トリプル戦予備検診 伊藤雅雪、拳四朗が体格リード
井上拓真はスピードと出入りで勝負
2018年12月27日 15時28分
2018年12月26日 17時57分
WBCバンタム級暫定王座決定戦(30日・大田区総合体育館)で同級4位の井上拓真(大橋)と対戦する同2位ペッチ・CPフレッシュマート(タイ=本名タサーナ・サラパット)が26日、横浜市内の大橋ジムで練習を公開した。
ペッチは48戦全勝33KOのサウスポー。バンバン試合を組むタイならではの戦績とはいえ、これだけの試合数をこなしているのは期待の表れと言えるだろう。ペッチのマネジャーは「タイでバンタム級のチャンピオンはしばらく出ていない。この試合はタイでも注目されている」とこの一戦の意味を説明した。
タイのバンタム級世界王者といえば、WBC王座を14度防衛したウィラポン、辰吉丈一郎にベルトを奪われたシリモンコンが有名だが、ウィラポンが長谷川穂積にベルトを奪われた06年以降、プンルアン・ソーシンユーがWBO王座を獲得しただけで、WBCバンタム級のベルトには縁がない。
タイ陣営によると、長らく王者が不在なのは、いい素材に恵まれなかったことに加え、キックボクシングの大会が中国など世界で数多く開かれるようになり、ムエタイから国際式に転向する選手が減少傾向にあることも影響しているという。
そんな母国の期待を背負うペッチが対戦するのは世界の“モンスター”井上尚弥の弟で、兄弟同時チャンピオンを目指す日本のホープ拓真だ。ペッチ本人は「ファンが感動するような試合をしたい」と笑顔で口にしたが、厳しい試合になるのは大いに覚悟していることだろう。
2ラウンドのミット打ちを披露したペッチに熱い視線を送った拓真の父、真吾トレーナーは「足さばき、フットワークは拓真が1枚も2枚も上。足で距離をキープできればパンチも当たってくる」と試合をシミュレーションした。
WBCバンタム級王座を12度防衛した山中慎介さん(当日テレビ解説)はペッチの動きを見た上で「スピードがないし、リズムも遅い。拓真選手にはスピードもコンビネーションもある。一番大事なのはスピード。拓真選手の優位は動かないでしょう」とこちらも太鼓判を押した。
予断は許さないというものの、日本サイドの見方はおおむね拓真の優勢。ペッチは逆境をはねのけてタイ悲願のバンタム級タイトル獲得を狙うことになる。
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