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鈴木雅弘が6戦目で日本S・ライト級王者 永田大士に10回TKO勝ち

2021年6月10日 20時56分

 日本S・ライト級タイトルマッチが10日、後楽園ホール「ダイヤモンドグローブ」のメインイベントで行われ、挑戦者5位の鈴木雅弘(角海老宝石)がチャンピオンの永田大士(三迫)に10回2分9秒TKO勝ちで新チャンピオンに輝いた。永田は2度目の防衛に失敗した。

赤コーナーからタオル投入で雄叫びを上げる鈴木(右)

 サウスポーの永田がガードを固めて前へ。試合はいきなり接近戦で始まった。鈴木は左フックを打ち込み、永田はボディを狙っていく。この日の永田はひたすらプレスをかけ、インサイドでコンビネーションを打ち込もうとするが、攻めが雑だった。鈴木は接近戦を嫌がる素振りはなく、しっかり対応して右ストレート、左フックを決めていく。3回には左ボディ、右ストレートで永田にダメージを与えた。

 既に顔を腫らしている永田は4回に持ち前の馬力を発揮しかけるが、5回はまた鈴木がコツコツと有効打を重ねた。5回終了時の採点は、鈴木が49-46、50-45×2でリードした。

鈴木(右)は後半に強い永田の追い上げを断ち切った

 永田は後半、逆転を狙って前に出るが、鈴木がジャブ、ボディ打ち、右ストレートと多彩なパンチをコツコツと当ててペースをキープ。しかし7回、永田のボディ打ちが効いたのか、鈴木の脚が止まって会場が一気に盛り上がる。永田は一気に攻めたいところだが、なかなか脚が前に出なかった。

 8回は両者ともにダメージを負い、かなり消耗してきた印象。そんな状況で9回に攻めたのは鈴木だった。永田の反撃を断ち切ると、10回も攻めた。右ストレートが決まった瞬間、永田のセコンドが駆け上がって棄権の意思を示した。25歳の鈴木は6勝4KO。31歳の永田は15勝6KO3敗2分。

鈴木の話「永田さんは近藤さんの試合のときは遠くから左ストレートを狙っていたけど、もし前に出でてきたら左フック、左ボディを合わせようと思っていた。左が当たれば右も当たるので。永田さんと試合をして脚を使って対処したらつかまる。だから前で、前で止める意識だった。きたときに合わせる。4-6くらいの割合で出る-待つを意識した。後半は自分も疲れたし、ボディも効いて気持ちが何度も折れそうになりました。田部井トレーナーに励まされました。

プロでは6戦ですけど、小学校5年生でボクシングを始めて中学のときにU-15で優勝したけど、高校、大学は周りが一番なのに自分はずっと一番になれなかった。一番になれてボクシングをやってきて良かったと思えました。

昨日は言えなかったけど、計量でパンツを脱いだのは、前の日にリミットに入ったので、ちょっと食べられると思ってハーゲンダッツを2個食べたからです(笑)」

この日の木村(左)は冷静に技術を見せて勝利

◇フェザー級6回戦
木村蓮太朗(駿河男児)[3-0(60-54×3)]福永輝(沖縄ワールドリング)
 体格で大きく上回るサウスポー木村がジャブ、左ストレートで距離をキープ。懐に飛び込もうとする福永をコンロトールしにかかった。瞬発力のある福永は闘志満々で左右のビッグパンチを思い切り振っていくが、木村にはなかなか届かない。木村は脚もよく使って、自在に動いてカウンターを打ち込む。福永は攻め手を失っていった。

 木村は左ストレートをボディにも散らし、右フックもうまく合わせてポイントを重ねていく。終始優勢をキープしながら、最終回は右フックを立て続けに決めた。木村は初の判定勝ちで4勝3KO。最後まで闘志を見せた福永は8勝5KO2敗。

木村の話「去年の3試合に比べたら、レベルが違う選手。やる前からカウンターを意識していて、うまくはまった。自分は今日、打ち合いをしても負ける気はしなかったけど、勝つ確率を高めるために距離を取らなくちゃいけなかった。それができた試合だった。井上尚弥とスパーをして? 尚弥さんのスパーリングパートナーに指名してもらって。最長8ラウンドを2回やったので(計36ラウンド)大きな自信につながった。フェザーでもS・フェザーでも負ける気はないので、チャンスがあればどちらでもいきたい」

狩俣(右)は攻めて7連勝

◇50.0キロ6回戦
狩俣綾汰(三迫)[3-0(59-55、60-54×2)]青木勇人(協栄新宿)
 両者は昨年の東日本新人王決勝で対戦する予定が、青木がけがで棄権。狩俣が次の試合に勝って全日本L・フライ級新人王に輝いた。因縁の対決は好戦的な日本同級14位、狩俣がスタートからグイグイと前に出て、左ボディと右ストレートで青木に迫った。

 3回、狩俣のペースがやや落ちると、青木もボディ打ち、右ストレートで反撃の狼煙。しかし4回、狩俣が右をきれいに決めると青木が後退。狩俣はラッシュしたが、青木がこれを何とかしのいで負けじと右を打ち込んで粘りを見せた。狩俣は最後まで優勢だったが、青木がよく踏ん張った。25歳の狩俣は7勝3KO。36歳の青木は4勝3KO1敗。

快勝した全日本新人王の宝珠山

◇フライ級6回戦
宝珠山晃(三迫)[TKO2回57秒]川畑嗣穂(ワタナベ)
 サウスポー対決は2020年全日本フライ級新人王で日本同級15位の宝珠山が初回、いきなり左アッパーを決め、そのまま左をフォローすると川畑がダウン。宝珠山はここから2分以上攻め続け、川畑はクリンチでなんとかしのいだ。しかし2回、宝珠山が左を決めて畳みかけたところでストップとなった。名門、日大出身ながら大学時代は無名の宝珠山はデビューから6連勝(3KO)。日体大出身の川畑は3連敗で2勝2KO3敗。

宝珠山の話「(初回は)ミットでやったことがパッと出たら倒れた感じ。やってきたことが出せれば気持ち良かったです。全勝というほどの実力じゃないけど、今日の勝利はいい一歩になった」

◇S・バンタム級6回戦
小笠原梢太(三迫)[引き分け1-1(58-56、56-58、57-57)]笈川夏愛(角海老宝石)
 パンチのある小笠原が前に出て、サウスポーの笈川が動きながら手数で勝負する展開。笈川が左をよく決めたが、徐々に小笠原のボディ攻撃で笈川がダメージを蓄積していく。終盤は小笠原が決めきれず、効いている笈川が踏ん張ってファイトし、引き分けとなった。小笠原は6勝3KO3敗1分。笈川は3勝1KO1敗1分。

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