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田中恒成が5回TKO勝ちで4階級制覇挑戦アピール WBOアジアパシフィック王者を圧倒

2022年6月29日 20時57分

 WBOアジアパシフィックS・フライ級タイトルマッチが29日、後楽園ホール「フェニックスバトル」のメインで行われ、元世界3階級制覇王者で挑戦者の田中恒成(畑中)が王者の橋詰将義(角海老宝石)に5回2分52秒TKO勝ち。2月にOPBF王座も同時に獲得した橋詰はWBOアジアパシフィック王座の初防衛に失敗した。

田中(右)は公約通り力の差を見せつけた

 世界ランキングは田中がWBO3位、IBF5位、WBC6位。橋詰がWBO12位、IBF14位。4階級制覇を狙う田中は世界タイトルマッチに向けてステップにしたい一戦。一方の橋詰にとってはビッグネームを食って一気に世界戦線への浮上を狙った。

 スタートは身長で上回る橋詰が先手を取った。脚を動かしながらジャブ、左ストレートを積極的に打ち込み、ボディにも左を打ち込んで会場を沸かせた。橋詰は2回の出だしも気持ち良くパンチを打ち込んだ。

 田中はここからプレスを強め、左フック、右ストレートを打ち込んでペースをつかみにいく。3回、右をダブルで打ち込むと、ここからはスピードとパワーを生かして攻めまくる。4回はローリングしながらグイグイと前に出て右強打、左フック、左ボディで橋詰をサンドバッグ状態に追い込んだ。

 5回、田中のパンチで橋詰が右目上部から出血。ドクターチェック後、田中が橋詰をロープに押し込んでめった打ちしたところでストップとなった。田中は17勝10KO1敗。橋詰は19勝11KO1敗2分。

田中の話「自分の原点に戻ってスピードを生かして、攻めていこうと思った。もともと泥臭く攻めるスタイル。これからも攻めて、攻めていきたい。橋詰選手のいい距離感とジャブとストレートはいいパンチだった。最初はそれに対応しようとした。また世界を目指してがんばります」

 今後について畑中会長は「正直、ロマゴンとエストラーダのほうは難しい」とWBCとWBA王座への挑戦は難しいとの見方を示した。他団体の動向は、IBF王者フェルナンド・マルティネスは前王者ジェルウィン・アンカハスと再戦する見通し。WBO王者の井岡一翔はドニー・ニエテスと7月に防衛戦。畑中会長は10月のWBO総会に田中と出席する考えを示した。田中は「だれと決まっても絶対に取る」と話した。畑中会長は「いずれにしても世界挑戦は来年になる。年内に名古屋で試合がしたい」と話した。

神崎(右)は試合をコントロールした

◇日本ユースS・フライ級王座決定8回戦
神崎靖浩(倉敷守安)[3-0(78-74×2、77-75)]湊義生(JM・加古川)
 スピードのある両者は初回からキビキビとしたボクシングで技巧を競い合った。ジャブで上回ったのは神崎だ。足を止めずに湊のアタックを防ぎ、ジャブとタイミングのいい右でポイントを稼ぐ。神崎が完全にペースを握ったかに見えたが、後半は湊も前に出て踏ん張り、膠着した展開に。最終回は湊が右アッパー、左フックを決めて逆転の期待が膨らんだが、最後は神崎が右ストレート、左フックを決めて試合を締めた。21歳の神崎は8勝2KO2敗1分。23歳の湊は10勝5KO6敗。

神崎の話「アマチュアからやってきてタイトルを取ったことがなかったので、後楽園ホールの舞台でタイトルを取れてうれしい。もっともっと強くなって次のステージに行けるようにしたい」

ホープ松本は速攻で決めて5連続KO勝ち

◇58.0キロ8回戦
松本圭佑(大橋)[TKO1回42秒]ナクハリン・ハンギュ(タイ)
 日本フェザー級12位の松本が一回り小さいナクハリンを難なく攻略。ワンツーから左ボディを効かせると、さらに左ボディを打ち込み、カメになったタイ人に乱打してストップ勝ち。元日本、OPBF王者の松本好二トレーナーを父に持つ松本はデビューから5連続KO勝ち。ナクハリンは4勝2KO2敗。

松本の話「思ったよりも早く終わってしまった。試合までは自分のレベルアップできるトレーニングを積めたと思う。左のパンチの強化をしてきて、今日は左ボディをさせた。一戦一戦大事に戦っていって必ずチャンピオンになりたい」

加藤はランカー撃破に成功

◇S・ウェルター級8回戦
加藤寿(熊谷コサカ)[TKO2回2分46秒]安達陸虎(大橋)
 日本S・ウェルター級6位の安達とサウスポー加藤は静かな立ち上がり。2回、加藤が左のショートをカウンターで決めると安達がダウンした。再開後、攻める加藤の左がカウンターで炸裂すると安達はバッタリ倒れて後頭部をキャンバスにぶつけた。主審が即ストップした。ランカー撃破の瞬間、コーナーロープに上がって雄叫びを上げた加藤は11勝7KO10敗2分。安達は16勝12KO4敗。

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