現地時間9日、英国ランカシャー州マンチェスターのコープライブ・アリーナで行われたWBO世界ヘビー級タイトルマッチはチャンピオンのファビオ・ウォードリー(英国/242.2ポンド)が同級3位の元IBF王者、ダニエル・デュボア(英国/251.7ポンド)に11ラウンド28秒TKO負けを喫し、王座が交代した。

オレクサンデル・ウシク(ウクライナ)がWBOからの対戦指示を拒否、王座を返上したことで暫定王者からエレベーター式に格上げされたウォードリーの初防衛戦はオッズでやや王者優勢のなかゴング。その開始からわずか10秒、ウォードリーのワイルドな右フックがデュボアの側頭部に当たり、尻もちをつかせる。深いダメージを感じさせず2ラウンドに入ったデュボアはジャブ、右をヒットしポイントを獲り返した。
ところが3ラウンド1分過ぎ、王者の大きな右フックを肩越しに食うとデュボアは自ら膝を着いて2度目のダウン。回復力の速さも特徴のデュボアは再開後、右を返して反撃、有効打数でポイントをまた獲り返していった。6ラウンドもデュボアの左右フックでウォードリーは鼻血を出し、ダウン寸前になった。7ラウンド、デュボアのワンツーで王者がよろめき、終盤には両者フラつきながら左右フックを振るうと会場は大歓声。ハワード・フォスター(英国)レフェリーが拍子木とゴングを聞き間違えたほどだ。
ダウン以外のラウンドはデュボアが押さえている印象で終盤へ。ウォードリーの顔面の腫れと鼻血が悪化していく。9ラウンド、王者の右まぶたの腫れと鼻にドクターチェックが入るも続行。ウォードリーは右アッパー、右ストレートで反撃を見せるが、デュボアに左右フックを打ち返されて再びフラつきながらコーナーに戻った。
10回開始直後、ウォードリーは2度目のドクターチェック。再び大歓声が両者の背を押す。何度となくフラつきながらダウンを拒否するウォードリーだったが11回早々、デュボアの右ストレートで横を向いたところでレフェリーが割って入り、激闘に幕が下りた。
昨年7月、統一王者のウシクに返り討ちとなる5回KO負けを喫している28歳のデュボアは再起戦で戴冠、23勝22KO3敗。一方、31歳のウォードリーは20勝19KO1敗1分と初黒星。
■ラファティがエスマン破る
セミファイナル、WBOスーパーライト級9位のジャック・ラファティ(英国/146.9ポンド)が元WBOグローバル・ウェルター級王者のエコウ・エスマン(英国/146.7ポンド)に6ラウンド終了時点で棄権によるTKO勝利をおさめた。
両者、主導権を握ろうと左から試合を組み立てていく序盤。旺盛な手数が主武器のエスマンが攻勢を強めようとするとラファティはクリンチワークで連打を止めにかかり、3ラウンドにはラファティが右ストレートをヒット、エスマンの左まぶたから出血を見た。ややラファティのパワーが優勢と映るなか、6ラウンド終盤、ラファティの左フックがテンプルにヒットするとエスマンは足元をバタつかせる。フットワークでピンチを脱したが、インターバル中に左まぶたからの出血量を考慮したコーナーが棄権を申し出て終了となった。WBCでは11位の30歳、ラファティは27勝18KO1分。37歳のエスマンは22勝8KO3敗。
WBAインターコンチネンタル・ライトヘビー級タイトルマッチはWBA12位で王者のリーアム・キャメロン(英国/174.4ポンド)がWBC34位のブラッドリー・レア(英国/173.8ポンド)に4ラウンド1分35秒TKO負けを喫した。
初回終了間際、レアがコンビネーションをヒットし右ストレートで王者の顔を弾くと一気にコーナーに詰めたところでゴング。3ラウンドにはスイッチを見せたレアがハンドスピードを生かし、迎えた4ラウンド、サウスポースタンスからレアの左フックが王者のアゴにクリーンヒット。キャメロンはゆっくりと背中からダウンした。再開に応じたキャメロンだがダメージは深く、レアの追撃に前のめりに倒れたところでタオルが投入されTKO。28歳のレアは22勝11KO2敗、35歳のキャメロンは24勝10KO8敗1分1ノーコンテスト。
■モレルまさかのTKO敗
WBOライトヘビー級暫定王者、カラム・スミス(英国)の負傷により4月18日の対戦が延期され、再日程を待つ元2階級制覇王者のデビッド・モレル(キューバ/176.1ポンド)が英国デビュー戦。ライトヘビー級10回戦で元英連邦スーパーミドル級王者のザック・チェリ(英国/177.1ポンド)にまさかの10回2分24秒TKO負けを喫した。
サウスポーのモレルが右を突きながら積極的に手を出す序盤は元世界ランカーのチェリもその攻勢を巧みに外し、いきなりの右を軸に対抗するシーソーゲームとなった。手数でやや優勢のモレルに対し、5ラウンドにはチェリがいきなりの右をヒットしてモレルの顔を弾く。
チェリの頑張りによって予想外に競った展開で迎えた9ラウンド終盤、チェリの右がクリーンヒットするとモレルが足をバタつかせ、会場は一気にヒートアップ。そして最終回、フットワークにダメージを感じさせるモレルにチェリの左フックがテンプルにヒット。ガクンとペースダウンしたモレルを追撃してコーナーに詰め、チェリが左右フックを好打。完全に効いてしまったモレルはガードを下げて棒立ちとなったところでレフェリーが割って入った。28歳のチェリは16勝8KO4敗1分、28歳のモレルは12勝9KO2敗。会場で観戦していたカラム・スミスとの暫定世界戦は白紙となるのか?
ヘビー級10回戦。IBF7位、WBO8位、WBC13位のバホディール・ジャロロフ(ウズベキスタン/254.9ポンド)はアグロン・スマキッチ(クロアチア/241ポンド)に7ラウンド終了棄権によるTKO勝利。20年東京五輪と24年パリ五輪のスーパーヘビー級金メダリスト、そして19年エカテリンブルク、23年タシュケントの世界選手権で金メダル獲得という元トップアマ、31歳のジャロロフは17戦全勝15KO。35歳のスマキッチは21勝19KO4敗。
世界挑戦経験を持つ、マイク・ペレス(キューバ/194.1ポンド)がクルーザー級8回戦に出場、フランクリン・アリンゼ(ナイジェリア/196.7ポンド)を8回判定に下した(78-74)。WBAとWBOでクルーザー級6位につける40歳のペレスは32勝22KO3敗1分1ノーコンテスト、34歳のアリンゼは10勝7KO1敗。


