サウジアラビア・リヤドのモハメド・アブド・アリーナで27日開催された「リングⅤ ナイト・オブ・ザ・サムライ」のメインで行われた世界S・バンタム級戦は、4団体統一王者の井上尚弥(大橋)がWBC2位で指名挑戦者のアラン・ピカソ(メキシコ)に3-0判定勝ちを飾った。
モンスター井上が「どんな勝ち方を選択するのか?」がテーマだった。井上からはKO宣言があったし、ファンも当然期待していた。それに応じるように井上はスピード、パワーとも目を見張る強打を打ち込んで攻防を支配していく。だがピカソはパンチを食らっても耐え、コンディションのよさと気持ちの強さを誇示してラウンドを乗り切る。
ピカソの左が時折届くこともあったが、井上の倍返しのような逆襲を浴びる。パワーの差は歴然で、王者はタイミングもつかんで6回には左右連打で挑戦者をロープへ詰めた。そろそろ井上のストップ勝ちの予感も出始めたが、ピカソは7回から距離を置いて対処。左ジャブが井上のアタックを阻止する役目を果たしたようにも見えた。
ピカソはメキシコ人サポーターの応援を受けて9回、左右を返して抵抗。だがここでも井上の右をもらって守勢に陥る。再び攻勢に転じた王者は11回、自ら後退して迎撃態勢に入った後、左右ボディー打ちで追い込み、ピカソをロープへ詰めて防戦を強いる。試合を通じて井上のボディー打ちが何度となく鋭角的にピカソを襲ったが、耐え抜いたメキシカンのタフネスも驚きに値した。
最終回も井上の左レバー打ちが決まったがピカソは折れる素振りを見せず、左フックを返して試合を盛り上げた。スコアカードは119‐109、120‐108、117‐111で井上の快勝。果たして3ラウンドも獲られたかは疑問だが……。
試合後、真新しいリング・マガジン・ベルトを贈呈された井上は「今夜の出来はよくなかった」と反省しきり。そして「(年4試合して)少し疲れました。ゆっくり休みます」とも。リングサイドで観戦したヘビー級統一王者オレクサンドル・ウシクがリングに上がり勝者を祝福した。アフマダリエフ戦に続くフルラウンドの戦いで32勝27KO無敗。初黒星のピカソは32勝17KO1敗1分。


