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日本人選手の“世界チャンピオン対決”を振り返る

拳四朗が12.23に挑む統一戦に名勝負の歴史 
日本人選手の“世界チャンピオン対決”を振り返る

2019年10月20日 17時36分

 12.23横浜アリーナでL・フライ級、WBC王者の拳四朗(BMB)とIBF王者フェリックス・アルバラード(ニカラグア)との2団体統一戦が決まった。ここで団体間の過去の統一戦を振り返ってみたいのだが、「統一戦」にはいろいろなパターンがあるので、まずは下の日本人選手による「世界チャンピオン対決」をご覧いただきたい。

IBF王者アルバラード(左)とWBC王者拳四朗

■世界チャンピオン対決
2010.4.30(両国国技館) バンタム級
フェルナンド・モンティエル(WBO)[TKO4回2分59秒]長谷川穂積(WBC)

2012.6.20(大阪府立体育会館) ミニマム級
井岡一翔(WBC)[判定3-0]八重樫東(WBA)

2012.8.15(米カーソン) S・バンタム級
ノニト・ドネア(WBO)[TKO9回1分54秒]西岡利晃(WBC名誉)

2014.8.9(メキシコ) ミニマム級
フランシスコ・ロドリゲス(WBO)[判定3-0]高山勝成(IBF)

2017.12.31(大田区総合体育館) L・フライ級
田口良一(WBA)[判定3-0]ミラン・メリンド(IBF)

2019.5.18(英グラスゴー) バンタム級
井上尚弥(WBA)[TKO2回1分19秒]エマヌエル・ロドリゲス(IBF)

スリル満点だった長谷川vs.モンティエル

 モンティエルvs.長谷川が行われた当時は、日本ではWBOとIBFのタイトル戦は認められていなかったため、この試合はWBCタイトルマッチとして行われた。よって正確な意味では統一戦とはみなされなかったが、事実上の統一戦であったことは間違いない。

 ドネアvs.西岡の場合は、西岡がWBC王座を7度防衛したあと名誉王者に昇格。WBO・IBF王者だったドネアと、WBCダイヤモンド王座決定戦、そしてWBOタイトルマッチとして試合が行われた。ドネアが試合前にIBF王座返上の意思を示したため、IBF王座はかけられなかった。

井岡(右)と八重樫の統一戦はフルラウンドの激闘だった

 井上vs.ロドリゲス戦は、井上より上位のWBA“スーパー”王者が存在するため、IBFがこれを統一戦とは認めないとして、IBFタイトルマッチとして行われた。しかし、WBAはこの試合を認め、ロドリゲス戦の勝利を井上の防衛回数にカウント。非常に分かりづらいのだが、これは統一戦と呼ばずして、何を統一戦と呼ぶのか。

“事実上”というくくりだと、1984年の渡辺二郎vs.パヤオ・プーンタラットのJ・バンタム級戦も挙げるべきだろう。WBA同級王座を6度防衛した渡辺はWBC王者パヤオとの統一戦に挑むはずだったが、WBAがこれを認めなかったため、統一戦とはみなされなかった。WBA“前王者”の渡辺はこの試合に勝利し、WBC王座を4度防衛した。

計量失格ながら亀田大毅に勝って大喜びのソリス

 もう一つ、13年12月にIBF・S・フライ級王者の亀田大毅とWBA同級王者リボリオ・ソリスが統一戦を行うはずだったが、ソリスが前日計量に失格してWBA王座を失った。試合は“前王者”ソリスの勝利に終わり、WBA王座は空位に、IBF王座は亀田が保持したため、騒動になったのは記憶に新しいところだ。

 こうした各団体の王者による統一戦とは別に、正規王者と暫定王者による試合も「統一戦」と表記されることが多い。確かに両選手ともにベルトを保持しているから「統一戦」という表現は間違ってはいないが、団体王者同士の統一戦とは意味が異なることは頭に入れておきたいところだ。

 主要4団体にチャンピオンが存在し、さらには各団体(特にWBA)がさまざまなチャンピオンを認定するのでチャンピオンの数はなかなか減らない。今後も「統一戦をせよ」の声はなくならないし、実際に統一戦の数も増えることだろう。ファンが求めるのは本当に強い世界チャンピオンであることは言うまでもないだろう。拳四朗とアルバラードの好ファイトに期待したい。

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