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関西のホープ伊藤千飛が8回TKO勝ち 日中戦前座

2024年9月22日 1時31分

 21日のセミで行われたバンタム級8回戦は、伊藤千飛(いとう・せんと、真正)がラン・コウコウ(中国)を終始スピードとテクニックで圧倒。最終8回1分16秒、レフェリーストップによるTKO勝ちで2戦2勝2KOとした。

粘るランを最終回にストップした伊藤。初回で手を痛めていた

 伊藤は開始から猛然と左ボディーアッパーを連発し、試合を決めにいく意欲あふれる連打を披露したが、スタミナをかなり使い、両手を痛めたこともあって、その後は息を整えるラウンドをつくる。ランはそこを狙い、思いきり振る右オーバーハンドをヒットするシーンも。

 伊藤はクイックなステップとハンドスピードの速さ、スタミナを回復させる力でランを圧倒したが、ダウンを与えることはかなわなかった。ランの反撃を小さなスウェーバックでかわす場面が目立ったが、勘の良さに頼りすぎるきらいがあり、そこは今後の課題だろう。ランは3勝8敗2分。

 日中戦第1試合のライト級8回戦は、初回に右から左をヒットして木戸口謙辰(三迫)からダウンを奪ったチョウ・シンキョウ(中国)が、6回2分36秒負傷判定勝利(58—55、58—55、59—54の3—0)した。

 スタートから接近戦となった両者だが、チョウが右アッパーの上下攻撃で木戸口を押していく。だが、3回にバッティングでチョウが眉間をカットし出血すると、木戸口が左右ボディーとワンツーで盛り返す。自らのツーパンチ後、チョウの攻撃後に繰り返すクリンチでも相手のリズムを切った。

 しかし6回、チョウが右から左のコンビネーションと右アッパーで迫ると、木戸口は口内から出血。が、再びチョウが眉間の傷のドクターチェックを受けるとレフェリーが試合をストップした。チョウは5勝2KO。木戸口は1勝2敗2分。

 日中戦第2試合のフェザー級8回戦は、右足を中に入れてインサイドジャブを打ち、外から右フックを狙うサウスポーのダウス・リテ(中国)に、高優一郎(たか・ゆういちろう、横浜光)がリターンの右ストレートと、左フック、右アッパーのボディーブローでリード。正面突破の意識が強く、ダウスの左右アッパーや右フックをもらうシーンもあったが、終始押し込んでいった。78—74、79—73、79—73の3—0判定で高の勝利。高は3勝無敗。ダウスは7勝5KO1敗となった。

 また2022年全日本新人王決勝の再戦となったフェザー級8回戦は、その新人王戦を判定で制していた岡本恭佑(HKスポーツ)が、日本同級10位の廣瀬祐也(協栄)を7回2分5秒TKOで下し、返り討ちに成功した。

 オーソドックスの岡本、サウスポーの廣瀬。ともに前の手で相手を牽制し合うスタート。廣瀬が右グローブで岡本に目隠しし、左ストレートを上下に送ると、岡本は、左のタイミングを変えて中にすべり込ませたり、右ストレートをリードブローに使ったりし、徐々に距離を掌握した。

 距離を詰め、中に入りたい意識が強くなりすぎた廣瀬に対し、岡本は左アッパーもヒット。これが邪魔となって、廣瀬は岡本のボディーを攻められなくなった。

 6回、強引に距離を詰め始めた廣瀬に対し、岡本は気持ちにゆとりを持って右カウンターを狙う。7回、右ストレートへの意識が高まっていた廣瀬に、岡本は右アッパーをクリーンヒット。これが効いてキャンバスに崩れ落ちた廣瀬を見て、レフェリーが試合を止めた。

 日本ランカー対決となった54.5kg契約8回戦は、日本フェザー級7位の辻永遠(つじ・とわ、勝輝)が、日本バンタム級13位の与那覇勇気(真正)に3—0(77—75、77—75、77—75)判定勝利した。

 立ち上がりから激しく手数を出し合った両者。だが、攻防ともに派手に振る舞う与那覇に対し、小さなヘッドスリップ等で与那覇の大きな攻撃をかわし、よりコンパクトに的確に打った辻が上回った。

 力んで右を振り、左ボディーブローを叩きつける与那覇が中盤に辻を飲み込みかけるシーンもあったが、辻は下がりながら与那覇を誘い込み、左フックをカウンタ―。左右アッパーをヒットしてから左右の連打をまとめるなど、テンポの上げ下げを巧みに使った。カバーリングで固まる与那覇の癖も上手く突いた形だ。

 右目周りが腫れ、鼻血も流し始めた与那覇は苦しい展開が続いたが、7回、攻め一辺倒の姿勢から“間”を作り、飛び込みざまの左フックをヒット。辻はこれで右目を痛めたようで、与那覇は追撃の右ボディーアッパーでダメージを与えた。

 右目周辺が腫れた辻だが、最終回はふたたびコンパクトな連打で、逆転を狙う与那覇を振り切った。

◆S・フェザー級4回戦
保谷勇次(三迫)[判定2—0(38—38、39—37、39—37)]蛯名創魅(DANGAN郡山)

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