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日本2階級制覇の黒田雅之が引退 2度の世界挑戦実らずもヒジの状態悪く決意

2022年6月16日 17時36分

元日本L・フライ級、フライ級王者の黒田雅之(35=川崎新田)が16日、日本ボクシングコミッションで記者会見を開き現役引退を発表した。

左から新田会長、黒田、SOERUTEの山上代表

会見した黒田は「1月の再起戦に負けて、練習を再開したけど(2020年10月に手術した)ヒジの調子が良くなかった。ごまかしてやろうかと思ったけど、それではボクシングにも相手にも失礼だと思った。やめるなら今しかないと思った」と引退の理由を説明した。

黒田は2019年5月、自身2度目の世界挑戦でIBFフライ級王者モルティ・ムザラネ(南アフリカ)に敗退。再起を決めたが20年10月、バンタム級3団体統一王者の井上尚弥とのスパーリングで左ボディブローを打った際に左上腕の腱を断裂した。

今年1月、2年8カ月ぶりのリングで重里侃太朗(仲里)に判定負け。試合に手術したヒジの影響はなかったというが、試合後に練習を再開したところ「ヒジに違和感があった。特にジャブ出すと痛みが出た」そうで、3月に引退を決意したという。

ムザラネに負けたあとは、川崎市の生産性向上働き方改革事業によって高齢者福祉施設や訪問介護を手がける川崎市の「SOERUTE(そえるて)」に就職し、8時半から14時ま半までの勤務で、安定した収入を得ながらボクシングの練習に励んだ。

会見に同席した同社の山上剛史代表は「黒田くんは単なる働き手というだけでなく、夢を追いかけるアスリートとして会社に無形の財産を与えてくれた」と説明。黒田の仕事は高齢者のリハビリやデイサービスで、5月から同社でフルタイムの社員として働いている。ボクシング指導など、今後もボクシングには何しら関わっていくつもりだ。

井上と何度もスパーリングしたことについては、「自分が一番だと思ってやるのが競技者。井上選手のパート-ナーであることやプロテストの相手を務めたことを聞かれることもあったが、現役時代はその話をしたくなかった。引退した今は光栄なことだったと思っている。同じ時代に現役でいられたことを誇りに思う」と話した。

黒田は18歳だった05年5月にプロデビュー。長いリーチと強打を武器に翌年には全日本L・フライ級新人王に輝き、11年に日本L・フライ級(4度防衛)、17年2月に日本フライ級王座(4度防衛)を獲得した。13年2月にWBAフライ級王者フアン・カルロス・レベコ(亜)、19年5月にIBF王者ムラザネに世界挑戦したが及ばなかった。生涯戦績は30勝16KO9敗3分。

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