ミドル級決戦まであと3日 ゴロフキン「試合展開は予想不能。お互い複数のパターンを用意しているはず」
2022年4月6日 19時34分
2022年4月6日 15時58分
WBO世界フライ級タイトルマッチが4月9日、さいたまスーパーアリーナの村田諒太×ゲンナジー・ゴロフキンのセミで行われる。充実のチャンピオン中谷潤人(M.T)の有利が予想される中、強打を売りとする山内涼太(角海老宝石)が虎視眈々とアップセットを狙う。=ボクシング・ビート4月号より=
中谷は昨年12月、メキシカンとの防衛戦が予定されていたが、イベントの延期に伴って挑戦者は同級2位の山内に変更。予想となると当の挑戦者が「8-2で不利」というくらいで、中谷有利という見方が大勢を占めている。
これは山内が低く見られているというよりも、中谷の評価がそれだけ高いということだ。初防衛戦は昨年9月、アメリカで元王者アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)を相手に伸び伸びと戦い、圧勝して海外でもその名を高めた。
山内は大阪・箕面東高時代に選抜準優勝(決勝で井上拓真に敗退)。東京農大に進んだものの全国優勝は果たせず、卒業後に角海老宝石ジム入りした。プロ5戦目、上海で世界ランカーのウラン・トロハツと対戦し、倒した倒されの激闘の末に判定負け。これが唯一の黒星となっている。
山内の印象を問われた中谷が「パンチがある」と答えているように、山内の売りはその強打だ(戦績は8勝7KO1敗)。同時打ちで振り抜く右には決定力がある。山内は「チャンスはあると思う。KOにかけます」と意気込む。強打を炸裂させるためには、近距離か中間距離で戦いたいところだ。
しかし、長身サウスポーの中谷はロングレンジの戦いを得意としていて、やすやすと山内の接近を許さないだろう。「長い距離でやれれば、すごい楽だと思います」とは中谷が語った理想の展開だ。序盤で距離を支配すれば、狙い通りの展開になるだろう。
一方で最近の中谷は接近戦にも自信を持っている。見かけによらず強気な性格もあり、そこに隙が生まれるのではないかと心配する声もある。アコスタ戦では珍しく一発を食らうシーンがあった。
これについて本人は「もちろんパンチがあるので、そういう距離になれば危ないという意識のもとで戦う。ガードには気をつけているし、極力その距離にはいかない」とコメント。「そういうメンタルコントロールができないとチャンピオンじゃないと思います」と意識が高い。
デビューから22勝17KO無敗の24歳はS・フライ級進出も視野に入れる。予想有利のチャンピオンが順当にベルトを守り、さらなる高みに歩み出すのか。自らを“大穴”と称する27歳のチャレンジャーがアップセットを起こすのか。この試合も村田×ゴロフキンと同じく、大いに楽しみたいところだ。
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