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引退決意「ここで一区切りを打ちます」

元プロ世界王者の高山勝成 東京五輪出場ならず
引退決意「ここで一区切りを打ちます」

2019年8月31日 22時34分

 ミニマム級で主要4団体の世界王者となり、アマチュアに転向して2020東京五輪出場を目指す愛知県代表の高山勝成(34=名古屋産業大)が31日、岐阜県立岐阜工業高校体育館館で開かれた第80回全日本ボクシング選手権大会東海ブロック選考会フライ級1回戦で三重県代表、宇津輝(21=日大3年)と対戦、0-3(28-29×3)の判定で敗れた。東京五輪代表を決める全日本選手権出場の道が絶たれた高山は「ここで一区切りを打ちます」とリングを去る決意を表明した。

日大の宇津と熱戦を繰り広げる高山(右)

 アマ3戦目となる高山は開始ゴングから上体を振りながら接近を図った。しかし、サウスポーの宇津は左に回りながらノーモーションの左ストレートをカウンターでヒット、高山の出鼻をくじいた。

 2回にも宇津の左が2発、3発と立て続けに高山の顔面をとらえた。高山は上体を低くしてボディ攻撃に切り替えたが、主審から頭が低い注意を受けた。3回は高山がボディに的を絞り、ラッシュをかけた。3分間フルに追い回したが、ダウンを奪うなど決定打を放つことはできなかった。

 青コーナーの宇津が勝者コールされると、大阪などから駈け付けた高山の応援団からは、判定に抗議コールが起きたが、高山は「1回にパンチをもらい、ペースを巻き返せなかった。自分より宇津選手の方が対策や心構えができていた」と潔く敗北を認めた。勝った宇津は「高山選手の圧力で後半失速したが、勝ててよかった」と大きく息を継いだ。

敗れた高山(左)は潔く敗北を受け入れた

 WBO世界ミニマム級王者だった高山は17年4月、名古屋産業大に入学と同時にタイトルを返上して、東京五輪出場を目指す決意を表明した。しかし、日本ボクシング連盟は高山のアマ転向を認めなかった。7月にアマ登録の支援の会が結成され、署名運動が開始され、2万5000人の署名が集まった。しかし、連盟は受け取りを拒否するなど、話し合いも拒否したままだった。

 昨年8月、連盟の山根明会長が辞任、内田貞信真会長の新体制が発足して、10月に高山のアマ登録が認められた。プロボクシング世界王者のアマ転向は国内初。

 高山は「僕が名乗りをあげるまでプロとアマは別れていた。みなさんのご支援でアマとプロの交流が増えることになり、そうしたきっかけをつくれたことは誇りに思う。自分はここで終わるが、何かのチャレンジすることの大切さをこれからの子どもたちに伝えていきたい」と語り、大学で教員資格を取得してアマボクシングの指導者になることも新たなチャレンジに掲げた。

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