23日後楽園ホールで行われた日本ライト級タイトルマッチはチャンピオン加藤善孝(角海老宝石)が挑戦者7位斉藤司(三谷大和スポーツ)に8回TKO勝ち。現役最多7度目の防衛に成功した。
挑戦者の斉藤は出だしからチャンピオンにインファイトを挑んだ。ブロックしつつ左のアッパーも使い、加藤を押し込んでいく。俊敏さを売りにするタイプとしてはこれは意外な戦法だったが、加藤は冷静に対処。抜け目なく左右のボディーを叩き、3回あたりから右の的中率を高めた。
斉藤の気迫は十分だった。しかし正面に立つあまり格好の的となり王者の右ストレートで何度と弾かれる。4回は右カウンターを効かされてダウン。その後も一方的な展開が続き、迎えた8回、斉藤が左ジャブでのけぞると中村主審が試合を止めた。加藤が地力の差を見せつける内容だった。
加藤は「相手のダメージがたまっていたのは分かった。いつ止めてくれるかと思って」と余裕を漂わせつつ「挑戦者らしいタフな選手でした」と敗者をなぐさめた。続けて「世界までは負けられない。年内に世界ランクを取って、来年は世界挑戦をしたい」と野望を語った。
◇ミドル級8回戦
淵上誠(八王子中屋)[TKO2回1分15秒]ジャーメド・ジャラランティ(インドネシア)
元日本&OPBF王者のサウスポー淵上が立ち上がりから右パンチでジャラランティを制した。ジャブにフック、アッパーとほぼ右一本でジャラランティをコントロールし、2回に右フックをテンプルに決めてフィニッシュした。これで3月の西田光戦からの再起に成功。
◇S・フライ級8回戦
喜久里正平(帝拳)[KO6回25秒]及川太郎(八王子中屋)
アマチュア経験者同士の一戦は、サウスポー喜久里が6回開始早々の左ストレートで及川をキャンバスへ。10カウントが数えられた。