新井志道殊勲、ランカー下村佳輝を117秒KO
2024年12月16日 6時20分
2024年12月16日 2時01分
15日、大阪・住吉スポーツセンターのセミファイナルで行われたIBF世界L・フライ級2位決定戦&OPBF東洋太平洋同級タイトルマッチ12回戦は、IBF4位でOPBF王者タノンサック・シムシー(タイ)が元WBOミニマム級王者でIBF・L・フライ級7位の谷口将隆(ワタナベ)に2-1(116-112、113-115、115-113)のスプリットデシジョンで勝利。2度目の防衛に成功した。
細かいステップとスタンス幅の変化で距離を管理する谷口。だが、攻めてはタノンサックののらりくらりとかわす技にずらされ、守っては右を差し込まれ、思うような展開になかなか持ち込めず。意を決して飛び込めば、相打ちでタノンサックが優る場面も多く、神経をすり減らす戦いを強いられた。
左ボディーカウンターに活路を見い出して、これでタノンサックの右を防ぎにかかるが、王者は構わず右ショートを繰り出す。さらに左アッパーからの入りにも変化して対応。このアッパーにも谷口はリズムを切られて苦しんだ。
中盤、タノンサックがプレスを強めて連打を開始。数多く被弾した谷口だが、得意のボディーワークとサークリングで回避すると、攻めと守りのメリハリをはっきりさせてリズムを取り戻す。8回からは左ボディーアッパーのカウンター、左ストレートからの返しの右フックを決めてペースを掌握。タノンサックの失速も見え始め、このまま谷口が展開をつかむかと思われた。
だが11回、開始からタノンサックがギアを上げる。左アッパーから左フックをヒットして谷口の鼻の頭を切り裂いて、流れを奪い返す。最終回は両者、技術と気力を振り絞ってイーブンの戦いとなっただけに、この“チャンピオンシップ・ラウンド”が勝敗を分けた形だ。執念の勝利を果たしたタノンサックは37勝33KO1敗。惜敗となったが谷口はフィジカルとメンタルの強さもした。19勝13KO5敗。
WBOアジアパシフィック・ミドル級タイトルマッチ12回戦は、日本王座も保持する2冠王者・国本陸(六島)が 元OPBF&日本王者で2位の竹迫司登(たけさこ・かずと、ワールドスポーツ)に初回2分39秒TKO勝ち。2度目の防衛に成功した。
2021年5月に行われた日本王座戦以来のリマッチで、前回、初回TKO負けを喫した国本が、そっくりそのままのリベンジを果たした。
強いジャブ、右ストレート、左右フックで仕掛けたのは竹迫。しかし、国本はガッチリとガードを固めてこれをやり過ごすと、左グローブで竹迫に目隠しをしながら右をヒット。これで倒れた竹迫は、立ち上がると迫りくる国本に右をヒット。逆転の雰囲気も醸したが、国本が右強打を連打すると、頭を低くした竹迫に打ち下ろした右がテンプルを痛打。竹迫が前のめりにダウンするとレフェリーが即試合を止めた。国本は13勝7KO1敗。竹迫は17勝15KO3敗1分。
OPBF東洋太平洋バンタム級暫定王座決定12回戦は、1位のケネス・ヨベル(フィリピン)がデカナルド闘凜生(とぅーりお、本名=桑畑凜生、六島)を初回57秒TKOに仕留めて速攻勝利した。
スタンスを広くとり、長く深い左ストレートで先制攻撃を仕掛けたヨベルが、左からの右ショートフックをヒットさせるとデカナルドがヒザを着く。立ち上がったものの、フラつきを見せたデカナルドを見てレフェリーが試合を止めた。
強国フィリピンにまた一人、猛者がいることを知らしめた21歳のヨベルは13勝8KO。敗れたデカナルドは8勝4KO3敗2分。同正規王者・栗原慶太(一力)が1月の戴冠以降、7月に無冠戦は行ったものの防衛戦をこなしていないため、今回の暫定王座が設置された。
日本S・フェザー最強挑戦者決定8回戦は、前・日本王者で1位の原優奈(はら・ゆうな、真正)と2位・砂川隆祐(すながわ・りゅうすけ、沖縄ワールドリング)が1-1(77-75、74-78、76-76)のドロー。引き分けとしたジャッジが原に優勢点をつけたため、来年のチャンピオンカーニバル出場権を原が得た。
左腕を前方に突き出してジャブを丹念に打つ原に対し、砂川は鋭い踏み込みをともなう左を突き込んでいき、距離が縮まると左ボディー、左右アッパーとコンビネーションで迫る。原は、頭や肩、体を寄せてクリーンヒットを奪わせない技術を見せて回避。3回にバッティングで左目上をカットした砂川の傷口を狙う右もしたたかだった。
中・長距離でジャブからの右ストレートを決めた原。近距離で左右アッパーを決めた砂川。主導権争いは最後の最後までもつれた。老獪なボクシングを見せた原は14勝8KO3敗2分。攻撃のスケール感を示した砂川は3勝2KO1分。
日本ユース・バンタム級タイトルマッチ8回戦は、チャンピオンで日本8位の金城隼平(かねしろ・しゅんぺい、RE:BOOT)が具志堅日向(ぐしけん・ひゅうが、琉豊ボクシングスタジオ)に79-73、ジャッジ二者が80-72とフルマークをつける大差3-0判定勝利。同王座の初防衛を果たした。
サウスポー同士の一戦は、金城が多彩な右を2発3発4発と速射し続けて具志堅をコントロール。具志堅は時折差し込む左強打で圧を与えるものの、金城は距離の取り方、回り込み、体の寄せも巧みで、後続打を決して出させなかった。
具志堅は金城の右ジャブ連打を両グローブのガードで止める対応。最終盤に至って左クロスを合わせにかかったが、全体的に右ジャブを捨てざるをえなかった。金城が時折強く打ち込む左ストレートのタイミングが読めず、右ガードを離しづらかったこともあるだろう。相手の戦力を削ぎ落す金城の頭脳ボクシングが光った。23歳の金城は4勝2KO。初黒星の22歳・具志堅は4勝3KO1敗。
132ポンド契約8回戦は、OPBF&WBO-AP12位のジェオ・サンティシマ(フィリピン)が、元日本ランカーの一道宏(いちみち・ひろ、T&T)に3回2分57秒TKO勝ち。
右打ち下ろし、左右アッパーを使いながら距離をうまく駆使していた一道だったが、左右フックを敢えてガードに叩きつけてパンチを散らすサンティシマが徐々に肉薄。2回に左フックの相打ちで優り、3回に一道が左右アッパーをヒットしたものの左フックで跳ね返し、コーナーを背負わせて左右フックからの連打を決めると、レフェリーが割って入った。
世界挑戦経験のあるサンティシマは25勝21KO7敗。39歳の一道は8勝6KO3敗1分。
2025年1月20日 18時08分
2025年1月19日 22時39分
2025年1月19日 2時53分
2025年1月19日 0時01分
2025年1月18日 16時55分
2025年1月18日 16時45分