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元日本王者の矢田良太 リング上で引退表明 現王者の松永宏信に6回TKO負け

2021年11月26日 21時16分

日本S・ウェルター級王者の松永宏信(横浜光)が26日、後楽園ホール「A-SIGN.BEE29&大和魂」のメインイベントに登場。70.4キロ契約8回戦で、元日本ウェルター級王者の“浪速のターミネーター”矢田良太(グリーンツダ)に6回2分49秒TKO勝ちした。

矢田に襲いかかる松永(右)

日本タイトルを3度防衛中のサウスポー松永がノンタイトル戦。昨年12月、ノーランカーの出田裕一(三迫)に敗れた矢田は再起戦となった。

サウスポーの松永がフェイントを掛けながら圧力をかけ、初回から矢田にロープを背負わせた。矢田は右ストレートで対抗するが、松永がテンポのいい攻めでコツコツとパンチを当てていく展開となった。

松永は4回、左ストレート、右フック、ボディ攻撃と多彩なパンチで矢田に迫る。5回終了間際には連打を浴びせ、矢田はパンチで左目上部をカット。6回、松永が攻め続けるとようやく主審が試合を止めた。松永は20勝13KO1敗。矢田は20勝17KO8敗。

ホールの観客にあいさつする矢田

矢田の話「松永選手、いままでやった中で一番強かったです。前にいきたかったけどいけなかった。最後に一番強い選手とやれて本当にありがとうございました。このリングでボクシング人生を終えますが、28戦やらせてもらって悔いはありません。最後になりますが、ボクシング最高!」

矢田は高校野球の名門、鹿児島・樟南高校野球部出身。2012年にプロデビューし、18年4月に有川稔男を下して日本ウェルター級王座に就いた。2度の防衛後、永野祐樹(帝拳)に敗れて王座陥落。19年12月、別府優樹(久留米櫛間&別府優樹)とのWBOアジアパシフィック同級王座決定戦に敗れた。32歳。

松永「僕の中ではタイトルマッチのつもりで戦った。現王者のプライドでぶつかっていきました。今日、日本S・ウェルター級王座を返上します。海外で道を探しながら戦っていくつもりです。明日からでも練習を再開したい」

山下(左)と高田はドロー

◇48.3キロ8回戦
山下祥希(KG大和)[引き分け1-1(78-74、75-77、76-76)]高田勇仁(ライオンズ)
日本ミニマム級8位の山下は身長差をいかして距離を取ったボクシング。手数は少ないものの、飛び込んでくる高田のアタックを封じ、時折ワンツーを決めて試合を進めた。高田は後半、プレスを強めて山下にロープを背負わせるシーンを作っていく。高田は攻撃姿勢で後半のポイントを獲得した印象。山下はクレバーに戦ったが少し消極的だった。山下は8勝3敗1分。日本ユース・ミニマム級王座戦2試合を含めて3連敗中だった高田は連敗ストップで8勝3KO8敗3分。

藤岡(右)はランカー高橋から会心の勝利

◇56.0キロ8回戦
藤岡飛雄馬(宮田)[3-0(76-74×3)]高橋竜平(横浜光)
日本S・バンタム級7位の高橋が動きながら右を上下に打ち分けて仕掛けていった。サウスポーの藤岡は引きつけてカウンターを狙うスタイル。2回に左をヒットすると3回早々、タイミング良く左カウンターを決めて高橋をキャンバスに転がした。

劣勢の高橋はここからペースアップ。しかし5回、藤岡がボディ攻撃で高橋にダメージを与え、左を追撃すると高橋は2度目のダウン。藤岡はここから高橋の追い上げを許したものの決定打を許さず、判定勝利を手にした。ランキング入りを濃厚にした藤岡は12勝1KO10敗1分。高橋は19年1月のIBF・S・バンタム級王者、TJ・ドヘニー戦以来の黒星で19勝8KO5敗1分。

ベテランの荒谷(右)は久々の勝利

◇60.0キロ8回戦
荒谷龍人(KG大和)[3-0(79-72×3)]イケメン淳(三谷大和)
元ランカーの荒谷が初回、右カウンターでダウンを奪う立ち上がり。2回以降、淳がラフに攻めて試合は荒れ模様。クリンチ、もみ合いの多い展開の中、荒谷がコンスタントに右を決めて勝利した。34歳の荒谷は連敗脱出で14勝4KO9敗1分。淳は4連敗。7勝2KO8敗2分。

◇58.5キロ6回戦
佐藤諄幸(厚木ワタナベ)[3-0(57-56×2、58-55)]平野和憲(KG大和)
2020年全日本フェザー級新人王の平野がワンツー主体のボクシングを試みたが、佐藤が圧力をかけて接近戦に持ち込んだ。2回に左フック、左ボディで優勢に立った佐藤は3回、思い切って前に出たが、平野が下がりながら右カウンターを決めてダウンを奪った。

ダウンを喫した佐藤はここから挽回。パンチを上下に打ち分け、5回には右を決めて平野をダウン寸前に追い込んだ。6回は打ち合い。平野は何とか踏ん張ったが、佐藤が逆転勝ちを収めた。佐藤は6勝3KO3敗2分。初黒星の平野は4勝4KO1敗1分。

◇S・バンタム級4回戦
田中智也(横浜光)[3-0(38-37×2、39-36)]大塚悠雅(本望)

◇ライト級4回戦
平床聖也(KG大和)[TKO3回終了]石上十大(角海老宝石)

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