7日、大阪・住吉区民センターの「You will be the Champion 30」で行われたOPBF東洋太平洋ダブルタイトルマッチでは、新チャンピオンが2人誕生──。メインイベントのライト級10回戦は、1位・今永虎雅(大橋)が王者・仲里周磨(オキナワ)に95-95、96-94、97-93で2-0判定勝利。セミファイナルのS・バンタム級王座決定10回戦は、前日本王者で3位の石井渡士也(RE:BOOT)が、2位の山﨑海斗(六島)に5回2分46秒TKO勝ちした。

仲里からタイトルを奪った今永㊧
ダウンシーンはなかったものの、猛烈な接戦で盛り上がったライト級戦を大型サウスポーの今永が制した。
初回、右サイドに出つつ左ストレートを打つ今永に対し、仲里は右をボディーに送ると見せかけて顔面へ伸ばし、今永を早くもコーナーに詰めて連打。中・長距離では今永の左ブローをしっかりとステップバックでかわしたり、左オーバーハンドをダッキングで外したりと、“左対策”万全を印象づける。
仲里はまた、右ブローをリードとしても使いつつ、左で軌道を隠しながら折々で右強打をヒット。左を思うようにヒットできない今永は、いまひとつリズムに乗り切れない様相となっていた。
だが、2回に今永の打撃によって右まぶたをカットしたことが、仲里に気持ちを逸らせたのかもしれない。
4回、前に出る勢いを強めた仲里に、今永が左アッパー、左ストレートをヒット。一気に距離を詰めて連打を仕掛ければ、仲里優勢の雰囲気となるも、ボディーワークで回避する術に長けた今永は、致命的な被弾を許さない。逆に、仲里が中途半端な距離の詰め方をする展開が増え始めると、今永の左ストレート、左アッパーが生きてきた。
5回終了時の公開採点は48-47で1人は仲里を支持したものの、残る2者は48-47で今永にポイント。
これを聞いた仲里は、距離を詰めての連打をより意識して入ろうとし、その入り際に今永が左ボディーアッパーのカウンターを次々と差し込んでいく展開に。仲里に攻めさせて呼び込んで打つ。今永の思考の転換が、ポイント挽回に焦る仲里を逆手に取った形となった印象だ。
最終回に入り、今永が先に仕掛けて左右ボディーの連打を見舞えば、仲里は左右フックをヒット。最後の力を振り絞って打ち合う両者に、会場もヒートアップして終了ゴングを聞いた。
「想定した通り、仲里選手はガッツがあってパンチもあって、何回か効いて苦しい戦いになったけど、勝つことに集中して勝てたのでホッとしています。練習してきたこと、進化したことを見せられなかったのは仲里選手の技術と気持ちの強さ。自分も後半は気持ちだけで戦った。もっといいパフォーマンスをして、しっかりこのベルトを守って、どんどんレベルアップしていきたい」(今永)
昨年12月に世界ランカーに初黒星を喫し、そこからの復帰戦での勝利。日本王座(返上)に続き2本目のベルトを手に入れた今永(26歳)は10勝5KO1敗。2月に獲得した王座の初防衛がならなかった仲里(29歳)は16勝8KO4敗4分。

石井は大阪に乗り込んでOPBF王座獲得
■石井が山﨑を5回TKO、OPBF王者に
KO決着をプンプンと漂わせて始まったS・バンタム級戦は、予想通りの幕切れとなった。
ジャブの差し合いでスタートした両者だが、石井がコンスタントかつ、スムーズにヒットを奪い、続けて放つ右ショートストレートもなめらかに突く。そして、「射場哲也会長にもカギとなると言われていた」返しの左フックを放つと、山﨑がバサッとダウン。立ち上がった山﨑にはダメージが感じられ、石井が攻め手を強めたものの、ここは山﨑も必死に粘って辛くもしのいだ。
2回、3回と石井が前がかりになったこともあり、山﨑も石井のジャブの戻しに右をリターン。石井のお株を奪うように左フックも時折合わせ、試合は混戦模様に。
しかし4回、石井がステップを使いつつ距離を取り、引きながら合わせるパターンに持ち込むと、試合が一気に終幕へと向かった。しっかりと相手の攻撃をかわして打つ。石井がその間合いとリズムを掌握した証だった。
5回、右ボディーストレートから左フックの得意のコンビネーションを浴びせた石井は、コンパクトで鋭いワンツーストレートを連発。右でダメージを与えたと察知し、一気に連打を見舞うと、それまでのダメージを考慮した池原信遂レフェリーが割って入る。素晴らしいタイミングのストップだった。
「イメージしてた通りに進められた。とりあえずアジア3冠を目指して戦っていきたい。また大阪で戦うこともあると思うので、みなさん僕の名前を憶えてください」。ビジター石井の“お願い”に、温かい拍手が贈られた。
石井(25歳)は11勝8KO2敗2分。3度目の王座挑戦も実らなかった山﨑(27歳)は11勝6KO2敗1分。


