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S・フライ級もう一人の世界王者 ハングリーなマルティネスも今週末IBF王座V2戦

2023年6月22日 9時54分

 井岡一翔とジョシュア・フランコのWBA・S・フライ級タイトルマッチから一夜明けた日本時間25日、米ミネアポリスでIBF同級王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)が同級1位ジェイド・ボルネア(フィリピン)と2度目の防衛戦を行う。ハングリーなチャンピオンはさらにのし上がろうと燃えている。

昨年10月、アンカハスを返り討ちにしたマルティネス(右)

 S・フライ級はWBC王者フアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)を筆頭に、エストラーダとのライバル対決を3度繰り広げたローマン・ゴンサレス(ニカラグア=帝拳)が2トップと言えるだろう。リング誌ランキングでは1位エストラーダ、2位ゴンサレス、3位井岡一翔(志成)、4位中谷潤人(M.T=WBO王者)、5位ジョシュア・フランコ(米=WBA王者)。IBF王者のマルティネスは6位だ。

 マルティネス(31歳=15勝8KO)は昨年2月、長期政権を築いていたジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に挑戦し、アンダードッグの立場でアップセットを遂行、王座を獲得した。ダイレクトリマッチでも明確な判定勝利で前王者を返り討ちにした。しかし身長160センチ足らずと小柄でパワフルとは言えないマルティネスは、リング誌ランキングが示すように評価も人気もまだまだといいう地位に甘んじている。

 リング誌によるとマルティネスはブエノスアイレスの最も厳しい地域の一つと言われるスラム街に生まれ、大家族の一員として貧しい幼少時代を過ごした。ボクシングを始めたのは大金を手に入れて家族を養うため。ようやく世界チャンピオンになったとはいえ、ファイトマネーはまだまだ十分ではなく、今回の待遇にも不満を持っているという。

 ハングリーなチャンピオンは成り上がるためにビッグネームとの対戦、王座統一戦を渇望している。マルティネスは「私はビッグファイトの準備ができている。チャンピオンと拳を交え、統一戦をする準備ができている。そのためにもまずはボルネアとの試合に対処しなければならない」とリング誌に語った。

 5月に中谷がチャンピオンとなり、井岡とフランコが再激突するS・フライ級は日本のファンにとっても注目の階級の一つ。IBF王者の試合もしっかり見届けたい。Photo from Esther Lin/SHOWTIME

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