10日午後大阪・淀川区民センターでアポロジムの今年初の興行「Apollo KO Live」が催された。4回戦6組の後に行われたメインの56キロ契約の8回戦は、此村勇（ミツキ）が石橋俊（アポロ）に3回1分15秒TKO勝ちを飾っている。

　ともに32歳で合わせて64歳。これまでの戦績が石橋34戦10勝23敗１分、此村20戦9勝3KO9敗3分と、負けも多いが夢を捨てずにリングに上がり続ける2人の異色のメインカードとなった。

　初回は両者ほとんど手を出さず、2回に入るとサウスポーの此村がいきなりの左ストレートを決めてダウンを奪う。石橋はなおも手が出ない。辰吉寿以輝に手を焼かして8回判定負け（18年4月）して以来のリング。カンが戻らなかったというよりも、サウスポーに対する苦手意識が消えなかったようだ。3回、エンジンのかかる前に此村の連打にさらされ、手が出ないままに、レフェリーストップとなった。

　10勝目を上げ勝ち越した此村は「練習通りの動きが出来て倒せたのがよかった」。今後の目標を聞かれると「日本タイトルをめざしたい」とアピール。24敗目を喫した石橋も、まだ現役を継続したい思いをにおわせている。

　この日の観客数はキャパの半分以下の200人ほど。コロナ対策で客席の間隔を広く開ける必要があるためである。これでは赤字になるところだが、それでも乗り切れたのは「強いスポンサーの協力のおかげです」と主催のアポロジム度紀嘉男会長。コロナ禍の中の興行はどこも苦労しているようだ。