エドワーズがIBFフライ級新王者、アウトボクシングでムザラネ攻略
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2021年4月30日 11時11分
WBCバンタム級王座を10度防衛、圧倒的な強さを誇るサウスポー王者が待ち望んでいた他団体王者との“統一戦”が2010年4月30日、日本武道館でついに実現した。
事実上の統一戦が実現
統一戦と書いたが、正確を期するとこの試合は統一戦ではなかった。当時、日本ではWBA、WBCの2団体しか認めておらず、WBOは非加盟団体という扱い。だからこの試合は、長谷川のWBC王座にモンティエルが挑戦するという形でWBOのベルトはかけられなかったのだ。
日本がWBOとIBFに加盟するのは2013年のこと。いまや日本でもメジャー4団体は当たり前となり、多くの王者が誕生しているから隔世の感がある。
いずれにしてもチャンピオン対決であることには変わりなかった。長谷川がV10王者なら、モンティエルはWBOフライ級王座を3度防衛、同S・フライ級王座を計8度防衛(初防衛後に陥落、返り咲いて7度防衛)し、バンタム級に上げて3階級制覇を達成した実力者。バンタム級最強を決める戦いであることは間違いなかった。
事実上の2団体統一戦を見ようと、日本武道館は1万1000人のファンで埋め尽くされた。
開始ゴングが鳴ると、長谷川が距離を取りながら鋭い右ジャブを放ち、モンティエルは右を打ち込みながらも慎重に長谷川を誘う。すさまじい駆け引き、圧倒的な緊迫感。1万の観衆が固唾をのんでリングを見守った。
長谷川は好スタートを切ったが…
初回、好スタートを切ったのは長谷川に見えたが、のちにモンティエルの強打で右アゴを骨折したことが判明する。それでも長谷川は矢のような左ストレートでWBO王者に肉薄。3回にはモンティエルをロープに押し込む攻勢も披露した。
長谷川は4回、右のダブル、トリプルと多彩な攻撃でさらにペースをつかみにかかった。モンティエルの力任せとも言える左フックをダッキングで華麗にかわすと、「イケる」という空気が一瞬、会場に漂った。そのときだった。
「気を抜いたところにもらった。油断ですね…」(試合直後の長谷川)
長谷川が左ストレートをミスしたところに、モンティエルが左フックを合わせた。これが効いた。モンティエルもこれほどダメージを与えるとは思わなかったのだろう。後退する長谷川を見て、慌てて追いかけると、ロープに押し込んでラッシュ。左フックで長谷川の顔面が跳ね上がった。
長谷川が不運だったのは左腕がロープに絡まってしまったことだった。ダウンしていればその後に回復、挽回の機会もあっただろう。しかし、“倒れることができない”長谷川にモンティエルがパンチを浴びせ続けると主審はたまらず試合をストップ。場内は突然訪れたクライマックスにぼう然自失。TKOタイムは2分59秒だった。
“ダウンできず”に無念のTKO
試合後、長谷川は「やっているときは何で止めたんかなと思いましたけど、映像を見て、あれだけもらっていたら仕方がないですね。連打されている時は、はよロープからつたわな、という感覚でした」と無念の表情を浮かべた。
絶対王者ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)から王座を奪った日本武道館で敗れ、5年にわたり守り続けた王座から陥落した。世界最高レベルの攻防と、衝撃的な結末。1万1000人は長谷川がやぶれたショックと、最高峰のファイトを目撃した興奮がないまぜになった複雑な思いを胸に武道館を後にした。
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