現地時間28日、英国ランカシャー州マンチェスターのコープライブ・アリーナにてクイーンズベリー・プロモーションズ主催興行が開催され、メインイベントのWBAインターナショナル&WBOインターコンチネンタル・ヘビー級タイトルマッチは二冠王者のモーゼス・イタウマ(英国/242.1ポンド)がジャーメイン・フランクリン(米国/258.4ポンド)に5ラウンド1分33秒TKO勝利。イタウマが王座を防衛した。

当初、この試合は1月に予定されていたがイタウマが練習中に上腕二頭筋を負傷、興行ごと延期となっていたもの。サウスポーのイタウマは持ち味のハンドスピードを生かし、シャープなジャブをヒットするなどパンチをまとめ、初回からポイントを取った。フランクリンの過去2敗は22年11月のディリアン・ホワイト戦、23年4月のアンソニー・ジョシュア戦でいずれも判定まで粘っており、タフさに自信を持っているが、3ラウンド2分過ぎ、イタウマの右フックをテンプルに浴びてダウン。
ここは立ち上がったフランクリンだが迎えた5ラウンド、リング中央でイタウマが左のショートアッパーを放つと、アゴに食ったフランクリンはゆっくりと前のめりに。さらにイタウマの右フックを追撃されてダウン。スティーブ・グレイ(英国)レフェリーはカウントを数えずTKOとした。
WBA&WBO1位、WBC3位、IBF11位につけ、現ヘビー級の台風の目とも言われる21歳のイタウマは14戦全勝12KO。次戦がますます楽しみとなっている。キャリア初のKO負けとなったWBA&WBO10位、32歳のフランクリンは24勝15KO3敗。黒星はいずれも英国で喫したもの。
■ワーバートン番狂わせ起こす
WBAコンチネンタル・ミドル級王座決定戦は元英国同級王者のネイサン・ヒーニー(英国/159.7ポンド)がジェローム・ワーバートン(英国/159.3ポンド)に10回判定負け、ワーバートンが新チャンピオンとなった(98-92、97-93、97-93)。
大声援を背にヒーニーはサウスポーのワーバートンに対し、ガードの上からジャブ、ワンツーで攻める。ワーバートンは早くもディフェンシブな戦術となりサイドステップとブロックの時間が長くなった。ペースを掴んだヒーニーは2ラウンドに左ボディーも好打。しかしワーバートンも4ラウンドはパンチを集める。
5ラウンド、ヒーニーがプレスを強め流れを取り戻そうとするが、6ラウンドはワーバートンの右フックがヒット、ヒーニー鼻血を出すなどし、中盤以降はスピードの落ちたヒーニーをワーバートンがさばく展開と変わった。最終回、勝利を確信したかワーバートンがサイドステップを多用、サークリングしてゴングを聞いている。番狂わせの勝利をおさめた30歳のワーバートンは17勝2KO2敗2分、敗れた36歳のヒーニーは19勝6KO2敗1分。
WBOグローバル・ライトヘビー級チャンピオンのエズラ・テイラー(英国/174.5ポンド)がウィリー・ハッチンソン(英国/174.1ポンド)と対戦。これに空位のWBAコンチネンタル・ライトヘビー級王座決定戦も加わった一戦は10回判定でハッチンソンが勝利し、新二冠王者となった。スコアは99-91に98-92が2者の3-0。
テイラーはジャブからペースを握ろうとじりじりと前進し、一方のハッチンソンは開始から頻繁にスイッチしトリッキーな動きを見せて強打を外していく。ハッチンソンの動きにやや攪乱されたようなテイラーは持ち前の強打が空を切る場面が多く、パンチの戻り際や、出ばなをくじくようなハッチンソンの小さいパンチをコツンコツンと受けた。ラストラウンド残り10秒の拍子木が鳴ると、ハッチンソンは勝利を確信し両手を上げアピールした。WBC6位、IBF10位でもある27歳のハッチンソンは20勝14KO2敗。一方ボクシングが素直過ぎた印象の31歳テイラーは13勝9KO1敗。WBAで8位、IBFでは14位にランクされている。
IBFインターナショナル・ミドル級王座決定戦はIBF3位のシャキール・トンプソン(英国/158.4ポンド)が元英国同級王者のブラッド・ポールス(英国/159.8ポンド)に9ラウンド1分30秒TKO負け。ポールスが新チャンピオンとなった。
上背とリーチで勝るサウスポーのトンプソンが右手を動かし、ポールスは高くガードを上げて踏み込むタイミングを測る序盤は、手数でトンプソンがポイントを集めていく。ポールスはいきなりの右や左フックを当てる場面もあるもののいずれも単発に終わり、トンプソンの懐の深さに自身の距離を掴むことができない。中盤以降、リードを広げていくトンプソンもポールスのディフェンスを崩すところまで攻め込めず、このまま判定決着かと思われた9ラウンド序盤、ポールスの右ストレートでトンプソンの膝が揺れる。ポールスが一気に攻めかかるとトンプソンが倒れこむようにダウン。再開に応じたトンプソンだが、フラつきながらポールスの追撃の前になすすべなく最後は右フックで2度目のダウンを喫し、ハワード・フォスター(英国)レフェリーはカウントを数えず両手を交差した。
32歳のポールスは21勝12KO2敗1分。世界ランク再獲得は確実と言えるだろう。一方、WBOでも11位にランクされるトンプソンは15勝11KO1敗。IBF欧州とWBOグローバル王座の防衛を続けながら上げたランキングだったが、対戦相手の質を上げたテストマッチで挫折を味わっている。
元IBOスーパーバンタム級王者のリーアム・デービース(英国/125.9ポンド)がWBOインターコンチネンタル・フェザー級チャンピオンのフランチェスコ・グランデリ(イタリア/125.1ポンド)と対戦。空位の欧州フェザー級王座決定戦も組み込まれ二冠戦となった一戦は6ラウンド終了、棄権によりデービースが勝利し、新チャンピオンとなった。
シャバズ・マスー(英国)にIBO王座を奪われ階級を上げたデービースは転向2戦目。初回からプレスを掛けながらワンツーを打ち込むなどいいスタートを切ったデービース。グランデリも3ラウンドにはスイッチを混ぜながらペースの打開を図るが、4ラウンドにデービースの左フックがクリーンヒットし、グランデリは尻もちをついてダウン。なんとかゴングに逃げ込んだグランデリは粘りを見せるものの、デービースの攻勢にダメージを蓄積していく。すると6ラウンド終了後のインターバルでグランデリ陣営が棄権し、TKO決着となった。WBO8位、IBF9位、WBA14位、WBO15位といずれもランク入りする29歳のデービースは18勝9KO1敗。WBO12位、31歳のグランデリは21勝6KO5敗2分。


