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長谷川穂積が9回終了TKO勝ち、3階級制覇を達成

2016年9月16日 19時45分

 WBC世界S・バンタム級タイトルマッチが16日、エディオンアリーナ大阪第一競技場で行われ、同級4位の長谷川穂積(真正)が王者ウーゴ・ルイス(メキシコ)に9回終了TKO勝ち。長谷川はWBCバンタム級、WBCフェザー級に次ぐ王座獲得で3階級制覇を達成。ルイスは初防衛に失敗した。

長谷川(右)は果敢に攻め返して勝利をもぎ取った

 長谷川の“ラストチャレンジ”が満員札止めのエディオンアリーナ大阪で始まった。身長168センチのサウスポー長谷川と、身長とリーチで7.5センチ上回るルイスとの一戦。初回、偶然のバッティングでルイスが眉間から出血し、いきなり減点1を食らった長谷川だが、足を使いながらジャブで距離を取り、打ち終わりに右を合わせようとするルイスの強打を外そうと試みた。

 2回にルイスの左フックがヒットするヒヤリの場面があり、重そうなルイスの右が長谷川の顔面をかすめるたびに背筋が寒くなる思いがするが、長谷川も左を上下に打ち分けて対抗。ただし長谷川の左は長身のルイスに対してなかなか届かない。4回を終わっての採点は38-37、39-36でルイス、38-37で長谷川。両者とも距離をキープして有効打が少なく、ジャッジの難しいラウンドが続いた。

 ルイスは5回に圧力を強め、長谷川をロープに押し込んで連打を見舞う。これに長谷川が猛然と打ち返して場内はボルテージは一気にヒートアップ。6、7、8回は長谷川が足を使いながら、ルイスが時折振るってくる右をダッキングで外すアウトボクシングでポイントをピックアップ。7回は長谷川が左目上部から出血し、一度は「有効なパンチ」とアナウンスされたが、会場に流れたVTRでバッティングが明らかになると、場内は猛ブーイング。判定が変わってルイスが減点1。8回を終えて78-72、76-74、74-76の2-1となり、長谷川がポイントで逆転した。

 迎えた9回、ルイスの右で長谷川がダメージを受けて後退すると、ルイスはチャンスとばかりにおそいかかる。リング上に悲鳴が鳴り響く中、ロープを背負った長谷川はここで猛連打を見せてルイスと激しい打撃戦を展開。ロープから脱出すると場内の観客は総立ちだ。長谷川はこの回の後半、何度か左ストレートをルイスに叩き込んで攻勢をアピールした。

 いよいよ終盤に向けて試合が盛り上がった矢先、ルイス陣営が棄権を申し入れて、長谷川の手が挙がった。エディオンアリーナ大阪は大歓声に包まれ、長谷川の3階級制覇が達成された。インタビューの第一声で「長かったです」と答えた長谷川。試合を終えてから約2時間後、感動したファンにもみくちゃにされながら会場をあとにした。戦績は36勝16KO5敗。2012年にWBAバンタム級王者だった亀田興毅に挑戦して惜敗したルイスはまたも日本で世界戦に敗れた。36勝32KO4敗。

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