戦後の日本ボクシング界の発展に貢献した日系2世のトレーナー、スタンレー伊藤氏の軌跡を描いた「ハワイからの使者　スタンレー・イトウ　The Lord of Ring」（アイク田川著）が2月1日、文芸社から発売される。

　スタンレー氏は1924年、ハワイ・ホノルルに誕生。サム一ノ瀬氏のもとでトレーナーとなり、日本人初の世界王者となった故白井義男氏の世界タイトルマッチでは、王者ダド・マリノのセコンドに入った。その後も日本ボクシング界との親交は深く、具志堅用高や柴田国明の世界戦ではカットマンとして活躍したほか、ハワイでキャンプをする多くの日本人ボクサーの力になった。

　同氏は89歳になった今もハワイで暮らしており、12年には「スタンレー伊藤さんに感謝する会」が東京で開かれ、多くの元世界チャンピオンや関係者が駆けつけた。

　本は2部構成で第1部はスタンレーさんの足跡を追ったノンフィクション。第2部はファイティング原田、矢尾板貞夫、門田新一、上原康恒ら、スタンレー氏に関わったボクシング関係者の寄稿で構成されている。ファン必読の一冊。