現地時間14日、米・ラスベガスで行われた注目の一戦はマニー・パッキアオ(比)がミゲール・コット(プエルトリコ)から2度のダウンを奪った末に最終12回TKO勝ち。またしてもその驚異的な強さを世界にアピールした。この試合にはコットの持つWBOウェルター級王座がかけられており、フライ級からスタートしたパッキアオはこれで通算5階級制覇に成功(主要4団体)。アジア人初の偉業なのはもちろん、レナード、ハーンズ、メイウェザーに並ぶ勲章を手にした。さらにWBCからはダイアモンドをちりばめた超豪華なグリーン・ベルトも贈られている。
パッキアオのスピードがウェルター級のコットを凌駕した。出だしこそ慎重さがうかがえたものの、パッキアオは目まぐるしいステップから得意の左ストレート、右フックはじめコンビネーションブローを見舞う。3回にワンツー後の右フックでダウンを奪うと、テンポアップし、今度は4回にコットがムキになって打ちかかってきたところに左ショートをガツン。この2度目のダウンが効いたコットは、徐々にパッキアオの強打をしのぐので精いっぱいとなる。打つ手のなくなった終盤はエスケープばかりが目立ち、迎えた12回、パッキアオが左ストレートでのけぞらすとケニー・ベイレス主審が試合を止めた。タイムはこの回55秒。
試合後のパッキアオは「いまはゆっくり休みたい。次はまだ知らない」と勝利の余韻に浸っていた。戦績は50勝38KO3敗2分。PHOTO/SUMIO YAMADA