2017年6月1日木曜日

元世界王者の六車卓也さん、肝移植学会で体験を講演

 元WBA世界バンタム級王者、六車卓也さん(56)が1日、大阪市北区中之島、大阪府立国際会議場で始まった第35回日本肝移植研究会で「元世界チャンピオンの思い~肝移植からボクシングを指導するまで~」と題して、肝移植の最前線で活躍するドクター、研究者たちに肝移植体験を講演した。

 現在、兵庫県の芦屋大学でスポーツマネージメントなどを教える六車さんは1987年、27戦目で世界初挑戦。アサエル・モラン(パナマ)を5回TKOで破り、渡辺二郎に続いて大阪帝拳ジムから2人目の世界王者になった。

 2カ月後、朴讃栄(韓国)に敗れて初防衛に失敗。88年1月には朴を倒した新王者のウィルフレド・バスケス(プエルトリコ)に挑戦するもドロー判定で返り咲きならず。10月に2階級王座を目指したが、WBA世界S・バンタム級王者、ファン・ホセ・エストラーダ(メキシコ)に11回TKO負けを喫して、この試合を最後に引退した。

14年2月に弟の肝臓を3分の2移植

 引退後はスポーツ用品メーカーのミズノ社員で営業で活躍していたが、潰瘍性大腸炎から胆管炎を発症、さらに肝硬変と悪化した。このため14年2月、大阪大学病院で3歳下の弟の肝臓の3分の2を移植する手術を受けた。術後の経過は至って順調で、昨年まで大学でボクシング部指導者を続け、現在も大阪帝拳ジムでトレーニングしたり、若手選手にアドバイスもしている。

 国立国際医療研究センターの國土典宏理事長の司会で壇上に立った六車さんはボクサー、サラリーマン、大学教員生活を語り、移植手術を受けて3年経過したが新たな活躍ができている現状を報告した。

 六車さんは「肝移植を受けたことを公表される方は少ないそうです。移植を受けて元気に生活を送り、ボクシングのトレーニングを積んでいることを多くの先生方にお伝えすることができてよかった」と現役時代の「エンドレスファイター」ぶりを発揮した。