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「父が立ち上げたジムで会長と選手を支えたい」

ピューマ渡久地二世 長男の琉雄さんジムで修行中 
「父が立ち上げたジムで会長と選手を支えたい」

2021年2月15日 14時43分

 辰吉丈一郎や鬼塚勝也とともに〝平成の三羽烏″と呼ばれ、90年代の人気ボクサーだった元日本フライ級王者の渡久地隆人氏が、現役時代のリングネームを冠にしたピューマ渡久地ジムを開設したのが2001年10月のこと。

バックの鏡は俳優の故・高倉健さん寄贈

 今年で20周年の節目を迎えた東京・東麻布にある同ジムで渡久地氏の長男である琉雄(るお)さんがスタッフとして働いていた。

「会長にお願いしまして年明けからジムで勉強させていただいてます」

 丁寧な物腰でハキハキと答える琉雄さん。ちょうどジムを開いた年に生まれた20歳だ。母でもある聡美会長は「幼少から活発で仲間意識が強い子でした。リーダー格で友達が不憫な目に遭うと、他の学校にも一人で乗り込んでいくこともありました」と語り、大勢を相手にしても臆さない姿は「実直に生きる父親そのもの」と長男を評する。

 小学2年生の時にはU-15に出場して後楽園ホールのリングに上がったこともあったが「ボクシングもジムも好きだったんですが、練習はあまり熱心ではありませんでした」(琉雄さん)。中学生になるとバスケットボールに熱中し、4度の全国優勝を誇る強豪の東洋京北高校に進学。練習に明け暮れ、ジムに通うこともなくボクシングとは無縁の日々を過ごしてきた。

小学校2年生でU-15に出場したときの写真

「本人のやりたいことを尊重するべきですし、ボクシングは誰かに言われてやるものではない」が聡美会長の方針だが、昨年12月のドミニカ遠征には同行させた。

「コロナ禍でスタッフに海外で感染するリスクを負わすわけにはいかない。その代わりに琉雄を連れて行き、選手のサポートをさせました。プロのリングの命懸けの現場を肌で味わったことで本人の中で何かが芽生えたのではないでしょうか」

 目を細める聡美会長の傍らで、琉雄さんが心の内を話してくれた。

「ドミニカの2週間で沢山の学びや気づきがありました。父である名誉会長が立ちあげたジムで、会長と選手を自分が支えたいと思うようになったんです」

 琉雄さんの意志を確認した聡美会長の許可もおり、ジムのオープン作業から、掃除や洗濯にゴミ捨ての雑務から汗を流す。沖縄で療養中の父親への電話も欠かさないそうだ。

「名誉会長にも指導してもらいながら、ジムのこと、ボクシングのことを一つひとつ覚えていきたい」。まだ20歳になったばかり。裏方としてこの年齢からキャリアを積めることは大きい。両親のジムを支えながら将来は業界を担う人間になることも期待したい。=ボクシング・ビート3月号より=

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