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“闘うシングルマザー”吉田実代はV2戦で涙

高校教師の奥田朋子が女子世界王者に 
“闘うシングルマザー”吉田実代はV2戦で涙

2020年12月13日 23時13分

 WBO世界女子S・フライ級タイトルマッチ10回戦は13日、大阪市のエディオンアリーナ大阪第二競技場で行われ、OPBF&日本女子バンタム級王者の奥田朋子(37=ミツキ)がチャンピオン吉田実代(32=三迫)を6回負傷判定で下し、世界初挑戦で王座に就いた。吉田は2度目の防衛に失敗。

 セミのL・フライ級8回戦は、日本同級4位の冨田大樹(23=ミツキ)が2回にダウンを奪い、同5位位の井上夕雅(21=尼崎亀谷)の追撃を抑えて、関西若手ランカー対決を制した。

吉田に左を突き刺す奥田(左)

◇WBO世界女子S・フライ級タイトルマッチ10回戦
奥田朋子(ミツキ) [6回1分38秒負傷判定3-0(59-54×2、57-56)] 吉田実代(三迫)

 開始から吉田は積極的に攻撃を仕掛けた。奥田は長いリーチを生かして、ジャブを突いて吉田のラッシュを止める作戦。ラウンド後半に両者が接近したところに奥田がバックステップの瞬間、右ストレートを吉田の顔面にヒットしてダウンを奪った。吉田は気負って出たところにいいパンチをもらってしまった。

 2回からも奥田はジャブからのストレートを決めて、吉田の出鼻をくじき、吉田が強引に飛び込むと、クリンチでショート連打を封じた。これには吉田の焦りが目立ち始め、パンチが空を切った。4回に吉田がようやくペースをつかみかけるが、パンチは単発で逆に奥田にパンチをまとめられた。5回にバッティングで奥田が右目上を切り、ドクターチェックを受け、試合は続けられたが、6回に奥田の流血がひどくなり、再度のチェックで試合が止められた。

こちらは初回のダウンシーン

 奥田は立命館大学柔道部出身で大阪府内の通信制高校など3校で体育などを教えている。「下がって打ち込むストレート。練習を続け、しっかり打てました。吉田さんは前に出てくるイメージ通りの選手でした」。30歳でボクシングを始め、世界の頂点に立った。

「1年前から古武道も学んで、パンチの出し方がよくなったと思う。ミツキジムでみなさんに育ててもらって感謝しています」と明るく話していた。敗れた吉田は控室で号泣していた。

若手ランカー対決を制した冨田(右)

◇L・フライ級8回戦
冨田大樹(ミツキ)[3-0(78-73、77-74×2)]井上夕雅(尼崎亀谷)

◇フェザー級8回戦
藤田裕史(井岡)[2-0(76-76、78-74、78-75)]木村テミン(グリーンツダ)

◇S・フライ級6回戦
重里侃太朗(仲里)[3-0(58-56×2、60-54)]東大河(平仲BS)

◇S・フライ級6回戦
花田歩夢(神拳阪神)[KO1回1分44秒]長嶺竜久(平仲BS)

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