポンド)に10回判定勝利で再起に成功した。スコアは99-91が2者に98-92)。25歳のアンダーソンは18勝15KO1敗、33歳のコリアスは12勝10KO4敗1分。
 
 WBCライト級10位、WBOでは13位と躍進中のアブドゥラー・メイソン(米国/136.2ポンド)はライト級8回戦でマヌエル・ジェームス(米国/137ポンド)に4ラウンド1分55秒TKO勝利。20歳のメイソンは17戦全勝15KO、24歳のジェームスは16勝11KO3敗1分。

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