畑中建人16戦目の初黒星で陥落 タイのタナンチャイにWBO-AP王座譲る
2024年8月12日 18時24分
2024年8月11日 14時58分
現地時間10日、米ニューメキシコ州アルバカーキのティングリー・コリシアムにて行われたIBF世界フェザー級タイトルマッチで番狂わせ。チャンピオンのベナド・ロペス(メキシコ)が同級11位で元WBO・S・バンタム級王者のアンジェロ・レオ(米)に10回1分16秒KO負けを喫し、王座が交代した。
開始と同時にガンガン攻め込む王者に対し、レオもリングを広く使いながら相手のワイルドな左右フックの合間に小さいパンチを返して対抗。苦笑いを見せるなど余裕を漂わせるロペスは甘いガードを突かれ、レオのコンパクトなパンチを食らってしまう。
4回、ロペスの右フックでバランスを崩したレオ。5回も右フックを浴び、徐々にパワーの差が出てくるも、レオはロペスに食い下がる。若干余裕がなくなりつつも迫力あるロペスの攻勢か、それともレオのコンパクトなパンチと手数か、試合は接戦の様相を呈した。
7回、ロペスはレオの左フックに対しローブローを訴えるも、シャリフ主審はスルー。気を抜いたところにレオの連打がヒットする。前に出て体で押すことでロペスの突進を防ぐレオは9回、疲労の色を見せる王者に右フックを見舞った。迎えた10回1分過ぎ、レオの左フックがクリーンヒットし、ロペスは背中から後頭部を打ちつけるダウン。10カウントが数えられたところでヒザを曲げるのが精一杯だった。
30歳のレオは25勝12KO1敗。スペクタクルなKO劇で2階級制覇を達成した。同じ30歳のロペスは30勝17KO3敗。4度目の防衛に失敗。以前から指摘されていた過信が敗因の1つに挙げられそうだ。
◆WBOラテン・スーパーライト級王座決定戦
リンドルフォ・デルガド(メキシコ)[判定2-1(96-92、95-93、92-96)]ブライアン・フローレス(メキシコ)
積極的に手を出すフローレス(WBC34位)をデルガド(WBC11位)が慎重に様子見するスタート。さばくデルガドは3回、左フックをミスして体の流れたフローレスに右フックを引っかけてダウンを奪う。
スリップをアピールしたフローレスだがこれは覆らず。4回、攻勢を強めて右フックを決めるなどし、ポイントを奪い返す。デルガドはフローレスの攻勢を冷静に見るが、手数が増えない。しかし7回、たびたび受けていたローブローの注意からフローレスに減点1が課され、デルガドは終盤に左アッパーを決めて得点。
8回は互いに疲れながらも近い距離での攻防となり、フローレスの左フックがデルガドの顔面を襲った。その後はもみ合いの多い展開となり、試合終了ゴングを聞いた。リオ五輪ライト級ベスト32、そしてIBFでは15位にランクされる29歳のデルガドは薄氷の勝利。21戦全勝15KO。28歳のフローレスは26勝15KO1敗1分となった。
◆フライ級8回戦
マシュー・グリエゴ(米)[判定3-0(80-72×3)]ヒルベルト・メンドサ(米)
アルバカーキが地元のグリエゴ(WBA12位)が大きな歓声に包まれてリングイン。初回、いい右ボディーストレートを見せたグリエゴに対し、メンドサも終了間際に肩越しの右を返す。2回以降もグリエゴは左ボディーを打ち込むなど優勢に試合を進め、多彩な左を軸にメンドサにダメージを与えていく。
6回途中でグリエゴは右手首を振るしぐさを見せ、これは痛めた様子。KOを期待する歓声は尻すぼみとなり、最終回、グリエゴがテンポアップしメンドサをロープ際へ追い込むと久々にわきあがった。28歳のグリエゴは15勝10KO無敗、34歳のメンドサは23勝11KO19敗4分1NCとなった。
◆S・ウェルター級10回戦
ビト・ミールニッキJr(米)[失格2回1分39秒]ラスロ・トート(ハンガリー)
長らくPBCで戦ってきたミールニッキ(WBA3位)にとって「トップランク&ESPN」のデビュー戦。パワーで上回るミールニッキはスタートからプレッシャーを掛けて前進し、ベテランのトートは早くも圧され気味となる。初回終了間際にはミールニッキの右フックでバランスを崩し、2回1分過ぎに今度は左フックを直撃されてトートがダウン。
立ち上がって戦意を示したトートだったが、カウント中にコーナーがリングに入り棄権となった。トレーナーの判断に右手を振って不満の表情を見せたトートだが賢明な判断だった。州ルールにより失格勝ちとなったものの、限りなくKOに近い勝利を収めた22歳のミールニッキJrは19勝13KO1敗。キャリア43戦目にしてアメリカ・デビュー戦となった36歳のトートは32勝20KO9敗2分。
◆フェザー級10回戦
アーノルド・ケガイ(ウクライナ)[8回終了TKO]ベルマール・プレシアド(コロンビア)
初回からパンチを上下に散らすケガイ(WBO3位)がガードを上げながら前進。プレシアドも下がらず、リング中央でパンチの交換が増えていく。手数でペースを引き寄せ、ポイントを集めていくケガイは5回に右ストレートを好打。
中盤はケガイがいつしとめるのかというワンサイドの空気ながら、プレシアドもディフェンスに注意を払いながら致命打を防ぎ、時折反撃。終盤もリードを広げたケガイはヤマ場をつくりたいところだったが、決定打を打ち込むことはできず、8回終了後にプレシアド陣営が棄権した。
ウクライナのリマンスケ出身、両親が韓国人という32歳のケガイは22勝14KO1敗1分。IBFでは12位にランクされている。36歳のプレシアドは22勝15KO8敗1分。
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