白熱ウェルター級 あすIBF暫定王座決定戦
リピネッツvs.クレイトン計量合格
2020年10月24日 10時03分
2020年10月23日 19時13分
WBAスーパー・IBFバンタム級チャンピオンの井上尚弥(27=大橋)と挑戦者ジェ―ソン・モロニー(29=オーストラリア)の対戦を、両選手と拳を交えた元WBA・S・フライ級王者の河野公平さん(39)が予想。WOWOWのインタビューに河野さんが答えた。
4年前の井上戦「右は他の人の3倍強かった」
――河野さんは10度の世界戦を含めプロ18年で46戦(33勝14KO12敗1分)しましたが、KO負けは井上戦とモロニー戦だけなんですね。
河野 パンチをもらうこともありましたが、急所を外して耐えていたので(笑)。
――2016年12月の井上戦を振り返ってみてください。
河野 試合前、井上選手とスパーリングをした後輩から「パンチが掠っただけで足が痺れた」と聞いていたんですが、やるからにはもう一度世界タイトルを取ると意気込んでいました。打ちに行ったところにカウンターを合わされても仕方ないとは思っていましたが、実際、それまでもらったことのない左フックを合わされました。(映像は)何度も見直しましたが、気持ちいいぐらいの完敗です。
――戦ってみて、井上選手は何が優れていると感じましたか。
河野 すべてです。スピード、パワー、技術……すべてがすごい。
パンチのパワーに関しては左ジャブが他の人の右と同じぐらい強かったし、右は他の人の3倍ぐらい強かった。いまはもっと強いでしょうね。それに、こっちが打ちに行っても、そのときには彼はそこにいないし。僕は相手が打ってきたら打ち返すという戦いが多かったんですが、井上選手は打ち返そうとしたときには(パンチが当たる位置に)いませんでした。ポジションの取り方も巧いですね。
僕は世界戦を10回やりましたが、あんな選手はいませんでした。ラウンドの後半には連打してきたし、気持ちも強いですね。あとボディ打ちも巧いしフィジカルも強い。軸がしっかりしているから体がぶれないんでしょうね。とにかくすべてが図抜けています。
――その試合から4年。井上選手はさらに強くなったと思いますか。
河野 僕と戦ったときはS・フライ級でしたが、それから階級を上げてパワー、スピードなどさらにすごくなったと感じます。僕と戦ったときとは比べものにならないぐらい強くなっているんじゃないですか。
――昨年11月のノニト・ドネア(フィリピン/アメリカ)戦では9回にパンチを浴びてピンチもありました。
河野 あれはビックリしましたね。でも、技術力は上がっていると思います。
――あえて、いまの井上選手の課題を探すとすると?
河野 少しガードが下がるところはあるけれど、課題というほどではないでしょうね。
すべてのレベルが高くてスキがないモロニー
――モロニーとは2018年5月にオーストラリアで戦いましたが、敵地での試合に抵抗はありませんでしたか。
河野 モロニーのことは事前にチェックしていたし、もう一度世界チャンピオンになるためにはこっちが乗り込んで行って強い相手と戦う必要がありましたから。
――どう戦う作戦だったのでしょうか。
河野 映像を見て、オーソドックスでスキのない選手だなと思いました。特に何をしようというのはなく、距離を潰して自分のボクシングをしようと思いました。
――実際に戦ったモロニーの印象は?
河野 終わった瞬間に思ったことは「この選手は普通に世界チャンピオンになるんだろうな」ということでした。すべて良いし、スキがない選手なので。
――戦力に関して特別なものは感じましたか。
河野 特別にスピードがあるとかずば抜けてパンチがあるとか、そういうことは感じませんでしたが、すべてのレベルが高くてスキがない選手ということですね。パンチ力もあるんですが、それは僕が受けたダメージということなので……でも、ダメージが残ったということはパンチがあるんでしょうね(笑)。モロニーはなんでもできる総合力の高い選手です。
――その試合から2年半、モロニーは成長していると感じますか。
河野 ロドリゲスとの試合(2018年10月のエマヌエル・ロドリゲス戦)を見ると、コンビネーションが良くなっていると思います。僕と戦ったときはボディ打ちがなかったけれど、けっこう(ボディブローを)打っていましたね。全体的に成長していると思います。それに今回はモチベーションも高いでしょうね。
――モロニーの課題を挙げるとすればどんな点でしょうか。
河野 きれいなボクシングなので、少し変則的な動きが加わるといいのでは。
――もしもモロニーにアドバイスするとしたら?
河野 自分を信じて思い切りやる、ということしかないでしょうね。そうとしか言えません。
――モロニーは「身長165センチ」と伝えられますが、実際はもう少し大きいともいわれます。
河野 僕が167センチで、それよりも少し大きかったので168センチぐらいじゃないですかね。
――総合力が優れている選手同士の試合となります。
河野 モロニーもスキがない選手ですが、井上選手はさらに突き抜けていますからね。仮にモロニーを普通のチャンピオンとしたら井上選手は「スーパー」、そのぐらいの違いはあります。そんなふたりが戦ったら、やっぱりそういう結果(井上の勝利)になると思います。
――では、もしも井上選手が苦戦するとしたら、どんな展開だと思いますか。
河野 打ったあとにクリンチされるとか、そういうことをやられると戦いにくいのでは。
――最も高い確率で予想されるパターンは?
河野 モロニーはディフェンスがいいので、勝負は終盤まで行くんじゃないでしょうか。それを考えると井上選手の終盤KO勝ちですね。
――両選手と戦ったことがあるだけに河野さんにとっても興味深い試合になりそうですね。
河野 試合を見に行きたかったんですが、こういう状況じゃ仕方ないですね。テレビで見ます。
河野さんのインタビューは10月24日(土)午後2時からの特別番組『11.1聖地ラスベガスへ!「井上尚弥」ボクシング最強王者への道』で放送。
井上vs.モロニーのタイトルマッチは11月1日(日)午前10時30分からWOWOWプライムで生中継される。ゲストはWBA世界ミドル級チャンピオンの村田諒太(帝拳)。
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