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山中慎介V13ならず、ネリの猛攻に4回TKO負け

2017年8月15日 20時36分

 WBC世界バンタム級タイトルマッチが15日、京都市の島津アリーナ京都で行われ、チャンピオンの山中慎介(帝拳)が挑戦者1位のルイス・ネリ(メキシコ)に4回2分29秒TKO負け。具志堅用高氏が1980年に打ち立てた世界タイトル防衛日本記録、13度防衛に37年ぶりに並ぶことはできなかった。

ネリの猛攻をなんとかしのぐ山中(右)

 山中は初回、ジャブをよく突いてネリの前進止め、ネリが打ち込んでくると足をつかってかわすスタイル。作戦通りの立ち上がりだ。ネリはガードを高く上げ、山中の左を警戒した。しかし、ネリも機を見て左右のフックをコンビネーションで打ち込むと、なかなかの迫力に会場が沸く。

 2回、山中が上下に左ストレートを打ち分け、浅いながらもネリの顔面をとらえるが、ネリの左フックが山中にヒット。さらに山中の打ち終わりに左を叩き込んだ。いいのをもらった山中が猛然と打ち返したところでゴングが鳴った。

 3回は山中のジャブが有効で、左も上下に打ち分けるが、ラウンド後半はネリが得意の連打で反撃。どちらのパンチがあたってもKO間違いなしといった雰囲気。ダメージを負っているのは山中のようにも見えた。

4回にネリが攻勢、最後はタオル投入

 迎えた4回、ネリがエンジンをふかして攻勢を強め、左フックがヒットすると、山中が大きくバランスを崩す。ネリがかさにかかって攻めると、追撃を被弾した山中はダウンしそうになりながら、何度か持ち返した。しかし、最後はロープに追い込まれ、ネリの連打にさらされると、大和心トレーナーがタオルを投げながらリングに飛び込み、山中を抱きしめた。

 涙を浮かべて観客にあいさつした山中は「慎介コール」を背に退場。プロ初黒星の山中は27勝19KO1敗2分。世界初挑戦でタイトル獲得のネリは24勝18KO無敗。

リング上で思わず涙を流す山中、会場は満員だった

 34歳の山中は名門、南京都高(現・京都廣学館)で国体を制し、専修大をへて06年にプロデビュー。10年に日本バンタム級王座を獲得し、11年11月にクリスチャン・エスキベル(メキシコ)との王座決定戦を制して世界王者となった。以来、今年の3月まで5年4か月の間に12度の防衛に成功。世界戦13試合で9KO勝ちを導いた必殺の左ストレートは“神の左”と形容された。王座在位は5年9か月だった。

◇L・フライ級8回戦
堀川謙一(三迫)[3-0(78-74、80-74、80-72)]寺次孝有希(ミサイル工藤)
 WBOアジアパシフィックL・フライ級王者で、日本同級5位の堀川は4月、日本王者の久田哲也(ハラダ)に挑戦して敗れて以来のリング。序盤、小柄な寺次がよく動き、手数の出なかった堀川は4回にペースアップ。接近戦を織り交ぜてボディ攻撃で寺次を追い込んだ。堀川は終盤、寺次をダウン寸前まで追い込んだがKOはならなかった。37歳のベテラン堀川は33勝7KO15敗1分。寺次は7勝4KO14敗1分。

◇S・フェザー級8回戦
山口翔太(真正)[3-0(78-77、78-76、77-75)]伊藤弘一(黒崎KANAO)
 元日本ランカーの山口は右ストレート、左ボディのコンビネーションを放ち、伊藤も左ボディを力強く打ち込む滑り出し。ともに中間距離で手数を出し合う一戦は、山口が2回、パンチで伊藤の右目上部を出血させるなど押し気味に進める。その後も山口は右を打ち下ろし、伊藤も右、ボディを決めるという打撃戦が続き、パンチの精度で上回った山口に軍配が合が合った。山口は15勝8KO4敗。伊藤は11勝10KO56敗3分。

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