帝拳ジムは2日、都内のジムで会見を開き、元2階級制覇王者・粟生隆寛が5月1日(日本時間2日)に米国ラスベガスのコスモポリタン・オブ・ラスベガスでWBO世界ライト級王座決定戦に出場すると発表した。現在WBO同級2位にランクされる粟生は同5位ライムンド・ベルトラン(メキシコ)と、テレンス・クロフォード(米)が返上し空位となったタイトルを争う。勝てばフェザー、S・フェザー級に続く3階級制覇となる。
会見で粟生は試合に臨む心境を「わくわくしています」と表した。粟生にとってはWBC・S・フェザー級王座を失ったガマリエル・ディアス(メキシコ)戦以来、2年半ぶりの世界タイトルマッチ。「久しぶりだし、3階級の記録もかかっているので、いい感じの緊張感があります」と語るように、コンディション調整も順調の様子だ。昨年10月のフアン・カルロス・サルガド(メキシコ)戦は元世界王者相手に手を焼いた内容だったが、年明けにWBOランキングに復帰し、「いつチャンスが来てもいいようにテンションを高めていた」という。
試合がフロイド・メイウェザーvsマニー・パッキャオ戦の前夜に行われることも発奮材料だ。「ラスベガスのホテルが満杯となり盛り上がっているところで、関係者以外の人も注目しているのでアピールの場になるでしょう」と浜田剛史代表は言う。粟生も「しっかり盛り上がる試合をしたい」とやる気になっている。
相手のベルトランは33歳。29勝17KO7敗1分の右ボクサーファイター型で、今回が3度目の同級タイトル挑戦。直近のクロフォード戦はアウトポイントされて0-3判定負けだったが、13年9月にイギリスでリッキー・バーンズに挑んだ試合はダウンを奪った末の不運なドローだった。「ベルトランはそんなに頭から突っ込んでくるタイプではないので嫌いじゃない。中間距離を保って、行くところは攻めていきたい」と粟生は試合展開を思い描いている。
今回の粟生vsベルトラン戦はトップランク社が制作する新シリーズ「tru BOXING」(トゥルー)の第1弾として放送される。すでにアメリカから制作スタッフが来日して粟生をインタビューするなど、力が入っている。日本ではWOWOWがメンバーズオンデマンドで当日11時ごろからライブ配信する予定だ。