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畑中建人16戦目の初黒星で陥落 タイのタナンチャイにWBO-AP王座譲る 

2024年8月12日 18時24分

 WBOアジアパシフィック・フライ級タイトルマッチは12日、名古屋国際会議場で行われ、指名挑戦者の同級2位タナンチャイ・チャルンパック(タイ)がチャンピオン畑中建人(畑中)に12回2-0判定勝ちし、王座が移動した(116-112、115-113、114-114)。畑中は初防衛に失敗。

タナンチャイの右アッパーを浴びる畑中㊧

 負傷ブランクもあって、昨年9月の決定戦(宝珠山晃に判定勝ち)以来となるリングの畑中。この日は左ジャブで距離を取るボクシングをベースにスタートした。

 しかしタナンチャイには畑中の打ち終わりや動作の止まる一瞬を狙う俊敏さがあった。左ジャブの突き合いにしても鋭く力強いタナンチャイに分がある印象。畑中は思うようにプレスをかけられず、中盤にかけてタナンチャイが地力で主導権を手繰り寄せていく。

 畑中はガードをタイトに固めて左ジャブを連射したりし、ところどころでいい流れをつくれそうだが、タナンチャイも失速しないため、ピッチが上がらない。8回は畑中が一転して接近しボディー攻撃で攻勢をかけるも、やはりタナンチャイに応戦され、それ以上の攻め込みができなかった。

 10回の畑中はロープを背に右カウンターに頼るが、タナンチャイは攻めすぎず行きすぎず。タナンチャイの頭脳的な試合運びも畑中を迷わせたのかもしれない。顔の腫れの目立つ畑中は最終12回は押さえたと見えたが、結果はジャッジ1者が引き分けとしたものの2-0判定でタナンチャイの勝利。接戦だったが、勝敗に異論はないところだ。

 ウィラポン、シリモンコンらで日本でおなじみのスラチャート会長も駆けつけており、勝ったタナンチャイは大喜び。戦績を25勝15KO1敗とした。

 一方、無冠となると同時に初黒星の畑中(15勝10KO1敗)は「すみません」。畑中ジムは今年が開設30周年とあって悔しさも一層。父親の清詞会長は「(建人は)これまでのようにガムシャラに打ち合うだけでなく、離れるところ、打ち合うところを分けてやっていたが。ああいう選手と長いラウンドを勉強させるのは今後にとっていい」。会長自身も、田中恒成も、そしてこの日の建人もプロ16戦目で初黒星を喫したことになる。しかしいずれもこれを糧に飛躍しているだけに、畑中会長も「こんなところで折れる子じゃない」と建人の再起を期待していた。

◆S・フライ級8回戦
坂井涼(畑中)[判定3-0(76-75、77-74、78-73)]久保春平(パンチアウト)

久保を下した坂井㊨

 昨年度フライ級新人王の坂井がキャリアのある久保と対戦。硬さのうかがえる坂井に対し、左ジャブ、右ストレートの機敏な攻めでいい調子の久保だったが、2回、一瞬の隙を突いて坂井が右でダウンをマーク。以降、差を徐々に広げていった。

 坂井は1ヵ所にとどまって打ち合う傾向がまだあるものの、回転の速い連打にボディーを混ぜるなど好戦派の魅力も十分にアピールした。これで坂井は7勝3KO1敗。久保は7勝5KO4敗2分。

◆54キロ契約6回戦
犬塚音也(松田)[TKO3回48秒]大城雄都(トコナメ)

◆ライト級4回戦
久松大輝(とよはし)[判定3-0]古川修誠(杉田)

◆L・フライ級4回戦
岡田駿也(西遠)[引き分け]高橋昭磨(ARITOMI)

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