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那須川天心プロテスト合格 日本1位の南出仁相手にデモンストレーション 4月デビュー戦

2023年2月9日 15時27分

 人気格闘家からボクシングに転向した那須川天心(24=帝拳)が9日、後楽園ホールでB級プロテストを受験。即日合格が発表され、4月のプロデビュー戦を目指すことになった。デビュー戦の模様はアマゾンのプライム・ビデオでライブ配信されることが決まっている。

テストでシャドーボクシングを見せる那須川

 格闘技のスター選手の新たな門出とあって、ホールにはテレビカメラ8台、100人迫るメディアが駆けつけた。カメラのフラッシュを浴び続ける那須川は計量、筆記試験、健康診断をこなし、日本バンタム級1位で3月20日に日本タイトル挑戦を控える南出仁(セレス)と3ラウンドのスパーリング、1ラウンドのシャドーボクシングを行った。

 ともにサウスポー同士で那須川が58.0キロ、南出が58.5キロ。那須川は「もらわないことを一番意識した」との言葉通り、抜群の反応の良さでパンチをもらわず、攻めてはジャブやカウンターをヒットするなど南出と渡り合い、非凡な才能の片鱗を魅せた。

スパーリングの相手は南出(左)だった

 グローブを交えた南出は「自分もスピードには自信があるけど、想像以上に速かった。取材も入ると思っていたので“那須川 プロの洗礼を浴びる”くらい書いてもらおうと思っていたけどダメだった」と苦笑い。試験を終え合格証書をもらった那須川は「何かに合格するというのはうれしい。高校受験以来の受験だったので新鮮だった」と笑顔を見せた。

 昨年6月、東京ドームでライバルの武尊に勝利してキックボクシングを卒業した。ボクシングに転向した理由を問われると「単純に強くなりたい。挑戦し続けたい。それをみんなに見てもらって、若い子たちに挑戦してほしいと思う」と説明。「キックよりボクシングが上だとは思っていない。どちらも素晴らしい競技。どの競技でも対応して極められるところを見せたい」とも語った。

 昨年からボクシングのトレーニングを本格的にはじめ、現在は「最初は靴を履くことに違和感があったけど、今では裸足に違和感がある。蹴り方を忘れちゃった感じ」とかなりボクシングに馴染んできた様子。テストを踏まえ、「キックとボクシングの違いは、ボクシングは3ラウンドすべて全力じゃないこと。変えていかないと通用しない。キックのときは相手に合わせることはなくて自分の動きをした。ボクシングは自分だけ速くてもダメ。手札を増やすことを意識している」と現状を明かした。

JBCから合格証書をもらう

 帝拳ジムの本田明彦会長は「地道に経験を積ませたいけど、(これだけ注目を集める)天心の場合はそうもいかない。でも、それだけのモノを持っている。人の3倍のスピードで成長してほしいと思っていたけど、10倍くらいの早さで学習している。60年見てきてこんな選手はいなかった。1年以内に日本のタイトルは絶対に取れる」とその才能を絶賛した。

 南出の師匠で日本プロボクシング協会の小林昭司会長は「キックボクシングのスーパースターがボクシングに来てくれてうれしい。こんなに明るいニュースはない。ボクシング界を背負う存在になると思う。協会長としても期待している」と大型ルーキーがボクシング界に新たな風を吹かせることに期待を寄せた。

 主戦場はS・バンタム級かバンタム級の見込みで、デビュー戦は4月で近く正式発表される。本田会長によるとその前にラスベガスでスパーリング合宿をする予定だ。「目標はない。道なき道をいくという感覚」と話した那須川は同時に「ベルトをとって証明したいという気持ちはある」とも。キックからの転向ということで“アンチ”もいるようだが、雑音は実力でシャットアウトするつもりだ。

インタビューにはリラックスして応じた
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