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「1分で見切る」強さ アメリカ進出に大きく前進

WOWOWO井上

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2020年5月21日 木曜日

井上尚弥プレイバック 2017.5.21指名挑戦者を一蹴 
「1分で見切る」強さ アメリカ進出に大きく前進

 世界バンタム級2冠王者、井上尚弥(大橋)がS・フライ級時代、WBO王座の5度目の防衛戦を行ったのが3年前のきょう5月21日だった。有明コロシアムに指名挑戦者リカルド・ロドリゲスを迎えた一戦である。

大歓声に迎えられての入場

 既に4度の防衛を成功させていた井上はこの試合が決まる前、IBF王者ジェルウィン・アンカハス(比)との王座統一戦、あるいはWBAバンタム級王者ザナト・ザキヤノフ(カザフスタン)へのチャレンジを模索していた。

 減量苦やけがをようやく克服し、チャンピオンとしての充実期を迎えていた井上は、通常の防衛戦をクリアするだけでは、飽くなき向上心とチャレンジ精神を満たすことが難しくなっていた。しかし、このときはWBOの指名試合を優先、ロドリゲスを迎えることになったのである。

 イベントは「スーパー2デイズ」と名付けられ、20日と21日の2日間で5つの世界タイトルマッチが組まれた。井上の試合は2日目の大トリ。初日の20日は、比嘉大吾と拳四朗がチャンピオンになったものの、メインの村田諒太(帝拳)がWBAミドル級タイトルマッチでアッサン・エンダムにまさかの判定負け。ジャッジがあまりにひどく、大騒ぎが起きていた。

 21日の夜も、IBF・L・フライ級王者の八重樫東(大橋)が想定外の初回TKO負けで王座陥落という幕開け。不穏な空気が漂う中、井上に出番が回ってきたのである。

「いい倒し方ができた」と井上

 試合は初回から井上がペースを握った。初回からビシビシと左ジャブを突き刺す。試合後、「相手のボクシングを見切るまでにどれくらいの時間がかかったか?」と問われた井上はあっさり「1分ぐらい」と回答。たまらないのはロドリゲスだ。

 井上は2回にスイッチして左ストレートをロドリゲスにヒット。サウスポーでも挑戦者を倒せそうな雰囲気だったが、3回に元に戻すとたちまち左フックを合わせてロドリゲスをキャンバスに突き落とした。

 何とか立ち上がったところに再び左フックを決めると、ロドリゲスがキャンバスにゴロリ。立ち上がろうとしたものの体がいうことを聞かずにカウントアウトとなった。KOタイムは3回1分8秒だった。

倒して当たり前のプレッシャーもなんのその

 まったくスキのない完璧な試合内容に「いい倒し方ができた」と井上も納得顔。この時点で「S・フライ級で防衛を続けていくのもありですが、バンタム、S・バンタムともっと視野を広げていきたい」と話していたのは興味深い。

 バンタム級やS・バンタム級を見据えながらも、このとき具体的に話が進んでいたのがアメリカデビュー戦だ。井上はもちろん、光り輝くアメリカでの試合を望んでいた。

 この試合から4ヵ月後、ローマン・ゴンサレスやフアン・フランシスコ・エストラーダらS・フライ級トップ選手が顔をそろえたイベント「SUPER FLY」に出場するため、アメリカはロサンゼルスに飛ぶことになった。いよいよ井上が“怪物”から“モンスター”への階段を駆け上がろうとしていた。


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