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チャンピオンの殿堂 “バズーカ”ウィルフレド・ゴメス 17連続KO防衛の金字塔

2023年1月18日 17時08分

 過去の名選手を振り返る連載「チャンピオンの殿堂」、今回はJ・フェザー級(S・バンタム級)のKOキング、ウィルフレド・ゴメスを取り上げる。17連続KO防衛の金字塔、バズーカと呼ばれたチャンピオン――。《文:三浦勝夫=ボクシング・ビート2月号より》

サンチェスとの大一番を前にラスベガスでトレーニングするゴメス

 カリブ海の島国プエルトリコは著名チャンピオンを多く産出している。フェリックス・トリニダード、ウィルフレド・ベニテス、カルロス・オルチスらと並んで歴代ナンバーワンの地位を争うのが“バズーカ”ウィルフレド・ゴメスである。ファンや関係者から最もアツく支持されているのが彼ではないか。

 ゴメスは1956年10月29日、サンフアンのラスモンハス地区で生まれた。父ハコボはタクシー運転手。ストリートで腕っぷしの強さを証明した息子をジムへ連れて行った。天性の才能に恵まれたゴメスはメキメキ腕を上げた。

 ミュンヘン五輪に出場し、1回戦でエジプト選手に敗れたが、なんとこの時15歳。74年にキューバのハバナで開催されたアマチュア世界選手権のバンタム級で、五輪金メダリストを含む4人にいずれもストップ勝ちする快挙で優勝した。自宅を訪れ、アフロヘアの17歳にサインを迫ったのが、79年までタッグを組んだヤミル・チャデ・マネジャーだった。

 チャデ氏から契約金1万5000ドルをもらったゴメスは、1万3000ドルを新車のタクシーを購入するため父に贈呈。1000ドルを母のパウラに渡し、残りの1000ドルでパナマへ向かった。プロ転向の準備をするためである。アマチュア戦績は96勝3敗。

 パナマではチャデ氏の勧めでフットワークの上達を図る練習を中心にボクシング漬けの毎日を送る。ところが74年11月、パナマ市で行ったハシント・フエンテス(パナマ)とのデビュー戦は6回ドローと意外な結果に終わる。

 翌月、コスタリカ(メインはロベルト・デュラン-高山将孝)で初回TKO勝ちすると、6戦目でフエンテスに今度は2回KO勝利を収めてパンチャーの才能を開花させる。13戦目で後のWBCバンタム級王者アルバート・ダビラ(米)に9回TKO勝ちしたのが出世試合。最終的に32連続KO勝ち(36連続説もあり)と驚嘆すべき数字に達する。

 77年5月、サンフアンのロベルト・クレメンテ・コロシアムで念願の世界挑戦が実現した。相手はロイヤル小林から王座を奪った廉東均(ヨン・ドン・キュン=韓国)。初回、廉の左フックでゴメスが尻もちを着く。しかしスキルとスピードそしてパワーの差を見せつけて王者を徐々に弱らせたゴメスが12回KO勝ち。WBC・J・フェザー級王者に輝く。

 2度目の防衛戦で顔を合わせたのが小林だった。78年1月、北九州市立総合体育館のリングに立ったゴメスは1、2回はアウトボクシング。迎えた3回、ボディーを攻めたゴメスが左フックをアゴに返すと、小林は顔面からキャンバスへ急降下。意識もうろうのまま起き上がり、ダウンを2度追加されて万事休す。ゴメスの名勝負の中でも上位を占める、恐るべきパフォーマンスだった。..

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