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ハリケーン・カーター死す、袴田さん支援の規範に

2014年4月21日 14時05分

ハリケーン・カーター氏死去(ボクシングニュース)
カーター氏
 元ミドル級世界ランカーで、20年近く獄中生活を送りながら冤罪で釈放されたルービン“ハリケーン”カーター氏が20日(日本時間21日)カナダ・トロントで亡くなった=写真は1976年ごろ=。76歳。死因は前立腺ガンと伝えられる。

 1937年5月、米ニュージャージー州に生まれたカーター氏は軍隊に入隊後、勤務地のヨーロッパでボクシングを覚えた。61年プロに転向。身長173センチとミドル級では小柄だったが手数が売り物で、マジソン・スクエア・ガーデンなどでリングに上がり、名選手エミリー・グリフィスに初回KO勝ちの快挙。ジョーイ・ギアデロに挑んだ世界戦は判定で敗れたが、将来を嘱望される選手の一人だった。

 しかし66年6月、地元パターソンの飲食店で3人の白人男性を銃で撃ち殺した容疑で逮捕され、終身刑を宣告される。獄中でカーター氏は強く無罪を主張したが76年の再審でも一度カーター氏に有利な証言をした2人の証人が前言を覆し、再び終身刑が言い渡される。それでも出版された「第16ラウンド」という自伝やフォーク歌手ボブ・ディランの「ハリケーン」という歌が世論を動かし、カーター氏に有利な証拠が隠蔽されていたことが発覚。85年11月釈放された。

 その後はトロントに移り住み、不当な殺人罪判決に抗議する活動を続け、公民権運動でもシンボル的な存在だった。先月、48年に及ぶ獄中生活から釈放された袴田巌さんの支援者が活動の規範とした人物でもあった。WBCは94年、名誉チャンピオンベルトをカーター氏に贈呈している。

 また99年には映画「ザ・ハリケーン」が上映され、主演でカーター氏を演じたデンゼル・ワシントンがアカデミー賞にノミネートされた。「ルービン・カーターに神の恵みがあらんことを。彼の疲れを知らないファイトは、すべての正義を確実にした」とワシントンは哀悼の意を捧げている。

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