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久我勇作が日本王座返り咲き 田村亮一とまた熱闘

2019年5月18日 23時19分

 日本S・バンタム級タイトルマッチが18日、東京・墨田区体育館で行われ、前王者で同級1位の挑戦者久我勇作(ワタナベ)がチャンピオン田村亮一(JBS)に10回3-0の判定勝ち。タイトルの再奪取に成功した。田村は初防衛に失敗。

またしても熱闘――久我(右)が田村を制し王座に返り咲いた

 2017年7月以来、立場を入れ替えてのリマッチは、序盤から久我がリードした。互いに距離を置いての立ち上がりで、久我は強い左ジャブ、右ストレートを打ち込んでいく。5回に連打でダメージを与えると、コーナーに詰めてさらに追撃。ここでバランスを崩した田村は不運なカウントを数えられた。

 前半戦を終えたところで発表されたスコアは50-44、49-45、48-46で久我の優勢。“ゾンビ”の異名をとる田村が本領を発揮するのはやはりここからで、6回に久我が出るのを抑えると抜け目なくゴリゴリと攻めだす。フィジカル面の強さを生かしつつ接近戦でボディ打ちを盛んに放った。

 中盤以降は田村が仕掛けるもみ合いのシーンが増えた。その中でしたたかに腹打ちを見舞う田村に対し、久我も強烈なアッパーを打ち上げて引かない。また一瞬の間を逃さず右フックを顔面にカウンターするなど久我はタフガイ相手に攻勢をアピールして試合終了のゴング。最終的なスコアは97-92、96-93、95-94でチャンピオン交代を告げた。

 「一番キツイ試合だったのが前回の(田村との)試合。できれば(再戦を)やりたくなかったけど、ベルトを取り戻すには戦うしかなかった」と明かした久我は同級王座への返り咲きに成功。昨年7月に和氣慎吾(FLARE山上)との対決に敗れ、世界戦線から後退したものの、今回の勝利は再浮上に向けたアピールとなった。戦績は18勝12KO3敗1分。無冠となった田村は12勝6KO4敗1分。

元王者麻生(左)を柳が制す

◇ライト級8回戦
柳達也(伴流)[判定3-0(79-73×2、78-74)麻生興一(三迫)
 元S・ライト級王者(現同級3位)の麻生が1クラス下げて1位柳に挑んだ一戦。麻生の粘っこい戦法は健在だったものの、サイズ負けしていない柳はスイッチも交えてうまく相手のインファイトに対応。終盤は麻生にダメージも与えるなど優勢に試合を運んだ。1位の座をキープした柳は16勝6KO5敗2分。麻生は23勝15KO9敗1分。

◇S・バンタム級8回戦
藤原陽介(ドリーム)[TKO4回2分28秒]岡本ナオヤ(東拳)
 S・バンタム級の日本ランカー対決は熱気を帯びた一戦となった。11位藤原は2回に3位岡本のパンチで左マブタを切ったものの、3回に右カウンターで倒す。立ち上がった岡本も奮起して迎えた4回、激しい打ち合いの中再び藤原が打ち込んだ右が勝負を決した。岡本またも崩れ落ちると同時にストップ。藤原は18勝4KO6敗。岡本は13勝6KO8敗1分。

◇53.0キロ8回戦
中川健太(三迫)[TKO7回2分17秒]那須亮祐(グリーンツダ)
 ジムを移籍して初戦となる元日本S・フライ級王者の中川。強打のサウスポーは7回に武器の左を打ち込んで那須をダウン、試合を終わらせた。中川は17勝12KO3敗1分。那須は10勝2KO5敗3分。

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