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亀田京之介は前田稔輝に敗れる

全日本新人王 MVPは2度ダウン挽回の本多航大 
亀田京之介は前田稔輝に敗れる

2019年12月22日 20時05分

 全日本新人王決定戦が22日、後楽園ホールで行われ、各地区の予選を勝ち抜いた東軍代表と西軍代表が12階級で激突した。大会の最優秀選手賞にはS・ライト級の本多航大(川崎新田)が選ばれた。

 本多はデビューから5連続KO勝利の藤田裕崇(名古屋大橋)と対戦、初回に2度のダウンを喫しながら追い上げ、劇的な逆転TKO勝ちを収めた。

 注目のフェザー級は、亀田3兄弟の従兄弟で東日本新人王MVPに輝いた亀田京之介(花形)が西軍代表決定戦で技能賞の前田稔輝(グリーンツダ)1-2判定負け。亀田家初の全日本新人王獲得はならなかった。

左から敢闘賞の前田、MVP本多、技能賞の中西

 敢闘賞は前田、技能賞には中西寛多郎(HKスポーツ)が輝いた。また、イベントの半ばで、日本プロボクシング協会の花形進会長が台風19号の支援金43万5150円を中央共同募金会に贈った。

森(右)はデビューから6連勝で新人王獲得

◇ミニマム級5回戦
森且貴(大橋)[3-0(50-46、49-46×2)]丁野拓海(中日)
 ノンストップでパンチの交換が続いた。互いに上下への左フックを多用したが、そこにジャブとストレート系も織り交ぜる森が差を広げていく。丁野も最後まで食い下がったものの、森は動きを落とさず戦い切った。最終回には丁野を一瞬止めて連打するチャンスも。森は6勝1KO無敗。丁野は5勝3KO1敗。

表は4回に右でダウンを奪った

◇L・フライ級5回戦
表祥(SFマキ)[2-0(47-46×2、47-47)] 安藤教祐(KG大和)
 互いに慎重な出だしだったが、2回から安藤が打ち終わり狙いの右でやや優勢。それまで後手の表は4回ついに右をクリーンヒットしダウンを奪う。ダメージを残す安藤を左フックでもう一度倒す。このラウンド2度のダウンが決め手になった。SFマキジム初の新人王となった表は8勝3KO1敗。安藤は7勝3KO2敗。

F級新人王は“三重の中村三兄弟”の次男淳希(右)

◇フライ級5回戦
中村淳希(市野)[3-0(49-46、49-45、50-44)]臼井春樹(八王子中屋)
 長身のオーソドックス同士の対戦。2回に中村は右ストレートから返した小ぶりの左フックでダウンを奪った。臼井も左右パンチを振って反撃を試みたが、中村は距離操作も巧みで、これをさばいた。「三重の中村三兄弟」の二男である中村は5勝3KO1分。臼井は5勝1KO1敗2分。

目黒(左)は最後は打ち合って逃げ切った

◇S・フライ級5回戦
目黒聖也(セレス)[2-1(48-47×2、47-48)] 岩崎圭祐(オール)
 上背のあるサウスポー目黒が右で牽制しながら左ストレートを狙った。距離を詰めることができない岩﨑に対し、目黒は2回、左ストレートを立て続けにヒットした。劣勢の岩﨑は3回、目黒をロープに押し込んで連打を見舞い、4回は打ち合いに引きずり込んで右を効かせた。最終回は意地のぶつかり合い。岩﨑が目黒をロープに押し込んで終了のゴングとなった。目黒は6勝3KO。岩﨑は4勝1KO2敗。

中西(右)は馬力に加えジャブも光り技能賞獲得

◇バンタム級4回戦
中西寛多郎(HKスポーツ)[3-0(39-38、39-37)]小笠原梢太(シャイアン大嶋)
 小笠原が圧力をかけてジャブから左フック、左ボディを狙い、18歳の中西はジャブ、右クロスを打ち込んでいく。馬力で上回る中西が押し気味に試合を進めた。小笠原も左フック、右アッパーで食い下がったが、中西がジャブを軸に右、左ボディと有効打を重ねて勝利した。中西は3勝1分。小笠原は5勝3KO3敗。

津川(右)は竹原のしつこい攻めを食い止めて勝利

◇S・バンタム級5回戦
津川龍也(ミツキ)[3-0(48-47×2、49-46)]竹原毅(花形)
 西軍代表決定戦MVPの津川がスピードで上回り、初回から右ストレートを上下に決め、ボディ打ちも織り交ぜてサウスポー竹原を攻め立てた。竹原は2回から圧力を強め、津川をロープに押し込んで削っていく作戦。津川は断続的に右ストレートなど見栄えのいいヒットを打ち込んだ。竹原はグリグリと津川を押し込んで右フックをコツコツと当てたが、津川は崩れない。最終回は両者ともに激しく打ち合って終了となった。19歳の津川は7勝3KO1敗。竹原は5勝1KO1敗。

前田(左)は亀田を終盤に追い込んだ

◇フェザー級4回戦
前田稔輝(グリーンツダ)[2-1(39-37、39-38、37-39)]亀田京之介(花形)
 互いにカウンター狙いで初回は手を出さずにお見合いの状態。スピードが自慢の亀田は腰を振るなどサウスポー前田を挑発したが、前田は簡単に乗ってこない。2回、前田がプレスを強め、亀田をコーナーに追い詰めてコンビネーションを打ったところで亀田の右フックがヒット、前田が一瞬後退した。

 リングを広く使ってアウトボクシングを展開する亀田を前田は追いかけた。3回、前田が亀田を再びコーナーに追い詰め、左ボディストレートを見舞う。前田は4回、さらにプレスを強め、左を決めて亀田をつかまえた。打ち合わざるを得なくなった亀田も果敢に打ち返し、右を決めて会場を沸かせたが、最後は前田が押し込んでゴングとなった。前田は4勝2KO。判定が読み上げられた瞬間、キャンバスに崩れ落ちた亀田は5勝4KO2敗1分。

前田の話「苦戦してやばいかなと思ったけど、最後は力を振り絞って勝つことができた。プレッシャーあったけど、注目されたのも、盛り上がったのも亀田選手のおかげ。正々堂々と真っ向から戦ってくれた亀田選手に感謝したい」

谷口(左)と岩﨑はドローながら谷口の勝者扱い

◇S・フェザー級4回戦
谷口彪賀(八王子中屋)[引き分け1-0(39-37、38-38×2)]岩崎淳史(フジタ)
※ドローのジャッジ2人が谷口に優勢点をつけ、谷口が全日本新人王に
 中間距離の攻防は岩﨑が右アッパー、右ストレートを決めて先制。サウスポーの谷口は2回から前に出て、3回には左ストレートを立て続けにヒット。完全に優位に立ったと思われたが、ここから岩﨑がボディ打ちで反撃。最終回は互いに譲らずゴールテープを切った。谷口は3勝1KO2敗2分。岩﨑は5勝1KO3敗4分。

長いリーチをいかしてうまく戦った齋藤(左)

◇ライト級5回戦
齋藤眞之助(石川・立川)[3-0(48-47×3)]藤田健介(千里馬神戸)
 長身の齋藤がフットワークを使いながらジャブ、右ストレートを打ち込むアウトボクシングを最後まで貫いた。藤田はなかなか間合いが詰められず、力を発揮することができなかった。齋藤は6勝2KO3敗。藤田は5勝1KO2敗2分。

逆転勝利に雄たけびを上げる本多、MVPに輝いた

◇S・ライト級5回戦
本多航大(川崎新田)[TKO4回42秒]藤田裕崇(名古屋大橋)
 ひときわ大きな歓声で登場した藤田はリクルート勤務。デビューから5連続KO勝ちの藤田はいきなりパワフルなアタックを披露し、初回に右フック、左フックで2度のダウンを奪った。

 大きく出遅れた本多は初回終了間際に連打で反撃すると、2回から上体を振りながら前進を繰り返して藤田を下がらせ、3回に左フックで藤田をキャンバスに沈めた。4回、コーナーに追い詰められた藤田は抵抗を試みたが、本多の左フックが再び決まってダウン。主審が試合を止めた。20歳の本多は5勝4KO1敗。藤田は5勝5KO1敗。

本多の話「藤田選手の応援団がすごくて弱気になりそうだったけど、黙らせてやろうと思った。(最初のダウンは)めちゃめちゃ効いちゃって焦りました。いろいろな人の支えがあってこういうい結果がが出せたことに感謝したいです」

安井(左)は有効打で上回った

◇ウェルター級5回戦
安井誉(森岡)[2-1(48-47、49-46、47-48)]足名優太(渡嘉敷)
 足名が前に出て、安井が足を使いながらワンツー、左フックを打ち込む。体格にいい足名はプレスをかけていったが、安井が3回に左フックで足名をダウン寸前に追い込んだ。足名はここから立ち直り、最後まで前に出続けて安井を苦しめたが、有効打で上回った安井の手が挙がった。

湯澤(右)は3回にダウンを奪って判定勝ち

◇ミドル級4回戦
湯澤卓巳(宇都宮金田)[3-0(40-34×2、39-35)]国本泰幸(金沢)
 初回から両者ともによく手を出してパンチを交換した。やや押し気味に試合を進めていた湯澤3回、アッパー、左右のフックを叩き込んで長身の国本をキャンバスへ。4回も湯澤が優勢で、国本はホールディングで減点1。湯澤は4勝1KO1分。国本は3勝1KO1敗。

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