マスク姿でフェイスオフ あすニカラグアで興行再開
2020年4月25日 9時50分
2020年4月25日 8時45分
アメリカのボクシング専門誌「ザ・リング」のオリジナルランキングを読む─。7回目はS・ミドル級だ。花形であるミドル級とヘビー級の間の3階級は地味と形容されることも多かったが、あのスーパー・スターの参戦で状況が少し違ってきている。
■S・ミドル級
C カラム・スミス(英=WBAスーパー王者)
1 デビッド・ベナビデス(米=WBC王者)
2 カレブ・プラント(米=IBF王者)
3 アンソニー・ディレル(米)
4 サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ=WBA王者)
5 ビリー・ジョー・サンダース(英=WBO王者)
6 カレブ・トゥーラックス(米)
7 ジョン・ライダー(英)
8 フェドール・チュディノフ(ロシア)
9 デビッド・レミュー(カナダ)
10 ダニエル・ジェイコブス(米)
認定チャンピオンはイギリスのスミス。2018年にWBSS決勝で同胞のジョージ・グローブスを7回KOで下して優勝した試合が光る。190センチの長身を生かして距離を保ち、パンチの破壊力も十分。直近のライダー戦ではややもたついたが、クラスナンバーワンの評価は妥当なところだろう。カネロとの対戦を希望しているが、減量苦からL・ヘビー級に転向する可能性もある。
1位ベナビデスは20歳で世界王者となったものの、ドーピング検査で陽性反応が出てブランクをつくり、スターへの階段を踏み外した。休養王者の立場で昨年9月、ディレルをTKOしてWBC正規王座に返り咲いた。復帰後はパワフルなボクシングに磨きがかかった印象。23歳と若く、今後が期待されるチャンピオンだ。
2位プラントは昨年1月、ホセ・ウスカテギ(ベネズエラ)を下してIBF王座を戴冠した。以後、2度の防衛戦はいずれもKO勝ち。勢いに乗りつつあると言えるだろう。ディレスの3位はやや意外な印象。ベナビデスに敗れた35歳の元王者はこれからがキャリアの正念場だ。
4位にはPFP1位、ミドル級でリング誌チャンピオンに認定されているカネロが入っている。カネロが現在保持しているタイトルは、WBA・S・ミドル級、WBAミドル級スーパー、WBCミドル級フランチャイズの3つ。“世界一稼ぐボクサー”カネロとの対戦を多くの選手が望んでいる。
問題はカネロがどの階級でキャリアを進めるかだ。S・ミドル級がベストとも言われるが(中にはミドル級の体重を作るのはもう難しいとも)、はたしてどのウエートを選ぶだろうか。
5位の技巧派サウスポー、サンダースは王者の中で最も下位のランク。昨年クラスを上げて2階級制覇を成し遂げたが、インパクトはいま一つ残せていない。カネロの対戦相手に浮上したが、コロナ禍で見通しは立っていない。
下位には元王者が並んだ。6位トゥルーアックスは元IBF王者、8位チュディノフは元WBA王者、9位レミューと10位ジェイコブスは元ミドル級王者だ。7位ライダーはスミスに善戦して評価を上げたか。
ミドル級でゴロフキンやカネロと好勝負を演じたジェイコブスは昨年12月、フリオ・セサール・チャベスJr戦でS・ミドル級TKOデビュー。このクラスの中心人物になっていく可能性がある。Photos/SUMIO YAMADA
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