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エンビリ148秒で暫定王者に 

2025年6月28日 13時35分

 27日(日本時間28日)、カナダ・ケベックのビデオトロン・センターにてアイ・オブ・ザ・タイガー・プロモーションが主催するWBCスーパーミドル級暫定王座決定戦が行われ、同級1位のクリスチャン・エンビリ(フランス/167.7ポンド)が同級7位のマチェク・スレッキ(ポーランド/167.7ポンド)に1ラウンド2分28秒TKO勝利。エンビリが暫定王座を手にした。

初回で暫定王座獲得のエンビリ㊧ ©Vincent Ethier 2025

 開催するごとに批判噴出といっても過言ではないWBC暫定王座戦だが、今回は昨年8月からトップコンテンダーにいるエンビリと同級シルバー王者でもあるスレッキの対戦。エンビリはカメルーン出身で幼少時にフランスへ移住し、16年リオ五輪ではフランス代表としてミドル級ベスト4、そしてプロキャリアの約7割をカナダでこなしている。

 試合はエンビリがガードを上げながら前進し、スレッキがジャブを突きながら隙をうかがうスタート。迎えた2分過ぎ、右フックを出しにいったスレッキにエンビリの右アッパーがドンピシャのタイミングでアゴをとらえた。スレッキがドスンとダウン。

 深いダメージを見せるスレッキにマイケル・グリフィン(カナダ)レフェリーのカウントが進む。スレッキは立ち上がったものの続行が許されなかった。30歳のエンビリは29戦全勝24KO。王者サウル・アルバレス(メキシコ)との統一戦は知名度の点から考慮すると容易ではなさそうだが……。敗れた36歳のスレッキは33勝13KO4敗。

マシアスに借りを返したバトラー ©Vincent Ethier 2025

 セミファイナルのスーパーミドル級10回戦には2度の世界挑戦経験を持つスティーブン・バトラー(カナダ/167.6ポンド)が出場し、ホセ・デ・ヘスス・マシアス(メキシコ/167.8ポンド)との再戦に4ラウンド1分33秒KO勝ちした。

 当初、バトラーはWBO13位のエリック・バジニヤン(カナダ)と対戦が発表されていたものの、約2週間前にバジニヤンが右足首の靭帯負傷を理由にキャンセルし、マシアスが代理出場となったもの。両者は21年1月に対戦しており、マシアスが番狂わせの5回TKO勝利を収めた。バトラーはマシアス戦前の19年12月に横浜アリーナで村田諒太の持つWBA世界ミドル級王座に挑戦、5回TKO負けを喫していた。いわば復帰戦相手に足元をすくわれたバトラーとしては因縁の再戦だった。

 今回から本格的にスーパーミドル級へ上がるバトラーは試合前、「(初戦の黒星は)コロナ禍での試合とはいえ、いいトレーニングを積むことができなかった、今回は違う。エリックと戦うつもりで全力を挙げてきたが、長い間雪辱したかったマシアスが相手となり燃えている。スーパーミドル級は私にとって新たな一歩になると思うし、可能性は無限に広がっています」とコメント。

 開始から両者、積極的に手を出しアクションの多いスタートとなった。2ラウンドもマシアスの左フック、バトラーの右ストレートが浅くヒットする。互角の序盤、手数はバトラー優勢ながら有効打数はマシアスが上といったところで迎えた4ラウンド1分過ぎ、バトラーの大きな右フックがクリーンヒットするとマシアスがドスンとダウン。

 ダメージを感じさせながらも再開に応じたマシアスに対し、バトラーが右手を大きく回しながら近づくと会場は大歓声。ロープ際から出られないマシアスに右アッパーから連打を浴びせるとマシアスが再びダウンし、レフェリーはカウントを数えず試合終了を宣言した。29歳のバトラーは36勝30KO5敗1分と雪辱に成功。一方、およそ4年前には村田諒太のスパーリング・パートナーとして来日経験を持つ33歳のマシアスは29勝15KO14敗4分。

 ヘビー級10回戦では、アルスランベク・マフムドフ(ロシア/265.8ポンド)がリカルド・ブラウン(ジャマイカ/261.4ポンド)に初回1分57秒TKO勝利。

 23年3月のアジ・カバイェル(ドイツ/4回TKO負け)、昨年8月のグイド・ヴィアネッロ(イタリア/8回TKO負け)と世界ランカーの壁に阻まれているマフムドフは約10ヵ月ぶりの復帰戦。

 ゴングと同時にジャブを突きながら前に出るマフムドフに対し、ブラウンはガードもそっちのけで打ち合いに応じると、50秒過ぎにマフムドフの右ストレートを側頭部に食ってよろよろと後退。ブラウンをコーナーに詰めたマフムドフは右フックをクリーンヒットし、ブラウンを前のめりに倒す。ブラウンは立ち上がったが、ダメージを考慮したレフェリーが両手を交差している。

 復帰戦を飾った36歳のマフムドフは20勝19KO2敗。35歳のブラウンは初黒星(12勝11KO1敗)。好レコードを持つも大きな実力差が露呈した格好。

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