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柴田直子がIBF王座V5、古川夢乃歌がWBA新王者

2016年8月13日 20時06分

 女子ダブル世界タイトルマッチが13日、埼玉県草加市文化会館ホールで行われ、メインのIBF女子世界L・フライ級タイトルマッチは、王者の柴田直子(ワールドS)が挑戦者2位のマリア・サリナス(メキシコ)に2-0の判定勝ちで5度目の防衛に成功した。セミのWBA女子世界L・ミニマム級王座決定戦は、同級2位の古川夢乃歌(ワタナベ)が同級3位の西村聡美(折尾)を3回1分59秒TKOに下し、世界初挑戦で栄冠を手にした。WBC女子アトム級王座を16度防衛中の小関桃(青木)はノンタイトル戦に快勝した。

柴田(右)は終盤にサリナスを追い込んだ

◇IBF女子世界L・フライ級タイトルマッチ
柴田直子(ワールドS)[判定2-0(96-94×2、95-95)]マリア・サリナス(メキシコ)
 両者は昨年10月以来の再戦。そのときは引き分けで柴田が辛くも防衛に成功した。「決着をつけることが自分のモチベーションだった」という柴田に対し、悔しい思いをしているサリナスもまた強い気持ちでこの一戦に臨んでいた。開始からサウスポーのサリナスが荒々しくパンチを打ち込み、王者を後退させる。「前回よりもパワーが増していたので少しビビった」と振り返った柴田だったが、相手が出てくることは織り込み済み。その勢いに押され、立ち遅れてしまった前回を教訓に「気持ちで逃げずにコンパクトに右を合わせる」ことをテーマにしていたという柴田は2回、3回と右を要所に巧打し、タイミングをつかんだようにも見えた。

 しかし、サリナスの力強いアタックは止まらない。パワーパンチを上下に打ち込み続け、中盤にかけて柴田には我慢のラウンドが続いた。その中で効果を発揮したのがボディだった。はっきりと流れが変わったのは7回。立ち上がりの右ボディストレートに続き、左ボディーもねじ込むと挑戦者はたまらず後退。思いきりよく振ってくる相手に対し、ボディー打ちはリスクも伴うが、8回後半にもボディを効かせてサリナスを追い込んだ柴田は「倒せるチャンスがあったのに」と試合後、悔しがった。

「インターバルにKOしたいと言ってきた。その気迫が良かったんじゃないか」と藤原俊志トレーナー。サリナスも最後まで前に出たが、柴田のボディで終盤は明らかに動きが鈍った。最終10回は打ち合いの中で柴田が右を的確に当てて、試合終了のゴング。韓国のジャッジ1者がドローとつけたが、柴田が終盤を押さえ、勝利を決定づけた印象だった。

 柴田は16勝5KO3敗1分。今後については「年齢的(35歳)に防衛記録は難しい。自分だけでは決められないが、階級を下げて、1度負けている(現IBFミニフライ級王者の)多田(悦子)選手とか、そういうチャレンジができれば」と希望した。多田、柴田と日本人相手の3度目の世界戦も実らなかったサリナスは11勝4KO5敗3分。

世界初挑戦でWBAタイトルを獲得した古川

◇WBA女子世界L・ミニマム級王座決定戦
古川夢乃歌(ワタナベ)[TKO3回1分59秒]西村聡美(折尾)
 WBCアトム級王者の小関桃(青木)が返上した王座を巡る一戦は、世界初挑戦のチャンスに3階級落として臨んだ22歳の日体大生、古川がパワーの差を見せつけた。硬さがうかがえた初回に左フックを効かせると、2回は開始早々の右フックで後退させ、前に出て左右のフックを打ち込む。一昨年10月、長野で宮尾綾香(大橋)が保持していた同じタイトルに挑んで以来、2度目の挑戦となる2児の母親で35歳の西村も、何度も右を合わせて対抗するが、古川の前進を止めることはできない。

 迎えた3回も序盤から古川が右フック、左フックとクリーンヒットすると、プレスをかけ続け、ロープに詰めて左フックでぐらつかせる。西村もロープに詰まりながらも、よく手を返していたが、ラウンド終了ゴング直前、古川の強烈な右フックで動きを止めところでレフェリーが割って入り、直後にキャンバスに倒れ込んだ。

 フライ級時の2倍に当たる8キロの減量を強いられたが、「トレーナーや先輩方に減量の仕方を聞いて、楽に落とすことができた。思った以上に力も入った」という古川は8勝6KO1敗2分。今回からコンビを組んだ荒井翔トレーナーは「まだムダなパンチをもらうところがある」と注文をつけたが、若き新王者は「これから、このベルトを防衛したり、他団体のチャンピオンと統一戦をしたり、上の階級に挑戦したりすることで自分の価値を高めていきたい。楽しみです」と意欲的だった。西村は9勝1KO3敗。

小関は女王の貫録で初回KO勝ち

◇女子L・フライ級8回戦
小関桃(青木)[KO1回1分45秒]プロイナパー・サックルンルアン(タイ)
 実戦は10か月ぶりとなる小関にとって、1階級上のライトフライ級でのテストマッチという位置づけだったが、世界挑戦経験もあるプロイナパーに対し、V16王者が力の差を見せつけた。初回からプレスをかけ、「パワー重視の練習をしてきた」と言う通りの力強い左を上下に打ち込んでいく。後退を強いられながら、動きは止めなかったプロイナパーだったが、ラウンド終盤、小関の一瞬の隙を突いた左ボディーに苦悶の表情を浮かべてうずくまり、そのままテンカウントを聞いた。

 小関は18勝7KO1分。有吉将之会長によると年内にアトム級でV17戦をしたあと、来年には階級を上げる計画。小関も「階級を上げることで燃えるような相手と試合ができれば」と意欲を示した。小関はアトム級でも減量がほとんど必要なく、今後の課題は増量になってくるが、新たにフィジカルトレーニングを取り入れるなど、何らかのプラスアルファを課したいと話していた。

◇女子アトム級8回戦
日向野知恵(スパイダー根本)[TKO1回1分44秒]パニダー・サックヨーティン(タイ)
◇女子S・バンタム級6回戦
後藤あゆみ(ワタナベ)[TKO2回1分34秒]クワーンガン・シットクルージアップ(タイ)
◇70.8キロ8回戦
竹迫司登(ワールドS)[TKO3回9秒]大橋功弥(京拳)

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