April
25
Thursday

ボクシングニュース | ボクシングビート編集部制作

share

26°C Clouds
Tokyo

Boxing News(ボクシングニュース)

Home > Match Information > 長谷川穂積が引退会見「もう証明するものはない」

長谷川穂積が引退会見「もう証明するものはない」

2016年12月9日 14時17分

  長谷川がついにグローブを置く決断を下した──。WBC世界バンタム級タイトルを10度防衛するなど一時代を築き、現在はWBC世界S・バンタム級王座を保持する長谷川穂積(35=真正)が9日午後、神戸市内のホテルで記者会見を開き、自らの口で現役引退を表明した。

会見終了後に山下会長が長谷川に花束を渡した

 グレーのスーツ姿で登場した長谷川。マイクの前に座ると、冒頭に「9月16日の試合を最後に引退することを決めました。まだWBC・S・バンタム級チャンピオンですが、2日後のWBC総会に出席してそこでベルトを返上してこようと思います」と引退宣言した。

 続けて「理由に関しましては、自分に対してこれ以上証明するものがなくなったというのがひとつ。もう一つは心と体を一致させて世界戦をして、世界チャンピオンになるという目標を達成し、戦う理由もなくなって、前回以上の気持ちを作ることができなくなったというのが大きな理由です。チャンピオンのまま引退するというわがままを聞いてくださった山下会長に感謝しています」とあいさつした。

 長谷川によると決断を下したのは11月中旬。かなり悩んだようだが、その時期に「ボクシングを始めた理由を考えた。お金持ちになりたい、有名になりたいというのなら、まだ試合をすればお金がもらえるし、メディアも取り上げてくれる。でも、(ボクシングを始めた理由は)自分が強いかどうか知りたい、強いならどれくらい強いか知りたいという気持ち。前回の試合で強いのか、弱いのか答えが出た。これ以上続ける意味がなくなった」と述べた。

 まだやれるのではないか─という問いには「前回のような気持ちを作れたら、まだ誰にも負けない自信はあるけど、身体は作れるけど気持ちを作るのは難しい。いまが一番美しいのではないかと思い、引退することにした」と語った。

 最も印象に残っている試合は「全部が印象に残っていて、忘れた試合はない」と前置きした上で「初めてチャンピオンになった試合は夢がなかってうれしかった」と2005年のウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)戦を上げた。

 後輩たちへの言葉を求められると「練習がしんどくて、練習に行きたくないと思うこともあったけど、そんな日々もいまでは楽しかったと思える。現役ボクサーは試合前は特にしんどいと思うけど、その苦しみを楽しんで強くなってほしいと思う」とエールを送った。今後どのようなことをしていくかは未定で「次のステージでチャンピオンを目指したい」と語るにとどめた。

 長谷川は1999年にプロデビュー。新人王戦に敗れるなどキャリア初期に2敗を喫したが、その後は卓越したディフェンス技術とスピードを武器に白星を重ね、03年5月にOPBFバンタム級王座を獲得。3度防衛後の05年にWBC世界バンタム級王座を14度防衛中のウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)を下して世界王者となった。

 このタイトルを10度防衛し、10年にWBO世界バンタム級王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)との事実上の統一戦に敗れるも、一気に2階級上げてWBC世界フェザー級王座を奪取。2度目の防衛戦でジョニー・ゴンサレス(メキシコ)に敗れてから苦難の道を歩み、14年にIBF世界S・バンタム級王者キコ・マルティネス(スペイン)に敗れた際は引退もささやかれたが、現役を続行し、今年9月、2年5ヵ月ぶりの世界戦で三度王座に就いた。生涯戦績は41戦36勝16KO5敗。

Related article
関連記事